@はこちら。
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続いて向かう神社は、そこへ至る車道がなさそうで、どこかでBAJAを停めて歩いて参道を登らなければならないようなのだが、当初目星を付けていた入口となりそうな地点にはそれらしい道が見当たらず、別の場所を探してみることにした。
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山頂の方角に進む道に当たりを付けて進んでいくと、やがて道が未舗装になった。お、これは期待できるか?
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道を横断するように、獣除けの電気柵が設置されている。グリップが付いているので手で外すこともできるのだが、一旦BAJAを停めて歩いて進んでみよう。
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そこから少し歩くと、ビンゴ!今日の目的の神社の参道入口に行きついた。いやー、あっさり見つかって良かった(笑)。
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急峻な斜面に続く階段を上っていく。参道の脇の斜面は木々が伐採され、かなりさっぱりとした見晴らしの良い状態になっている。
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着いた。ここが小和田・御嶽神社だ。
そして、この鳥居に向かうと背後になる方向に・・・。
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コンクリート舗装の道が伸びている。これって車道だよなあ?
このページの冒頭で、神社に至る車道がないらしいと書いたが、実はここに至る車道があったのか?とりあえず、神社の後でこの先を覗いてみるか・・・。
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鳥居をくぐり神社へと向かう。先ほどの参道はコンクリート製の階段だったが、こちらは神社建立当時の元と思われる、味わいのある石段が続いている。
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改めて、小和田・御嶽神社だ。この神社は、小和田集落全体の氏神として祀られている。
そして、拝殿の手前に1対の狼像が置かれている。
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それでは順に見ていこう。こちらは拝殿に向かって左側の像。台座には奉献の「献」と彫られている。
ちなみにこの御嶽神社の像は、口元の造形的に阿吽の区別が無さそうで、全体的に見ても2体の造形について形状の差異は特に見られなかったので、ここではこちらの右側の像を「献の像」と記す。
造形的には、ニホンオオカミというよりも洋犬のような印象がある。
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献の像の頭部のアップ。口吻が幅広い造形のため、テリア系の犬種のようにも見える。
全身の表面には体毛を現した筋が彫られている。
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やや斜め後ろのアングル。狼像によくある、あばらの筋もこちらの像には見られない。
尾は後肢を巻き込むように前方に伸びている。これは逆に狼像としてスタンダードな表現になっていると思う。
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献の像を正面から。神獣的なデフォルメは見られず、現実の生物としての写実的な表現になっている。
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足元は指の形状もしっかり形作られているが、狼像によく見られる爪の造形はなされていないようだ。
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台座には、「昭和四十九年」の日付が彫られていた。狼像としてはだいぶ新しいものではないかと思う。
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そしてこちらは拝殿向かって右側の像。台座には奉献の「奉」の字があるので、こちらを「奉の像」と記す。
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奉の像の頭部のアップ。献の像と共に、かつては目が黒く塗られていたようだが、経年により塗料が剥がれてきているようで、そのせいか献の像よりもやや穏やかな印象を受ける。
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奉の像を斜め後ろから。日差しの向きで、こちらの方が全身を覆う毛並みの表現がよく分かるのではないかと思う。
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正面から。ぱっと見の印象は献の像と違いは無いが、こちらの 奉の像のほうがややなで肩のようにも見える。
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拝殿の変額にも狼の姿が彫られている。こちらは狼信仰の神社のお札などでよく見られる、眷属としての存在感を強調したような姿に描かれている。
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そして、この小和田・御嶽神社には、先ほど見てきた狼像の他に、もう1対の狼像がある。拝殿の向かって右側に小さな祠が置かれているのだが、その両脇に小振りな狼像が置かれている。
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祠に向かって左側が阿形だ。いつ頃奉納されたものかは分からないが、全体的に素朴な造形が特徴的だ。
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中でも最も特徴的だと思われるのがこの頭部、特に口吻だ。顔の前方に、全体のバランスから見てもかなり眺めに突き出た形状は、まるで切り込みを入れたコッペパンのようだ。口の中には特に歯のような造形も見られず、実にシンプルな表現だ。
(ちなみに俺はこの像を見て「ウサギとアヒルのだまし絵」を思い出した・・・。)
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阿形を斜め後ろから。胴体もつるんとした造形で、こちらもあばらなどの表現は見られない。
尾の造形は、前方に向かってやや長めに作られている。
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阿形正面。軽く前脚もカーブを描いた筒状のシンプルな造形だが、これはもしかしたら後年に作り替えられたものかもしれない(後述)。
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そしてこちらが祠に向かって右手に置かれた吽形だ。
全体的なフォルムは阿形と同様、ディテールの少ない実に素朴なものとなっている。
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吽形の頭部アップ。吊り上がった目尻の形状ゆえか、阿形よりもやや凛々しい印象を受ける。
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吽形を背後から。腰の辺りに、割れてしまったようなヒビが見える。
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吽形を正面から。こちらの前脚も阿形同様シンプルな造形だが、脚と胴体の付け根につなぎ目のような筋が見える。
先ほど阿形を見たときにも思ったのだが、これらの前脚は、もしかしたらかつて地震などの衝撃によって倒壊し、その際にセメントなどで新たに造形し直して補修されたものなのではないかと、そんな気がした。この吽形の背後にあったひび割れも、そう感じた要因のひとつだ。
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これは阿形だが、芦以外にも首の付け根などにセメントで補修したような痕が見られる。これもいちど倒壊したものの補修の痕なのではないだろうか。
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こちらは吽形。首の後ろや背中にセメントを盛ったような痕が見られる。
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阿吽共に言えることだが、特に吽形の脚の付け根を見ると、今ついている脚が、まるごと置き換えられたような印象を受ける。胴体から本来の脚に続くラインを見ると、オリジナルの脚は現在のものよりももっと細く華奢に作られていて、そのせいで地震などの衝撃に耐えられずに倒壊し、阿吽ともに現在のものに作り替えられたのではないだろうか(もちろんこれは俺の勝手な推測でしかないが・・・)。
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きっとこの像は、もともと拝殿の前に置かれていたものなのではないかと思う。昭和の時代に新しい狼像を据え、古いこの像も場所を移し残してあるのだろう。
とにかく、実に味わい深い狼像を見ることができて、今日ここにやってきた甲斐があった。
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それに、この神社の建つ山頂に拓かれたこの場所が、天気の良さもあったのだろうが、とても穏やかで実に居心地の良い場所と感じた。写真には撮り損ねてしまったのだが、この境内にはヒノキの御神木があって、その木陰で寛いでいるのがとても心地よかった。
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ここは自宅からもそう遠くないし、またいずれ再訪してみたいと思う場所だった。
それでは先ほど見た謎の車道へ向かってみるとしよう。
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Bへ続く。
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