11年ぶりの宮城の林道へ
2021/08/03-A 宮城県加美町・宇土沼林道〜林道桧沢線
 
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 林道築沢線を、残りの延長2kmほどを残したところで、接続する宇土沼林道へと入った。
 
 走り始めた序盤の景色は、周囲は緑に囲まれてはいるが、空も広々と見えているおかげで閉塞感を感じることなく走ることができる。
 
 杉林の中を抜ける区間に入ったが、しっかりと間伐がされているのか、路上にも日差しが降り注いで、よくある杉の植林帯のような鬱蒼とした雰囲気を全く感じることなく、とても気持ちがいい。
 
 そして、こちらでも宮城の林道らしく、スーッと真っ直ぐに伸びたストレートが。こういうのホント羨ましいな。
 
 次第に周囲の植生が広葉樹林に変わり、緑の輝きが増してきた。走りやすい真っ直ぐなダートをこの緑の溶けた空気に包まれながら走ることって、本当に林道を走る喜びに溢れたことだと思う。
 この宇土沼林道もそこそこ長さはあるようだが、この先でどんな景色が待っているだろう。
 
 森の中を抜けて、突然前方の視界が一気に開ける地点に出た。
 
 おお、これはすごいな・・・。遠くに見えているのは大崎市の市街地方面だろうか。
 あいにくここでまた日差しが雲に隠されてしまったが、ここでしばらくBAJAを停めて、ここからの景色を眺め、この空間の広さを感じながら過ごした。
 
 森の中を抜けてきた道は、ここで右手に折れて斜面に沿って緩やかに下っていくようだ。
 
 その先では、斜面の伐採の真っ最中の様で、今日も作業は稼働していた。そうか、そういえば今日は普通に平日なんだった。
 
 道の脇で、青空を背に立っていた、伐られた木の幹に残る保安林の看板が印象的で思わず撮影。なんか良くないっすかこれ?
 
 いやあ、マジでこれだけ眺めがいいと、ここでしばらく休憩していきたくなるな。場合によってはここで昼飯なんてできたら最高かも。
 
 ただ、今日はこの下の斜面でバリバリ作業中なので、バイクがうろついてても邪魔に思われるかもしれないと思い、写真をいくつか撮ってすぐにここを通り抜けることにした。んー、ここはまた来たいなあ。間違いなくこの地点はこの林道のハイライトだと思う。
 
 あの展望区間を過ぎてまたしばらく走ると、道は再び森の中に入るが、ここでまた日差しが戻ってきた。本当に忙しないな今日の太陽は・・・。
 
 道の左手が開けた場所で、道と並走するように伸びる送電線を見つけて思わず停車。最近山の中に伸びる送電鉄塔を見ると条件反射のように写真撮ってしまうんだよなあ。
 
 宇土沼林道に入って10kmほど走ってきたところで路面がアスファルトに変わった。林道はまだ少し続くみたいだけど、ダート距離も長く途中では眺めの良い場所もあってなかなか楽しい道だった。
 
 と思っていたら、路面が再び路面が未舗装に。おお、まだダートは続くか!
 
 しかし、そのダート区間は1kmにも満たないほどで途切れ、そこからすぐに宇土沼林道の起点標柱が立つ地点に着いた。
 
 標柱によると、この宇土沼林道の総延長は約12km。そのうちのほとんどがダート区間で、今日最初に入った築沢線から、沼井林道の往復も含めるとここまで23kmほどのダート区間を走ってきている。ここからは一旦舗装路を挟んで次の林道へと向かう。
 
 宇土沼林道を抜けて西に3kmほど移動し、続いてやってきたのは林道桧沢線
 
 ここは道の入口に大き目な起点標柱が立っているので分かりやすいし、ここもあらかじめ総延長が書かれていて、それによれば10kmを超えているようだ。こんな規模の林道が密集しているなんて本当に羨ましいエリアだ!こんなのがもっと近場にも欲しいもんだぜ・・・。
 ここからはこの林道を走って一旦北上していく。
 
 起点からの舗装路を300mほど進んだところで、古びた橋が現れた。この下を流れる田川を渡る、北浦橋というらしい。竣工年は確認できなかったが、それなりに歴史を感じる風貌だ。
 そして、この橋を境に路面が未舗装へ切り替わる。
 
 この辺りの林道はどれも勾配を使って高度を稼いでいくようなものが少なく、そのせいもあるのか洗堀などもないフラットで穏やかな道が多い印象だ。
 
 そんな道を進んでいると、斜面に地層が浮き出ている場所があった。
 
 地層・・・だよなこれ?きっと、道を拓くために削った斜面が、長年の風雨でこのような滑らかな表面に磨かれていったのだろう。もしかしたら、ちょっと掘ってみたら化石とか出てくるかも・・・?
 
 道は広葉樹に包まれていき、次第に傾き始めた日差しによって木々の緑が溶けだした空気の中を気持ちよく走っていると、ふと道の脇の木に括り付けられた看板に気づいた。
 
 おおっ!今回のツーリングで初のまといリス発見!しかもこれは初めて見るデザインだ!
 
 図案は、タバコから出た火によって火災が起きているというもので、方向性は「燃えてるよ!」と同じ系統ではあるが、こちらは燃え広がった火の中に木のシルエットが描かれ、大規模な森林火災が起きている様子を描いている。そして、そういう事態を引き起こさないように、「たばこ・たき火はよく消そう!」というリス君の台詞もフキダシの中に書かれている。
 いやあ、宮城に来て、初めて見るまといリス看板を見つけられたなんてめちゃめちゃ嬉しいなあ!大きめに書かれた「宮城県」の文字もまた最高!
 
 こんな美しい木漏れ日の中で初見のまといリスを見付けて気分も上がった!この暑さの中を1日走って来た疲労も幾分か和らいだ気がする(笑)。さあ、まだまだ行くぞ!
 
 途中、左手に分岐する道があった。入口には立入禁止の看板が立っているが・・・。
 
 マルウ・・・ヤマウではないのか・・・。きっとこの辺りの組織の謎についてはタマチャリンさんが詳しいだろう。素人は黙って立ち去るのみだ・・・。
 
 斜面の木々の途切れたところから、遠くの開けた景色が見えた。
 
 おお、方向的に、あれは加美町の市街地だろうか。遠くまで広がる平野がよく見える。道のすぐ脇のマント群落がなければ、BAJAとこの景色を一緒に収められたかもしれないなー。
 
 ここは、一見舗装された路面なのかと思ったが、どうやら岩盤を削って造った路盤のようだ。こういうちょっと変わった路面って好きなんだよね。
 
 その先で再び外の平野が見える場所に出た。こうやって遠くの景色が見える場所はたまに現れるのだが、それが見えないときでも、この外側にあの平野が広がっていることを思いながら走るのが、遠くの林道へ来ているんだなあということを感じられてなんだか楽しかった。
 
 そして、この林道は稜線の近くを通っているようで、市街地方面の平野とは反対側にも、遠くの山並みが顔をのぞかせるところもある。
 
 夏の真っ白な塊のような雲が浮かぶ青空の下で、穏やかにスッと伸びるダート路を走っていく。こんな稜線の真上を走る区間なんて、本当に最高じゃないか!こんなの関東じゃなかなか見られないぞ。
 
 ああ、嬉しいなあ。いま俺は宮城の林道を走っているんだなあ。広大なスケールを感じる道を走りながら、そんな喜びを噛み締めて走り続けていく。
 
 やがて舗装路に突き当たり、桧沢線が終わった。ここも総延長のほとんどがダート区間で、稜線近くを伸びる気持ちの良い道だった。
 ここからは少し西側へ移動して、次の林道を目指す。
 
Bへ続く。