越生町・未知の林道探索
2011/11/23-@ 埼玉県越生町 林道峯線
 
 先日、7月の金山線に続き、またしてももへじさんのブログにより未知の林道の情報を得た。記事によると、越生町の楠線の終点が、その未知の林道へと接続しているらしい。今日は久しぶりに時間も出来たし、その未知の林道を探索しながら、周辺の林道も合わせてサクッと回ってくるとしよう。
 
 
 というわけで、まずは越生梅林近くに起点のある林道山入線にやって来た。いつ見ても林道らしさの薄いこの起点の風景、素敵だ(笑)。
 
 
 その山入線を進んでいくと、途中で分岐するのが、この林道楠線。ここ、自分が最後に来た時にはまだ未舗装区間が残っていたのだが、最近になって全線舗装化されてしまったということを聞いていた。その確認も含めて、ここから今日の目的の林道に接続する終点へと向かっていこう。
 
 
 起点から数百m進んでくると、以前に未舗装との境目だった地点から先にも、綺麗なアスファルトが続いている。ああ・・・事前に知っていたからショックは少ないが、やはりダートが無くなってしまうのは残念で仕方ない。
 
 
 ただこの道は、起点からも終点からも、峠に向けて結構な勾配が続いているので、未舗装のままにしておいたら、流水によって抉られて路面がぼろぼろになってしまっていたかもしれない。周辺には民家も点在する地区に存在する林道としては、舗装化もやむを得なかったのだろう。

 
 
 そんな舗装された路面を確かめつつ終点に到着。ここからこの突き当りを右手に折れ、町道のほうへ下って行くと、今日の目的の林道の記念碑が建っているらしい。それでは早速進んでみよう。
 
 
 楠線の終点付近は周囲が開けているが、すぐに辺りは木々に囲まれ、ここから町道へと接続するまではほぼ鬱蒼とした景色となる。
 

(画像にカーソルを合わせてください。)
 
やがて町道への接続地点に近付くと、目的の石碑らしきものが見えてきた。おおっ、あれだな・・・。
 
 
 出ました!
 
 
 石碑にに刻まれた文字によれば、この道は林道峯線というらしい。
 
 
 「峯線林道開鑿之碑」と書かれた、2mをゆうに超える石碑には、この道の開削に至った経緯が記されていた。
 
 
本道路の幹線である梅園小川道は大字上谷を貫通し従来梅園村道として優
れた効果を挙げて居つたがこの道路から分岐し大附を経て西平に通ずるノ
経は急坂胸を衝き曲折多く辛うじて人馬の歩行を許すのみで沿道百余戸の
住民の不便は言外であり尚その奥地の豊富な資源は空しく埋もれ この改
修は地域関係者多年の宿願であつたが工事の困難と之に伴う膨大な経費は
容易に目的を達することを得ず今日に至った 然し地元住民の熱望は遂に
國のい容るゝところとなり本町および都幾川村に於ても補助を決定し越辺川支
流上殿川に添て新道開鑿を起工し延長一千三百五十米に亘り幾多の困難を
克服し二ヶ年の歳月と五百五十余万円の巨費を費して完成を遂げたのであ
って本道路こそ實に越生町と都幾川村とを結ぶ靭帯として両者の提携緊密
は素より産業開発経済文化の交流進展の根幹として将来益々活用され當地
方の発展を期待すると倶に地元の関係各位の英断と不滅の業績に満腔の敬
意と感謝を表するものである
 
 
 石碑の日付によれば昭和37年に竣工したらしいこの林道の開通は、表面にびっしりと綴られたこの文によって、兎にも角にも地元住民の悲願であったことが窺えるが、「その奥地の豊富な資源」とは一体何だったのだろう。
 
 
 それではこの峯線、起点から改めて辿って行くとしよう。
 
 
 そういえば、初めて楠線を見つけた日に、この道も走っていたっけなあ。あの時も「道もなんとなく林道っぽくなってきた」なんて思っていたが、まさか本当に林道だったとは(笑)。
 
 
 途中には民家の立つ場所もあり、非常にのどかな景色となっている。
 
 
 綺麗に色付いたイチョウの木が、秋らしさを演出しております。
 
 
 やがて、起点から700m程来ると、道が二股に分かれている。これはどっちが峯線の本線だろう。
 
 
 まあ、直進する道のほうがどう見てもそれっぽくはあるが。ちなみにBAJAの先で左手に分岐しているのが先ほど下って来た楠線。よし、とりあえずこっちを進んでみよう。
 
 
 少し進んでみると、道の脇には古い石垣もあり、やはりそれっぽい雰囲気が満点。
 
 
 さらに進んでいくと、木々の隙間の先に民家が見えてきた。
 
 
 あの分岐の先の雰囲気から、なんとなく行き止まりぽいイメージだったが、あの石碑にも、住民の不便の改修が宿願だったとも書かれていたし、抜けているのは当然だろう。そしてこの橋を越えてすぐに・・・。
 
 
 集落に沿って延びる道に合流。起点からここまでの延長は、BAJAのメーターで約1.3km、そしてあの石碑に書かれていた延長が一千三百五十米。ちなみに、先ほどの分岐から右に逸れるもう一方の道は、この集落沿いの道に接続するまでの総延長は1km程度。うん、やっぱりこっちで合ってるな!
 
 
 さて、峯線の終点が接続しているこの道。右手に進めば県道方面に戻るのは分かるが、左手はどこに続いているんだろう。と思っていると、奥から1台の車が走って来た。もしかしてどこかに抜けているのか?ここまで来たから、ついでにその先も確かめてみようとBAJAに跨って進んでみたが、すぐに工房に行きついて行き止まりとなった・・・。
 

 気になっていた峯線の実走を終え、続いて次の林道を走りに小川町まで向かう。
 
Aへ続く。