大嶽神社のオイヌサマに会いに行く
2022/04/09 東京都檜原村・大岳山-@
 
 今日は久しぶりに、タマチャリンさんまあもさんとの登山だ。
 目的は、大岳山の山頂近くにある大嶽神社、そこに奉納されたオイヌサマに会いに行くことだ。狼信仰の神社に奉納された狼像を巡ることは、ここ最近のナノレカワのツーリングの目的の一つになっているが、これから向かう大嶽神社は、登山をしなければ辿り着けない場所にある。
 俺にとって本格的な山登りは、やはりこの3人で行った香草温泉以来、およそ3年半ぶりとなる。相変わらずコースは人任せとなるが、久しぶりの登山、楽しんで行ってみよう!
 
 これは朝の集合場所にいた「えん子ちゃん」。よく見たら鋼製スリットダムじゃん!
 で、当初目的としていた駐車場が工事中で使えなかったため、登山口近くの有料駐車場まで移動することにした。
 
 現在時刻、9:52。
 いきなり歩き始めたところの写真だが、駐車場に停めた集合写真をうっかり撮り忘れたのであった。
 (ちなみにまあもさんが記録している時刻と表記に食い違いがあるが、俺のカメラの時計が狂っていただけだと思うのでお気になさらず 笑。)
 
 さて、今回辿るコースがこちら。
 @千足からAつづら岩で尾根道に入り、B大嶽神社を経てC大岳山山頂に至り、D白倉分岐からE白倉へ下る。
 大岳山は奥多摩三山のひとつに数えられ、山頂へ至る登山コースも数多く存在し、御岳山のケーブルカーを利用して登るお手軽なコースもあることで人気の山だそうだが、今回は最終的にEへと至る目的のためにこのコースを辿る。ちなみに大岳山には、タマチャリンさん、まあもさん共に過去に訪れたことがあるそうだが、タマチャリンさんによれば、@〜A間はかなりの急勾配で結構ハードなコースとなるらしい。さて、どうなるか・・・。
 
 10:01。
 舗装路を少し上ってくると、バリケードで閉鎖された地点に着いた。
 
 ここは林道柳沢線の起点だ。林道ナノレカワ線らしく、まずはこの林道歩きから登山道へと入る。
 
 そうえいば、さっき駐車場でタマチャリンさんがたまたま外に出ていた近所のおばあさんと話していたのだが、この林道はもともとそのおばあさんの土地だったものを無償提供して整備されたものだったそうで、「バリケード除けて中に車停めたって大丈夫よ〜」なんて言っていたけれど、そしたらおばあさん許可証でも一筆書いてくれませんかねえ(笑)?
 
 それにしても・・・この柳沢線からして凄まじい急勾配なんだが・・・。これは振り返って下り後方を撮ったものだけど、この狂気じみた傾斜が伝わるだろうか・・・?
 
 10:08。
 そんな坂道を数百mも上ってくると、全線舗装の柳沢線の終点が見えてきた。
 
 その終点のどん詰まりから登山道は始まる。さあ、いよいよ久々の登山道歩きのスタートだ!
 
 登山道に入るとさっそく沢を渡る地点がある。この沢は千足沢というそうだが、この先であと何度かこの千足沢の右岸と左岸を行き来することになる。
 
 今日は雲一つない青空が広がり天気は申し分ない。芽吹き始めた新緑に囲まれた岩場を辿っていく、この久しぶりの登山の感触が楽しくて仕方ない!
 
 積み上がった岩を乗り越えて千足沢を渡っていく。登山道が沢に沿って延びていることで景観的にもとても美しく、テンションも何割か増しで上がっている気がする。
 
 10:19。
 そんな岩場をよじ登るように進んでくると、滝が見えてきた。
 
 小天狗滝だ。そして滝といえばこの男の出番だ!さっそく滝壺へと突進するまあも隊長その人である!ちなみにまあもさん情報によればこの小天狗滝の落差は8mほどらしいが、聳える岸壁の中を流れ落ちる様は、その数字以上に威厳に満ちた姿をしている。
 
 10:24。
 小天狗滝から程なく、次の滝が見えてきた。
 
 こちらは天狗滝だ。落差は20mとのこと。こちらも滑らかな岸壁を流れ落ちる水が素晴らしく美しい。
 
 天狗滝の滝壺の前を横切り先へと進む。千足沢を何度も渡渉し、滝を見ながら登り続けられるなんて、なんて贅沢なコースなんだ・・・!
 で、まあもさんはこの滝壺に突っ込んでいくと思ったんだけどなー(笑)。
 
 滝のすぐ脇を登っていくと、滝口のさらに上に、下からは見えなかった上段の滝が見えていた。おお、これは素晴らしい!登山中に見る滝はこれができるのが良いんだよなー。
 
 また沢を渡る。そして渡った先にはまといリスが。
 
 斜面には一見危なげな巨岩が迫り出しているが、こんなナリをして意外と安定しているんだろう。
 そして周囲はいつの間にか杉の植林帯へと変わっていた。花粉症持ちのナノレカワだが、実は今日はここまでそれほど花粉の影響は感じられず、もしかして花粉のピークは過ぎたのかな?なんて思っていた。この後に大変なことになるなど露ほども思わずに・・・。
 
 ここは枯れ沢なのだろうか、斜面の上からごろごろとした岩石が敷き詰めたように並ぶ周囲には、杉の幹が滅茶苦茶に散乱していた。もしかしたら、この沢に見える場所は、台風などの水害時に濁流が木や岩もろとも流れ落ちてきた痕なのかもしれない。
 
 そんな荒れた景色の中を歩いていると、倒木の向こうに滝が見えてきた。
 
 もう少し登れば、あの滝の袂に至る。そこで一旦休憩にしよう。
 
 10:54。
 着いた。ここは綾滝だ。滝の脇には祠も置かれている。かつては修験者などが通ったのだろう。
 
 流れ落ちる水を、苔生した緑色の岩肌が囲っている。ちょっと珍しい光景だと思うが、実に美しい姿だ・・・。
 
 滝の横の平場に腰かけて休憩を取る。
 ここでまあもさんが足の痛みを訴えた。なんでもここ1週間ほど、今回の登山に備えてジョギングを再開したそうなのだが、そのときに足を痛めてしまったらしい。ここでロキソニンテープを貼ることにしたまあもさん、「ちょいとスンヅレイしますよ〜」というなり、おもむろにズボンを下ろしたのだが・・・。
 
 おおお!まあもさんの股間から未知のエナジーがほとばしっている!
 こ、これは以前香草温泉でも発現した謎の怪光現象ではないか!まあもさんの身体は滝を前にすると、その自然エネルギーと呼応してしまうのだろうか!?
 まあ、これだけエネルギーが満ち溢れていれば、まあもさんの足の痛みもそのうち治まるだろ・・・。
 
 11:11。
 休憩を終え、再び歩きだす。ここから尾根道に合流するつづら岩まではあと600m。しかし、タマチャリンさんが言うには、ここからの600mが果てしなく長いらしいのだが、その理由はすぐに判明する・・・。
 
 「この先注意 道悪し」の看板が指し示すその先は・・・。
 
 お分かりいただけただろうか。木々の根の張り出した急斜面を上り詰める登山道。こんな道がこれから600m先のつづら岩まで続くのだ・・・。
 
 あまりに急傾斜なためか、場所によってはこのような石積みの階段が設置されているのだが、よくこんな場所にこんなものを造ったもんだよ・・・。
 
 振り返ればこんな景色。この写真だけ見たらとても登山道があるようには見えない。いまここを歩いて登ってきたはずなんだけど、どこに道があるんだ・・・?
 
 まあ、上を見上げてもどこが道なのかよく分からないコースが続いているのは変わらないんだけど。登っても登っても、一向に尾根に着く気配がしないぞ・・・。
 
 ここは、このV字状の木の間が道となっているのだが、雰囲気が良くて振り返って撮った1枚。
 
 それにしても・・・すぐ前を歩く2人をこれだけ見上げなければ捉えられないこのアングルから、どれほどの急傾斜なのかが伝わるだろうか。
 ただ、この急傾斜が故にコース上には常に石段や木の根などがあるため、休憩しようと思えばどこでもこれらに腰掛けることができるので、所々でちょいちょい休憩をはさみながら上を目指す。
 
 そんな、ひたすら急傾斜が続く道を登っていると、次第に遠くの山々の稜線が見えるようになってきた。確かに標高を上げていることは実感できたが、つづら岩まではあとどれくらいあるんだ・・・タマチャリンさんの言う通り、先ほどの綾滝から僅か600mとは思えない道だぞ・・・。
 
 ↑タマチャリンさん撮影。
 目と鼻の先にいる人間をこれだけの角度で見上げてしまう道をひたすら登り続ける・・・。
 そしてナノレカワ的には、この辺りから次第に花粉の影響が出始め、鼻水が止まらなくなってきてしまった。終始鼻をすすり、ときたま歩を停めては鼻をかんで進んでいく。はあ、これはツラいぜ・・・!
 
 休憩のたびに、いま辿ってきた道を見下ろしては、どこを登ってきたのか分からないですねえ、なんてことを繰り返し話している。ただ、次第に日差しが差し込むようになってきたことからも、だいぶ尾根に近づいてきていることは分かる。
 
 お、珍しくまといリスではなくキュータバージョンの山火事注意看板だ。
 さあ、尾根まではあとひと踏ん張りだ。
 
 11:57。
 つ、ついに馬頭刈尾根に着いた!な、長かったぜ・・・!ここから目指す大岳山まではあと3.2km!
 
 そして、道標の支柱に手書きで書かれた「つづら岩」の文字。そのつづら岩がどこにあるのかと言うと・・・。
 
 大岳山方面に続く道から上を見上げると、そこに聳える岸壁がある。これがつづら岩だ。
 
 そして、このつづら岩はロッククライミングの名所になっているのか、結構な人数が岩肌に張り付くように登っていた。ってかこの人たち、まずここまで登ってきたうえでさらにロッククライミングをしている、ってことだよな?いやー、すげえわ・・・!
 そんなクライマーたちを見上げながら、我々はさらに先へと進む。ここから先はしばらく尾根沿いの穏やかな道が続くはずだが、果たして・・・?
 
Aへ続く。