Aはこちら。
@はこちら。
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14:40。
下山開始。そろそろ身体にも疲労が溜まってきているはずなので慎重に下って行こう。
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大嶽神社手前の桟橋区間を戻る。反対側から見ると如何に危なげな箇所かが分かってもらえるかと思う・・・。
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ここから往路で登ってきた道を離れ、白倉へ向けて下っていく。
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このコースへと入った途端、一気に下りの勾配がきつくなり、周囲も杉の植林帯の中を縫うように延びる道へと変わった。この後、しばらく地図アプリで現在地を確認しなから下っていたのだが、歩いても歩いても、ちっとも地図上の位置が進んでいないように見えた。そんなことある??と思ったが、地図をよく見れば、D白倉分岐からしばらくは等高線が密集した区間となっていた。そりゃ下っても下って平面的には進んだように見えないわけだよ(笑)。
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そして、この辺りでナノレカワの花粉症の症状がMAXヴォルテージに!鼻水がとめどなく流れ落ち、鼻をかんでもすすってもまるで無意味に!たたでさえ疲労感の出てきた体に追い打ちをかけるように、鼻をすする動作でHPゲージがみるみる減少していく!これはヤバいと、とっさに丸めたティッシュで鼻に突っ込んで栓をすると、おおっ、これはなかなかいい具合だぞ!これでなんとか麓まで乗り切れるかもしれない!
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とりあえず鼻水の応急処置はできたものの、ひたすら急傾斜を下っていると、全体重が足の付け根の関節にのしかかり、ただ歩くことでさえつらくなってきた。道端に落ちていた棒っ切れを杖代わりに歩いていたのをみかねたまあもさんが、持参のステッキを貸してくれたのでだいぶ楽にはなったが、まだか・・・麓はまだか・・・。
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そんな中、途中で1ヶ所だけ展望の開けた地点があった。これは登りの時にはいい休憩ポイントになりそうだな・・・。
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とはいえ、このコースを登りで使うのは相当ツラいのではないか・・・。今日登りに使ったコースもだいぶきつかったが、沢や滝もあり飽きることはなかった。しかしこちらのコースは、あまり変わり映えのしない急斜面を黙々と上り詰めるように造られている。これはまさに修行コースだ・・・。
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満身創痍で修行コースを下り続け、もはや下山途中の写真を撮ることも億劫になってしまった状態で下り続けること約1時間、突然目の前にガードレールが見えてきた・・・!
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タマチャリンさん曰く、ここは林道八割線というそうだ。今見ている方向が起点方向だが、反対の終点側も、ここからそれほど距離はないらしく、少し歩いて終点方向を覗いてみたのだが、すぐに目視できる状態でもなく、いまから舗装林道を終点に向けて歩くのもさすがにきついので深追いはしないことにした・・・。
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そして、登山道は林道と交差するように麓へ向かって続いている。距離的には短いが傾斜のある登山道と、多少回り道にはなるがなだらかな舗装林道歩きと、どちらを取るか迷ったが、よく見るとここから登山道の先に鳥居が見えたので、このまま登山道を下ることにした。
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↑この写真で、まあもさんの頭のすぐ右側に、その鳥居が写っているのが分かると思う。もう、あとほんの少しだ・・・!
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16:34。
鳥居まで下ってきた。そして、ここに至ってようやく思い至った。
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これが大嶽神社の一の鳥居、そしてここから神社へと続く道こそが、大嶽神社の表参道だったのだ。ここまで下っているあいだ散々、この道は登りには使いたくない、なんて言っていたのだが、かつての参拝者は皆ここを通っていたのだ。地図で見ると、ここから大嶽神社までほぼ最短距離で一直線に向かっていることも、つまりはそういうことなのだろう。下りの途中、あまりのきつさに「これは修行コースだ」なんて言ったが、本当にそういった意味合いもあったかもしれない・・・。
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そして、鳥居下の丁目石には「一丁目」の文字。ついにスタート地点まで下ってきたぞ・・・。当然、ここまで下ってくる途中でも、丁目石の数字が減っていくのを見てはいたのだが、疲れてとにかく麓までの目印程度にしか考えていなかった。しかし、これこそが、ここが大嶽神社の表参道である確たる証拠だった・・・。
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一の鳥居を後にして下り始める。さあ、最後の目的地まではもう少しだ。
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16:29。
登り始めてから約7時間半、ついに下山完了だ!
タマチャリンさんによれば、ヤッワラ沢というこの沢を渡り、舗装路へと出る。
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沢を渡ると、本日の最後の目的地はもう目の前なのだが、この舗装路を左手に登っていくと、先ほど交差した林道八割線の起点に至るという。すぐそこらしいので行ってみよう。
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起点標識には、「ここは八割林道です」と書かれている。じゃあ残りの二割は何?とツッコミを入れたくなってしまうな・・・。
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この里宮、鳥居を潜った先の塀の手前には、獅子狛犬も置かれているのだが、ここに来た本当の目的はこの奥にある。
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拝殿の右手に、小さな社がある。そして、その前にごく小さなオイヌサマが1対奉納されているのだ。
まあもさんは、たまたま拝殿にいらっしゃった宮司さんに御朱印をいただきに行ってしまったので、先にオイヌサマの姿をじっくりと見ていこう。
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こちらが向かって左側の像だ。先ほど見てきた奥宮のオイヌサマと比べ、生物としてのリアリティに重きを置いた、写実的な表現に近づいている。そして、奥宮のものとの共通点としては、こちらも阿吽の違いはないようだが、奥宮のオイヌサマにはあった性差のような違いもなさそうだ。このサイズがゆえだろうか。ただ、造形的には、高さ10cmほどの大きさの中に、耳の内側や目の瞼、鼻の穴、そして指先に至るまで、各部のディテールがとても細やかに彫り込まれている。そして、尾が左後脚を巻き込むように、左前脚に達する位置まで作られているのが見える。
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左の像の右側面。頭部がやや大き目なバランスで作られ、子狼のような印象を受ける。後脚の指もしっかり彫られている。
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身体を正面に見る位置から。性差の表現は見られないものの、お腹の形状も、このサイズの中できちんと意図を感じる造形が成されていると思う。
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頭頂部から眉間にかけて、1本の筋のような造形が見える。これは、後述の右の像には見られなかったもので、左右の像の唯一の違いと思える点だったが、何かを意図したものなのだろうか。
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それはそうと、この左の像の右側面から取ったこの写真、ちょっと可愛すぎないですかね・・・。ここから駐車場までの帰り道、この写真を眺めながら一人ニヤニヤしてしまったのはここだけの秘密だ!
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代わって、こちらが向かって右側の像だ。ディテールとしては左の像との大きな違いは無いが、互いに向き合うように左右対称の形状となっている。この写真では分かりづらいが、尾も左の像とは反対に、右側面に造られている。
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右の像を左側面から。左の像同様、各部のディテールはしっかりと表現さている。台座の手前左側には少々欠損が見られる。
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右の像をやや正面寄りの角度から。このサイズで瞼がしっかりと形作られているのは驚きだ。また、顔面の面取りも実に丁寧に造形されているのが分かる。
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右の像を上から見下ろす。この写真では陰影が乏しく、正面からの写真のほうが判別しやすいかもしれないが、左の像にあった頭頂部の溝は、こちらには彫られていない。これだけ細やかに造形されたオイヌサマなので、この造形の差は何かしらの意図があってのことではないかと、そんな気がしてしまうが、本当のところは分からない・・・。
とにかく、こちらのオイヌサマも、この小振りなサイズ以上に見どころの詰まった像だった。足の関節に痛みを覚えながら必死に下ってきた帰路の参道だったが、このオイヌサマを見れたことで、その疲れをいっとき忘れられた気がした。
その後、御朱印をいただいてきたまあもさんがオイヌサマを観察しているあいだ、宮司さんからこの神社や狼信仰の歴史などの、とても興味深いお話を伺うことができたのだが、我々がオイヌサマを求めて山頂まで登ってきたことを告げると、とても嬉しそうにいろいろと話を聞かせてくれた。正直覚えきれなかったこともあるし(笑)神社の歴史にまで突っ込むとここに書ききれなくなりそうなのであえて記さずにおくが、検索すると檜原村の狼信仰に関する資料なども見ることができるので、興味があれば調べてみて欲しい。
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ひとしきりオイヌサマの姿を堪能し、お話を聞かせてくださった宮司さんにお礼を述べて里宮を後にした。宮司さんによれば、ここから駐車場まではあと1kmちょっとらしい。あと少し、頑張って歩くぞ!
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駐車場へと向かう道すがら、夕日に照らされた枝垂桜がとても印象的だった。
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先ほどの里宮でも桜が満開だったが、今日は本当に登山には良い時期に来ることができたと思う。
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現在時刻、17:30。
ついに駐車場まで帰ってきた!久しぶりの登山で、花粉症や関節の痛みなどは起きたものの、1つの怪我もなく無事に陽のあるうちに下山完了だ!
今日は「タマチャリンさんプレゼンツ・ナノレカワに大嶽神社のオイヌサマを見せる会」だったのだが、これだけ面白い歩き応えのある周回ルートを辿り、本当に素晴らしいオイヌサマを見れたことでナノレカワ大満足!タマチャリンさんには感謝でいっぱいだ!お付き合いいただいたまあもさんも、ありがとうございました!近辺には他にも山歩きで見られるオイヌサマがいるとのことなので、そろそろ杉花粉も治まる頃だと思うし、また登りに行きましょう!
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