出ました!埼玉の未知の林道!
2014/07/06 埼玉県寄居町・秋山林道
 
 梅雨時には仕方の無いことだが、ここ数週間は週末の度に悪天候に見舞われ、なかなか外に出て行くことが出来なかった。今週末も、週初め頃の予報では雨予報だったので半ば諦めていたのだが、直前になって日曜の雨マークが消えた!ただ、午後にはやらなければならないこともあるので、今日は出掛けてもすぐに戻らなければならない。でも、そんなときにピッタリの目的地がボクにはある!何と、埼玉県内の未知の林道についての情報を手に入れたンだっ!
 
 ここは寄居町秋山地区の県道294号線から中間平へと向かう分岐地点。BAJAの停めてあるこの道を進むと中間平、そして林道茨戸線を経て釜伏峠へと至るが、今日の目的地はそこではなく、県道から分岐するこの細い道そのものだ。
 さて、何故ここが今日の目的地なのかというと、先日、もへじさんより、未知の林道についての情報をいただいた。もへじさんには、以前も金山線峰線などの情報をいただいたが、今回教えていただいた場所がまさにこの道なのだ。
 
 もう、その情報を聞いてからというもの、早くここに来たくてずっとウズウズしていた。この道沿いに、林道の開通記念碑が建っているとのことだが、石碑で記してあるということは、相当に古い道なのだろう。果たして現在の道の姿はどのようなものだろうか。早速進んでみよう。
 
 県道との分岐から150m程も進んでくると、道が緩やかにカーブする地点に、それはあった。
 
 これがその林道開通記念碑だ。表面に林道の名前は書かれていないが、裏面に記された碑文の中にこの道、そう、今日の目的地である秋山林道の名がしっかりと明記されている。
 それにしても、こうして埼玉の未知の林道についての石碑を目の当たりにすると・・・ふふふ、ゾクゾクするぜ(笑)。
 
 その石碑から先を見ると、道沿いには民家が立ち並び、林道らしさはあまり感じられない。それもそのはず、碑文によれば、この秋山林道の竣功は昭和9年とのこと。未知の「林道」とはいっても、開設から80年が経過し、本来の林道としての役割はとうに終え、恐らくは既に町道に編入されているのだろうが、かつて林道として造られた道ということが分かった以上、やはり走っておかねばなるまいッ!
 
 石碑から数十m先で、道は交差点に差し掛かる。この交差している道は左手で県道から分岐しているが、秋山林道開通当初には無かった道だろう。ここはこのまま直進していく。
 
 県道から300m程で、直進する道と右手にカーブしていく道とに分かれる。
 
 右手に進むと中間平方面だが、直進する道は・・・行き止まり!来た、これはこっちが秋山林道に違ぇねえ!
 
 というわけで、直進する道を進んできたが、分岐を越えたとたんに、道は一気に林道らしさを増して来た。
 
 とはいえ、道の勾配はそれほどあるわけではないが、林道序盤の区間としてはありがちな景色だ。
 
 お、鳥居・・・?
 
 石段を上った先の鳥居の奥には、獣道のような急勾配の踏み跡が見えるだけだが、この先に何か祀られているのだろうか・・・ちょっと行ってみたい気もするが、今日はこのまま秋山林道を進むとしよう。
 
 林道らしさを増したかに見えた道だったが、道沿いにはまたすぐに民家が現れた。確かに、行き止まりとは言え舗装された上に電柱まで立っている時点でだいたい分かるけどね・・・。
 
 やがて、県道との分木から約700m地点で、道が四方に枝分れする地点に着いた。ただ、これらの先は全て民家へ続いていて、公道としてはここで終点となっているようだ。
 
 ・・・だが、その少し手前で、更に別の未舗装路が一本分岐している。ここも民家へ続く私道なのかと思ったのだが・・・。
 
 ・・・なんかこれ、道の続きっぽくね?ってことで、少し歩いて入ってみることにした。
 
 これはその未舗装路を進んで振り返ったところ。最初に見た民家へ続く道と合流しているが・・・。
 
 その先で道は二股に分かれているが、そのどちらにも車が停めてあり、完全に私有地状態(笑)。
 ・・・いや、本当にそうなのかもしれないけど・・・。
 
 まずは左手の黄色い車の背後に回ってみる。その先は、確かにかつては道があったようにも見えるが、その路面(?)は既に下草に覆い尽くされていて、民家のすぐ奥ということもあって、これ以上先に進む気にはなれなかった。
 
 続いて右手の道へ進んでみる。ここも、恐らくは駐車スペースとするためだけにコンクリで舗装されているのだと思うが、それもすぐに途切れている。そしてその先はというと・・・。
 
 うわあ・・・。
 
 林道、っていうか、杣道だなこれは・・・。
 まあ昭和初期であれば、この規模の林道もじゅうぶんにあり得ただろうが、左手の道とともに、果たして本当にここが秋山林道の続きなのかは、今のこの道の状態からはまるで窺い知ることは出来ない・・・。
 
 そんなわけで、秋山林道として開設された道の、少なくとも現在の車道としての末端までは辿り着いたので、今日のところはここで引き返すとしよう。
 
 さて、冒頭にも触れたこの石碑だが、裏面にはこの道の開設についての説明と、寄附者の名簿が記されている。
 
 その林道開設についての碑文を、以下に書き写してみた。
 
 
農村振興土木事業ノ計画セラルゝニ當リ秋山區民ノ協議ニ依リ昭和八年十月二十三日秋山林道開設指令ヲ受ケ八年度ニ於テ延長千五百八十米ノ工事ヲマゝシ昭和九年度一千米ノ工事ヲ竣工シ總工事費金七千八百九十九圓十一銭ヲ要シ内金五千六百二十五圓ノ縣費補助ヲ受ケ特志者ヨリ金三百七十五圓ノ寄附及地元區民ノ負担金千八百九十九圓十一銭ヲ要シ總延長二千五百八十米幅員三米ノ秋山林道ノ全通ヲ見ルニ至ル兹ニ區民碑ヲ建テ永久ニ記念トス
昭和十二年五月
 
 ・・・って、ちょっとまって?
 
 「總延長二千五百八十米」?
 
 え、だってさっき行った道の末端まで、県道の分岐からたった700mしかなかったじゃん!つまり、やっぱりまだあの先に秋山林道としての道が2km近くも眠ってるってこと!?それか、実は起点がもっと手前だったとか?それとも・・・実はあっちの道じゃなくて、中間平に向かう道の方が本当の秋山林道だったとか!?
 ダハー!なんだかモヤモヤするぅ~・・・。だからって、現地であれ以上この道のヒントになりそうなことも見つからなそうだしなあ。またそのうち暇があったら資料でも調べてみるかな。
 
 というわけで、今日は午前中のプチツーリングでした。気になっていた秋山林道の石碑を見れただけでも、今日は良しとするかな。あー、早く梅雨明けねーかなー。