秩父の未知なる林道、その名も「秩父林道」へ!
2015/04/30 埼玉県秩父市・秩父林道-A
 
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 道が谷を跨ぐ度に、美しい沢の流れに目を奪われる。写真を撮り、自転車へ戻ろうとふと見ると・・・。
 
 おおう!あんな上にこれから向かう道が見えてるじゃねーか!どんだけ一気に駆け上がってるんだよ!
 と、これから進む道にちょっぴりビビりながらも先へと進む。
 
 おっ!おおーっ!これは素晴らしい!斜面が伐採されていることもあって、とても広々と開放感のある景色が広がっている。たとえこの先がどんなに険しい道だとしても、これなら行ける!頑張れる!
 
 あまりに感動して、ちょっとしか進んでないのにまたシャッター切っちゃったよ!見てくれ!この真っ蒼な空と生命力に満ち溢れた力強い緑の発色の美しさを!この明るい陽射しと路上に落ちる斑な影が織りなす艶やかな景色を!素晴らしい!本当に素晴らしい!この景色を見られただけでもかなり満足度は高いが、この先にもまだ道は続いている。張り切って進んでいこう。
 
 その先の道がカーブで折り返す地点で、秩父林道の2つ目の銘板を見つけた。
 
 こちらは先程のものよりも一年後のものだが、周囲には土砂が積み上がっていて、長いことその土砂の中に埋もれていたのだろうか、銘板の表面はだいぶ汚れが目立っている。
 
 ふと見下ろすと、先程のなぞの作業道がみえている。やはりあの先はそう長く続いているわけではなさそうだな・・・。
 
 それにしても、この山々の美しさはどうだ。初夏の空に霞む山肌が描き出す空気感、この眩しさはやはりこの季節ならではのものだ。
 
 そして、そんな景色に相応しく、道もまた穏やかに延び続ける。
 
 お、警戒標識が水没してる・・・。こんなところで濡れるのも嫌だったので、何の標識かは確かめなかったが(笑)。
 
 さっき下から見上げた場所まで上って来た。周囲の斜面に高い木が無いので、ここまで続く道の姿がよく見える。実にいい眺めだ。
 
 ここまで上ってくると、周囲の景色も格段に見晴しが良くなってくる。
 
 山肌に斑に落ちる雲の影が、また実に美しい。そして、ここからもあの中川林業専用道がよく見えている。本当に最高だな秩父林道。
 
 道の脇に立つキロポストによれば、ここでちょうど3kmらしい。既に半分は過ぎているんだな。よし、まだまだ頑張って上っていくぞ。
 
 もうこの辺りまで来ると、どこへ目を遣っても素晴らしい景色しか入ってこない。天気にも恵まれて、今日来ることが出来て本当に良かった。
 
 路肩から迫り出す木の幹も。
 
 フラットな路面が貫く切り通しも。
 
 道の外を覆い尽くす眩しい緑も。
 
 本当にどこを切り取っても見事な景色だ!楽しい!楽しすぎるぞ秩父林道!
 
 ここで、秩父林道の3つ目の銘板を見つけた(現在地はここ)。
 
 2つ目のものよりも二年度後のものだが、やはり当時はかなりのペースで開削を進めていたんだろうな。
 それにしても改めて思うが、この秩父林道の路面、かなり良く整備されている。山と高原地図を見ると、この道も登山道の一部に組み込まれているようなので、そのせいもあるのかとは思う。とはいえ、一般車両は通行止めなので、あくまでも林業本来の為の整備だとは思うが。
 
 そして道の外に目を遣ると、遥か下に砂防堰堤が見えている。いやー、股間がスーッとしますなあ・・・。
 
 その先で、ヘアピンカーブで一気に折り返す場所があったので、思わず道の外に踏み出して撮影。左手に遠くに見える山々と、右手に見えるコンクリートの法面の対比がかなり印象的だ。
 
 その先は、まるでこのまま空へと飛び出してしまいそうなほどの広々とした視界が広がっている。まさかまだ荒川に、こんなに凄い景色が広がっている林道があったなんて。しかもそれを今の今まで放置していたなんて。だから今日は、この林道の素晴らしさを、何としてでもここを見てくれている人たちに伝えたい!
 (だから今回は一本の林道に対してこんなに写真が多いんですよという言い訳。)
 
 その先のカーブを越えると、かなり大規模に人工物の目立つ区間に入った。見たところかなりの急斜面だが、このコンクリートの法面も、地滑り防止の為には仕方の無いことなのだろう。
 
 そして、その地点から外側に目を向けると、かなり印象的な姿の岩が目に入った。
 
 これだけ目立つ姿をしているので、きっと名前でも付いているだろうと思って帰宅後に調べたら、これは烏帽子岩と呼ばれているようだ。緑の山の中に、白い岩肌が一際映えて実に美しい姿だ。
 
 お、この区間はだいぶ平坦だぞ。せっかくだからこんな区間だけでも漕いでいかないとね(笑)。でも、こんな景色の中で自転車を漕いで行くのって本当に気持ちがいいよ。
 
 路面自体も終始フラットに保たれているので、乗車に対して何ら障害になるようなものも無い。これは帰りの下りが楽しみすぎるな!
 
 ここで路肩のキロポストに気づいた。そこに書かれた数字は「5.0」。ってことは・・・おお、もうすぐ終点か。
 
 と、その向かいの斜面に、この先で折り返して来た道の先が見えているが、どうもあそこで道が途切れている・・・?おお!遂に来たか!?
 
 そのすぐ先で道が折り返す地点に来たが、ここは洗い越しとなっていて、沢から流れる水を路上に流している。
 
 その洗い越しを越えて、いよいよ終点だ!ってところで、路上に倒木が横たわっていた。こんなところまで来て初の倒木か!まあ、これなら難無く自転車を担ぎ上げられるので問題は無いが(笑)。
 さあ、いよいよだぞ!
 
 おおおーっ!着いたぞおおおーーーーーーっ!!
 
 ここが、延長5,045m、秩父林道の終点だ(現在地はこの辺り)!現在時刻10:12AM、起点標識の地点を出発して約1時間45分程が経過した。距離の割にはだいぶ時間が掛かっているが、頻繁にシャッターを切っていたのでまあ仕方あるまい(笑)。
 
 現在の高度、1008m。この秩父林道、終始路面も穏やかで、通行に支障のあるような箇所も無く、無事に終点を確認することが出来た。ほんの少しだけ休憩をして、ここを引き返そう。
 
 引き返そうと思ったんだが・・・。
 
 実は、この洗い越しに注ぐ沢沿いに、一本の道が延びているのだが、その路面には4輪の轍が見えている。どう見ても車道だ・・・。
 
 ここから先は矢岳へと続く登山道となっていて、もちろん地図にもそのルートは記載されているのだが、まさかこんなあからさまな車道が延びているとは思わなかった。一体何処まで続いているんだろう・・・。
 
 と言う訳で、秩父林道本線からは外れるが、少しだけ様子を見に行ってみよう。チャリ君、ちょっとそこで待っててね。
 
 道を登り始めてすぐ、こんな倒木が道を塞いでいる。まあ徒歩なら何の問題もなく通過出来るが・・・。
 
 そのすぐ先にもこんな倒木が。これだけでもう、長いこと車道として機能していないであろうことは伺えるよね・・・。
 
 そして、その倒木を越えた地点で道が途切れている。ここで道は終わりか、と思うと・・・。
 
 振り返ると、道はVの字に急角度で折り返して更に上りつめている。
 
 これはあれだ、ガチの作業道だな・・・。こんな切り返しを四つ程も過ぎた後、道はしばらく直線的に延びているように見えてきたが・・・。
 
 その路面からは既に轍は消失し、幅員もだいぶ狭まり、どうやらこのまま登山道へと変わっていくようだった。これは深追いしたら駄目なヤツだ・・・。
 
 今日はこの登山道を進むことは目的では無いので、この辺りで切り上げるとしよう。それにしても、印象としてここは市街地からそんなに離れて無いって感じだったけど、いつの間にかずいぶんと山深い場所まで登って来てたんだなあ。地図で確認したら、ここから直線距離であと2kmもしないで奥多摩に入ってしまうんだな。そりゃ山奥感あって当然だよ。
 
 チャリ君、ただいまー。それじゃ今度こそここを引き返そう。
 
 それにしても腹減ったなー。往きに飯にするのに丁度良さそうな場所を見つけておいたので、そこまで一気に下っていこう。
 
 着いたーっ!ここ、道の脇に結構な広さの平場があって、しかも斜面の木が伐採されているので実に眺めが良いのだ。
 
 イッタダッキマース!こんな景色で食うカップラーメンはホント旨いぜ(笑)。
 
 何の物音もしない静かな空気に包まれ、鮮やかな緑を纏った山々に囲まれていると本当に気持ちが落ち着く。
 まだ時間も早いので、ここで少しゆっくりして登りで蓄積した疲れを落として行こう。
 
 それじゃあそろそろ、路肩に注意して再び下って行こう。続いては、往きに見つけたあの中川林業専用道の探索だ!
 
中川林業専用道へ続く。