冬の林道でラーメンを食べようシリーズ!
2015/12/20-A 東京都日の出町・林道勝峰山線〜あきる野市・林道横沢・小机線
 
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 BAJA君、ちょっとそこで待っててね(見えて無いけど)。車道の終点から分岐する登山道へ入ると、すぐに丸太を利用したベンチとテーブルが置かれた広場に出る。ここは、まあもさんによって『よいこのらーめん広場』と名付けられた場所だ。(タマチャリンさんの記事を参照)。先ずは勝峰山の山頂を目指し、戻ってきたらここでお昼にしよう。
 
 道は整備が行き届いていて、実に歩きやすい。
 
 しかし、周囲には全く人の気配を感じない。しっかりと整備がなされたこの道に、一体どれだけの人が訪れているのだろう・・・。
 
 歩きだしてまだものの数分しか経っていないが、目の前の景色が開けてきた。まだ山頂ではないようだが、ベンチも設置されているようだ。どんな景色が見られるんだろう。
 
 おっ・・・。
 
 おおおーっ!これは良い!さっき終点手前の路肩から見たときよりも、周囲を囲う木々も少ないので、より広々とした眺めとなっている。ここのベンチに腰掛けてお昼にするってのもいいかもなあ。
 
 ここで折り返す道も、引き続き綺麗に整備されている。この山頂へと至る登山道も、以前から登山道そのものは存在していたのだろうが、改めてここまで整備されたのは、やはり林道の開削が切っ掛けだったのだろう。道沿いの偽木の柵も、つい最近作られたばかりのように見えるが、タマチャリンさんによると、この柵に一本だけ古いレールが立て掛けられていたらしい。もしかしたら以前は、国鉄五日市線岩井支線のレールを再利用した柵でもあったのかもしれないな。
 
 更に歩いて行くと、桜の木のようだが、道の上を横切る木を支えている場所がある。
 
 初め、倒木を支えているのかと思ったのだが、どうやら横方向に延びる幹を支えているようだ。
 
 その地点から斜面を下るように、展望出来る場所に向かって道が分岐している。ここは帰りに寄るとして、先ずは山頂を目指そう。
 
 その桜の木を回り込むように歩いて行くと、すぐに広場のような場所に行き着く。どうやらここが山頂のようだ。
 
 車道の終点から歩きだしてここまで、時間にして僅か8分の行程だった(笑)。先程見えた桜の木の脇には、案内板と、丸太の柵で囲われた場所がある。
 
 立て札には「鎧塚」と書かれている。この勝峰山には、平将門にまつわる伝説が残っているようで、この鎧塚とは、将門の鎧を埋めたとされる場所のようだ。そしてこの立て札も、今年の二月に立てられたばかりのまだまだ新しいものだ。
 タマチャリンさんのブログに寄せられたコメントで知ったのだが、どうやらこの山頂には、地元の方たちが祀神にお参りに来るのだそうだ。嘗てこの山頂に至る登山道は、かなり曖昧なマイナールートしか存在していなかったらしく、今歩いてきた整備の行き届いた登山道も、そういった用途の為に、林道の開削が終わったタイミングで新たに整備されたのだろう。また、それとともに一般の登山者も訪れやすくするために、旧道である砕石道に、新たな林道を接続したということなのかも知れない。なぜ勝峰山線をわざわざ旧道の砕石道に繋げたのかが疑問だったのだが、恐らくはそういうことだったんじゃないのかと合点がいった。
 
 さて、それではこの広場の先まで行ってみよう。
 
 この広場の端まで行くと、ここが山頂であることを示す杭が立っていた。ここが標高454m、勝峰山山頂だ。山頂とはいえ、周りは木々に囲まれ、特に展望も開けてはおらず鬱蒼とした雰囲気が漂っている。
 
 その脇には三等三角点もあった。
 
 更にここからは、日の出山と武蔵五日市駅へと向かう登山道も延びている。ロンデン尾根と呼ばれているらしいが・・・。
 
 う、うわあ、こういう道か・・・。ただ、この先は、ここからの見た眼の印象程には酷い道では無いらしい。まあ、どのみち今日はこっちへは行かないけど。
 この山頂自体、春の頃にでも来ればそれなりの景色を見せてくれそうではあるが、今の季節においては特に見るべきところも無いので早々に下るとしよう。
 
 山頂を引き返し、桜の枝の下から分岐する、展望台へと続く道を進もう。
 
 ・・・んが、この丸太階段自体は、登山道が整備されるより以前から存在していたらしく、丸太の間の土が流失していて非常に歩き辛くなっている。ついでにこっちも整備してくれれば良かったのにぃ・・・。
 
 坂を下り切るとすぐ目の前に、先程の展望場所と同じように、柵とベンチが設置されている。
 
 おお、ここからの眺めも実に素晴らしい!先程の場所からもそう離れていないし、元々それほど訪れる人も多くなさそうな道なので、仮にある程度の人が歩いていたとしても、休憩する場所には困らなそうだ。ここで昼飯にするのもなかなか良さそうだ。
 
 ただ、この時期はちょうどこの場所も日陰になっていて、いかんせん寒いんだよねえ。時刻はもう昼時だっていうのに、足元にはこんな霜柱が溶けずに残っている。まあ、もともとよいこのラーメン広場で昼にするつもりだったから良いんだけどね。
 
 この場所にも、山頂と同じようにこの山の歴史と伝説についての看板が設置されている。
 
 え?ああ、勝峰山って「かつぼやま」って読むのか!普通に「かつみねやま」って読んでたわ。こういう看板って地味にありがたいんだよね(笑)。
 
 山頂までほんのわずかな距離だったとはいえ、時間も昼時だし、いい感じに腹も減って来た。それじゃあ、広場まで戻って昼にしよう。
 
 BAJA君、ただいま〜。
 
 BAJAのところまで食料を取りに来たついでに、最初に見た眺めの良い路肩のがけっぷちに腰掛けて食べることも考えたのだが、ここもやはり日陰の為、思いの外寒いんだ。
 
 というわけでやはり、『よいこのらーめん広場』でラーメンにするぞ!
 ・・・と思ったものの、いざ火を付けようとすると、バーナーのスイッチを入れても何故か火花が点火しない。こういう時も、何度か試すと普通に点火出来るもんなんだが、今日に限っていくら試しても全然火花が飛ばない。ここは日当たりも良く暖かくて、ガスはちゃんと出ているのでやはりバーナーの問題だと思うが。前回の棒ノ嶺の時は問題無く使えていたのに、ううう、何故だ・・・!ページタイトルこそ「林道でラーメンを食べよう!」なんて書いたけど、実は今日はラーメンを食えなかったのだよ(笑)。
 
 まあでも、こいつももう長いこと使ってるしなあ。寿命になったとしても仕方ないかもな。今までありがとうなあ。
 
 なんて思って、念の為帰宅後にバーナーとガスを外に放置してキンキンに冷やしてから再度試してみたところ、何の問題も無く使えた・・・。一体何だったんだ!?
 
 とりあえずここは日当たりも良く、ぽかぽかとしてじっとしていても実に気持ちがいい。しかし、後から聞いた話だと、この日は更に奥の檜原村辺りではもう路面が凍結していたらしく、バイクが立て続けにコケていたなんて話もあったようだ。まあ檜原といえばほぼ谷合の土地だし、これからの季節はどんどん厳しさを増すんだろうなあ。
 
 幸い、ラーメンの他にもパンも幾つか買っておいたので、とえりあえず腹は満たされた(笑)。
 この車道終点の周りに生えている木は桜のようで、春先に訪れたらかなりの眺めを見せてくれそうな雰囲気だ。ここはまた来年の春にでも再訪しようと思う。
 
 それじゃBAJA君、そろそろ引き返そうか。
 
 車道自体の延長こそ短めだったものの、ここからの景色や勝峰山山頂へ至る道、この奥へ続く廃道など、なかなか見所も多く楽しい林道だった。
 
 旧軌道敷と林道の分岐地点まで戻って来た。先程進んできた廃線跡は写真の奥方向だが、今度はそちらとは逆方向にBAJAを向け、写真を取ろうと停車すると・・・。
 
 あ、こんなところに勝峰山線の杭が。平成21年度の施工起点とは書かれているが、ここから先は太平洋セメントの敷地だし、実質的にここが勝峰山線の起点なのだろう。
 
 で、何でこっちへ来ようと思ったのかというと、ここには五日市線岩井支線の廃線遺構が今も残っているというので、ちょっと立ち寄ってみようと思ったのだ。写真のBAJAの左前に古めかしい建屋が見えると思う。
 
 ここがその五日市線岩井支線の武蔵岩井駅跡なのだそうだ。嘗てはセメント輸送の送出駅だったようで、今ではセメント会社の自転車置き場として利用されているが、確かに駅のホームらしい雰囲気を感じることは出来る。
 
 旧駅舎を後にし、都道から初めに通った廃線跡を眺める。嘗てはあんな場所を鉄道が通っていたのか。その姿を想像するとちょっとワクワクするな。
 
 さて、勝峰山線を走るという今日の目的は果たしたが、折角ここまで来たので、すぐ近くにある林道をもう一本走って行こう。林道横沢・小机線だ。
 
 ここは7年前の春に走って以来、2度目となる。ここも延長自体はそれほど長くは無いが、ここを抜けた先の景色がとても良いので、久しぶりに見ていくとしよう。
 
 道は道は都道沿いの入り口から全般的に下りで進み、降り積もった落ち葉が路面を覆い尽くす。
 
 林道の途中からはハイキングコースも分岐している。
 
 そうそう、この先の中央湿地と書かれた場所が、春に来た時には凄く良かったんだ。
 
 やがて、道が180度ヘアピンカーブで折り返して下る地点に着いた。ここはよく覚えてるぞ。
 
 そのカーブを越えたところで、今走ってきた道を見上げる。こういう、進む先や今通って来たばかりの区間が間近に見える景色って結構好きなんだけど、細かすぎて伝わらない的な?
 
 落ち葉に覆われたストレートが実にいい味を醸し出すが、路面の状況が全く分からず、意外と凸凹も多いので気をつけて行かないとな。
 
 木々に囲まれた区間を過ぎると終点はもうすぐそこだが、ここで左右に土地が開けた場所に出る。ここは「荒田ノ入」と呼ばれ、嘗ての棚田の地形が今も残っている。ここは春先に来ると本当に長閑ないい雰囲気になるんだ。詳しくは前回の日記を見てください(笑)。
 
 横沢・小机線の終点まで辿り着いた。ここも総延長は1.5km程と小振りではあるが、この場所の里山感はなかなかのものがあるので、是非暖かい季節にでも訪れてみて欲しい。今日もこの少し先の畦道で、十数人のグループがハイキングに来てお昼にしていた。
 
 

 
 ちなみにこのサイトの「ABOUT」のページで使っている↑この写真・・・。
 
 実はこの横沢・小机線の標識を使ったものなのだ(笑)。いやあ、懐かしいなあ。
 
 さて、それじゃそろそろ帰ろうか。こんな近場で、2本とも小振りな林道ではあったけど、横沢・小机線の長閑さは相変わらずだし、勝峰山線は初めて走る林道ということ、更に車道終点のあの景色もあって思いの外楽しめた。やっぱり林道は楽しいねえ。今年は年内にあともう一回くらいは林道に行きたいけど、どうなるかな?それではまた!