前回、天目山林道の支線である仙元林道と熊取林業専用道を踏破してから約ひと月が経つが、ここ最近はあまり芳しくない空模様が続くことも多く、今年は春頃から花の開花なども例年より早かったこともあり、もしかしたら梅雨入りもいつもより早く訪れてしまうかもしれないなどと思い始めていた(事実、この翌日には九州地方が例年より8日程早く梅雨入りした)。
残す天目山林道の踏破も、梅雨入り前には終わらせたいと思っているが、それが叶うかは天候に任せるしか無いと思いながら週間予報を眺めていると、この日の天気は夕方頃までは青空が広がるらしいとのことだった。よし!いっちょ行ったるか!
|
|
|
現在時刻、6:32。天目山林道のチェーンゲートに到着。総延長20km以上にも及ぶという道程をひたすら上り続けていくので、今日はかなりの長丁場になることが予想されるが、9年間想い焦がれた天目山林道の終点を、今日こそはこの目でしっかりと見てくるぞ!
|
|
|
前回訪れてから僅かひと月で、周囲に広がる木々の緑は、その変化がはっきりと見て取れるほどに更に色濃くなっていた。山々の力強い生命力をこの身に感じながらゆっくりと自転車を漕いでいく。
周囲の空気はまだ微かに肌寒さを感じさせるが、自転車を漕いでいけばすぐに身体も暑くなるだろう。
|
|
|
出発から20分程で、最初に現れる路肩の広場に到着。行動開始から僅かな時間しか経っていないが、今日は少し身体が重く感じる。夕べの睡眠が足りなかったかな・・・?ここで数分間横になり、気持ち程度に身体を休めて再出発。
|
|
|
ここは前回来たときに、路上に崩れた岩が積み上がっていた場所だが、今日は車両の通行にも問題が無いように綺麗に片付けられていた。こういう点からも、日々しっかりと管理の手が入っている林道だということが分かる。
|
|
|
ここに来る度に目に留まる、2本並んで流れ落ちる滝。さしずめ「夫婦滝」とでも呼ばれていそうな姿だ(笑)。
|
|
|
現在時刻、7:32。出発からちょうど1時間で、天目山林道のランドマークとも言える切通しに到着。この中に立つと、ああ、天目山林道に来たなあと強く実感する。
|
|
|
そして現在時刻、7:46。ここまでのレポはだいぶ端折ったが、前回の最奥到達点である熊取林業専用道に到着。ここも僅かひと月で、段違いに生い茂った道の周囲の緑の厚さに圧倒される。
|
|
|
さあ、今日はいよいよここからが本番だ!未だ見ぬ終点を目指して、気合い入れて行くぞ!
|
|
|
熊取林業専用道を過ぎると、道の周囲に空が広がる場所が多くなってくる。今日は本当に良い天気だ。梅雨入り前に来ることが出来て良かったなあ。真夏にこんなところを20km以上も上っていくなんて、きっと俺には無理だ(笑)。
|
|
|
途中には、先程の巨大な切通しには及ばないものの、それでもかなりダイナミックな姿を見せる切通しも現れる。緑の溶け込んだ光に包まれて、実に美しい姿だ。
|
|
|
|
|
去年この名前を見たときに、思わずバカ殿様を思い出したこともあり、強く印象に残っている場所だ(笑)。
|
|
|
そのバカ殿白殿橋の下に、一筋の清らかな沢が流れていく。あまりの美しさにいつまででも見ていたい気持ちになるが、そういう訳にも行かないので写真を撮ってまたすぐに進んでいく。
|
|
|
道の脇の岩肌を苔が多い尽くし、その上を幾筋もの湧き水が流れていく。些細なものだが、どこの名勝にも劣らない光景だと思う。
|
|
|
現在時刻、8:09。ここは8.5kmのキロポスト地点だ。
|
|
|
このキロポストには、何故か初めて見たときからずっとスコップが括り付けられている。一体何の為にここに常設されているのかは分からないが、単にわざわざ外す理由も無く付けっぱなし、というところだろう。
|
|
|
その先で、斜面を大掛かりにコンクリートで吹き付けられた地点があった。
|
|
|
コンクリートの表面はまだ真新しく、ここ1年程のあいだに施工されたのだろう。あれほど高い位置まで吹き固められたということは、かなり規模の大きい崩落があったのかもしれない。天目山林道の中でこのような施工は珍しく、個人的には見た目にもあまり好ましいものではないと思うが、少なくともこの地点に於いて道を維持するためには止むを得なかったのだろう。
|
|
|
その斜面を越えた先の日陰で一旦休憩。背負ったリュックを下ろすと、背中は既に汗でびっしょりだ。
|
|
|
9kmのキロポスト地点を通過。緑を透かした光が降り注ぐこの景色もまた実に美しい。
|
|
|
そして、起点から10kmのキロポストまで来ると、再び周囲が開けて頭上に空が広がる。向かいに見える山の稜線も、次第に目線の高さに近づき、確実に標高を上げて来ていることを実感する。
|
|
|
その先の杉の植林帯まで来たところで、左手の斜面から動物の移動する音が聞こえた。熊鈴を鳴らしてみると、姿を見せないまま斜面を駆け下りて行った。足音から察するに、恐らく鹿かカモシカだったのだろうと思う。
|
|
|
現在時刻、8:35。出発から約2時間、10kmのキロポスト起点のすぐ先で、細久保林道(左手)との分岐地点に到着した。去年のここまでの到達所要時間より、20分程ではあるが短縮出来ている。よし、いい感じだぞ。この調子でどんどん進んで行こう。
|
|
|
その細久保林道との分岐地点にある切通しを越えて、西側の斜面へと伝っていく。ちなみに、去年の5/6にここを撮った写真がこちら。ひと月も無い期間でこれほどに緑が生い茂り、全く別の場所のような印象になっている。
|
|
|
それにしても本当に惚れ惚れするほど美しい路面だ。ここも普段、一般車両が入れないこともあって、轍がえぐられることもなく穏やかな路面を保っているおかげで、自転車でも安心して走ることが出来る。
|
|
|
ふと、木々の隙間から向かいの山肌に、印象的な岩が突出しているのが見えた。
|
|
|
もう少しだけ進むと路肩の木々も途切れ、その姿をはっきりと見ることが出来た。生い茂る緑の中に佇むその姿が実に力強くてかっこいい。登山者なら名前のひとつも付けそうだが、既に呼び名とかあったりするのだろうか。
|
|
|
9年前に初めてここを自転車で通ったときは、どこまで行っても辛い上りが続いていた印象しかなかったのだが、あれから何度か自転車で林道を走った経験もあってか、実感として嘗ての印象ほどには辛い行程とは感じなくはなっている。もちろん、林道なので局所的に現れる急勾配の地点などもあり、そういったところでは止むを得ず押し歩きになったりもするのだが、それでもところどころで休憩しながらも、同じ地点への到達時間が前回に比べて短くなっていたのは、少ないながらも経験を重ねてきたことが寄与しているようだ。
|
|
|
周囲の景色を見回しながらゆっくりと漕ぎ進んでいると、ふと道の外に山の頂が連なる姿が見えた。もしかしてあれは三ツドッケかな?
|
|
|
更に進むと、今度は遠くの斜面に九十九折の道筋が見えた。
|
|
|
うはははは!こんな山奥にまであんな作業道を作るなんて本当にすげえな!
ってか、あの道って一体どこから続いてんだろう??
|
|
|
ここでまたリュックを下ろして何度目かの休憩を取った。先日から続いている踵の違和感は残ったままだが、幸い今日の行程に悪影響は出ていない。それよりも、単純に漕ぎ続けることによる腿への疲労が蓄積されてきたようで、どうせ誰も来ないのをいいことに、道の真ん中に座り込み、足を投げ出して寛いだ。
|
|
|
その先の12km地点からは、遠くの山肌に地滑りのような場所が見えているが、あれは路肩の斜面が崩れているだけで通行には影響が無いことは分かっている。去年はその少し手前の地点にあった崩落により、そこで自転車を置き去りにしてしまった(結果、終点までの到達を諦めて引き返した)のだが、今回はその崩落も綺麗に片付けられ、その場所に気づかないまま進んでいった。
|
|
|
その代わりと言ってはなんだが(?)、前回来たときには無かったはずの路肩の崩落があった。
|
|
|
路盤の土が擁壁の下まで流れ出てしまい、ぽっかりと孔を開けてしまっている。
|
|
|
その先は、遥か下まで急斜面が続いていた。まあ、この天目山林道ならまたすぐに補修されると思うけど。
|
|
|
現在時刻、9:41。空の開けた、路肩の広がった地点に着いた。ここは、前回自転車を置き去りにして徒歩で進んできたものの、結局これ以上進むことを諦めた地点だ。あれから1年経って、ようやく自転車と共にここまで来ることができたぞ!今日はこのまま一緒に終点まで行くからな!
|
|
|
その前に、去年と同様、今回もここで仰向けになり10分程の休息を取った。ここ、芝生のように生える下草がふかふかしていて、寝そべると気持ち良いんだ・・・。
|
|
|
そのすぐ先に、15kmを示すキロポストがある。去年、あの広場でそれ以上進むことは諦めたものの、往生際悪くもう少しだけ歩いて進み、このキロポストを目にして本当に引き返したんだ。つまり、ここから先はいよいよ9年振りに通る区間となる。体力的には問題は無い!さあ、行くぞ!
|
|
Aへ続く。
|