絶景林道!稲含高倉線!
2022/04/30-@ 群馬県下仁田町〜甘楽町・林道稲含高倉線
 
 先日、こちらのBBSに書き込みをしてくださったムンクさんが、つい最近公開したばかりだというご自身のブログで書かれていた記事で、ある1本の林道を見た。群馬県の下仁田町と甘楽町を跨ぐその林道、実は存在自体は俺も以前調べて知っていたのだが、どんな林道かという詳細までは分かっておらず、そのうち行ってみるかと思いつつ、そのまま忘れてしまっていた。だが、そのムンクさんの記事によれば、そこはかなりの好景観が期待できる道のようだ。それを見て、次に林道へ行けるときは絶対にそこへ行こうと決めていた。そしていよいよゴールデンウィークへと突入したこともあり、さっそく走りに行ってみることにした。
 
 出発前にちょっとしたトラブルがあり1時間ほどロスしてしまったが、ようやく現地へとやってきた。
 
 ここが本日の第1目的地、林道稲含高倉線の起点だ(起点座標:36.184435, 138.803195)。
 そして、この座標を調べてもらうと分かるのだが、実はここ、御荷鉾スーパー林道のすぐ北側を延びている。
 
 ちなみにこちらは下仁田町側の起点となっていて、林道はこの先にある峠を越えて甘楽町まで延びているようだ。それではさっそく進んでみよう。
 
 起点からはしばらく舗装路が続くが、林道に入ってすぐに、道の脇に鉄製の林道銘板があった。
 
 林道名は「高倉林道」と記され、高崎営林署の名も書かれている。この銘板は国有林林道のものだけど、どういうことだろう?併用林道的な扱いなのかな?確かにこの先には国有林林道を示す青い看板も立っていたが(写真は撮り忘れちゃったけど)。
 
 起点付近の杉林を抜けると、前方には新緑を纏った山肌が見えてきた。
 
 おおお!見てくれ、この色鮮やかに輝く山の姿を!御荷鉾のすぐ近くということもあって、この時期ではまだまだ新緑には早いかも、なんて思っていたのだけど、いやあ、これはテンション上がるぜ!
 
 いやあ、実に素晴らしい発色ではないか!こちらの身体の隅々にまでこの新緑の色素が染み渡っていくようだ。いよいよ山にも春が来たんだなあと実感するよ。
 
 起点からちょうど3kmほど進んだところでようやく路面が未舗装に切り替わった。結構舗装路が続いてたけど、この先未舗装区間はどれくらいあるのだろう?
 
 眩しいに緑に囲まれた蛇行する砂利道を進んでいく。空も素晴らしく晴れ渡っているし、初めて走る林道ということもあり、この先にどんな景色が待っているのかという期待もあり、もう最高に楽しい気分だ。
 
 未舗装になってから800mほど進んできたところで、右手に分岐が現れた。
 
 本線は緩やかなカーブで道なりに進んでいく左手の道のようだが、まずはこの分岐に入ってみよう。
 
 分岐を進むと、すぐに道が二股に分かれていた。本線は左側っぽく見えるので、まずはそちらへ。
 
 しかし、その左手に入ってすぐに道は封鎖されていた。
 
 国有林の専用林道とのことで立ち入りを禁止する看板が掲げられていて、隣にはこの先で林道や斜面が崩落しているとの張り紙もあった。
 
 そしてもう片方の右手の道は、一応解放されているようだったが、入口の脇に林道の杭が立っている。
 
 写真では分かり辛いが、「稲含高倉林道(自2)起点」と書かれている。で、ここは解放されてはいたのだが、何を思ったかここから先には進まずに引き返してしまった。んー、なんでだ俺(笑)?ここはまたリベンジだな・・・。
 
 というわけで、本線に戻って先へと進もう。
 
 今日のこの晴天のおかげもあるのだろうが、途中のなんてことの無い区間でも、フラットな砂利道に陽光がたっぷりと降り注ぎ、のんびり走っているととても気持ちがいい。
 
 その先で、道が二股に分かれている地点に着いた。ここは、一見支線のように見える右手の道が本線だ。そして、直進方向はすぐに国有林林道に切り替わり、ゲートで行き止まりとなる。この地点には稲含高倉線の終点標識が立っているが、これは恐らく、かつてはここで行き止まりだった稲含高倉線の名残で、その後この右手の道を延伸して甘楽町側と繋げたんだろう。
 
 で、せっかくなので直進方向へ進んでみると、先述の通り100mと進まない地点でゲートで閉鎖されている。脇には国有林林道でよく見る「一般通行禁止」の看板も立っていた。
 
 再び本線を進む。光を受けて眩しく輝く広葉樹林の新緑がひたすらに美しい。
 
 緩やかな斜度の道を進み、徐々に標高を上げていくと、次第に道の外に景色が開けてきた!
 
 もう少し進むと、さらに視界が開ける場所が現れる。おお、これは凄いぞ!ここまで景色の広がる場所は、御荷鉾スーパー林道でもそうは無かったぞ!
 
 ここから先、しばらくこんな景色が続くもんだから、ちょっと進んでは止まってシャッターを切るということを何度も繰り返した。おかげで先へと進むペースが極端に落ちたぞ(笑)。
 
 途中には斜面の木々が伐採された地点も。これによって景色の解放感がより強調されている印象だ。
 
 さらに先では、ガードレールの途切れた区間もあり、景色の雄大さがさらに増幅されている。これは堪らん!思わず顔がニヤけてしまう(笑)。
 
 おお!後方に聳えるあの山は浅間山か!こちらもまだ僅かに雪が残り、カルデラの内側にも薄っすらと雪の筋が見えている。外輪山、また登りたいなあ
 
 目の前に連なる山々も、空の青さに溶け込むように微かなグラデーションを纏い、遥か遠くまで広がっている。こういう景色を見ると、あの地平線の先にはどこまで行ってももう山しか存在しないんじゃないか、そんな錯覚をしてしまいそうになる。
 
 あれは八ヶ岳かな。青く霞んだ山体と、まだ山頂付近に雪を残した姿が美しすぎる・・・。
 
 そして路面はほぼ荒れたところもなく、フラットな状態が続いている。道の傾斜があまり無いことも理由だろうが、常に管理の手も行き届いているのかもしれない。
 そして、ここからいくつかのカーブを経てさらに進むと・・・。
 
 おおおおお!なんだここは!?なんという解放感だ!道の線形もあまり曲がらずに伸びているため、山の斜面も周囲の景色を覆い隠すことなく、谷側の木もそれほど大きく成長していないこともあり、ここへ至るまでの中でも格段に視界が開けた状態となっている。これは凄い・・・凄いぞ稲含高倉線!
 
 先にも書いたが、ここからほど近い御荷鉾スーパー林道でも、ここまで開放感のある景色が広がる地点もそうはない。強いて言えばスーパー林道展望台からの景色が上げられるだろうが、こんな景色を、ダートを走りながら眺められるなんて最高だと思わないか!?それに、ここからは左手から八ヶ岳、荒船山、浅間山が一望できるという点もかなりポイントが高い!
 
 浅間山をバックに、ダートに佇むBAJAを1枚。ここまで素晴らしい景色が広がっている林道を、まだ知らずにいたなんて・・・楽しい!楽しすぎる!最高だ!最高すぎる!ここで何度もシャッターを切り、本当にしばらくここから動くことができなかった。
 
 しばらくあの場所からの絶景を堪能し、再び走りだす。道は木々に囲まれた区間へと入り、鮮やかな黄緑色の光に満ちた中を走り抜けていく。
 
 苔生した擁壁もいいアクセントだ。森の中から光に向かって駆け抜けていくこの感覚が堪らなく爽快だ!
 
 やがて、道が広くなり、峠となる場所に着いた。この写真には写っていないが、この右後方は駐車スペースとなっていて、何台かの車が停まっていた。
 
 ここは茂垣峠、ここからは稲含山への登山道が延びている。ここに停めてある車の主は、きっとこの先へ登っているのだろう(もしくは周囲で山菜採りか)。
 
 そして、稲含高倉線は、この峠で、いま走ってきた下仁田町側区間と、これから下る甘楽町側区間のそれぞれの終点となる。先ほど下仁田側起点で見た林道延長の数値は、起点からこの峠までの距離だ。
 
 この先にある登山道も、ここからは良い感じのダート車道が延びているように見えるが、まあ車両では入らないほうがいいだろうね。
 
 峠の先にもダートは続いているので、一旦この先を下ってみたが、峠から500mほどで舗装路に切り替わった。計算すると、この稲含高倉線のダート区間の延長としては、4kmちょっとってことになるのかな。途中の展望区間で長居しすぎたせいか、体感ではもっと長かったような気がしてしまっていたが(笑)。
 
 で、今日は出発が遅かったこともあってすでにお腹もグーイングだったので、一旦下仁田側に引き返して、今日はここでランチタイムじゃ!
 
 ウー、イエーッッス!久しぶりの林道らーめんだウェイ!しかもこんなに雄大に広がる山々を眺めながらとあって、何だか変な笑いが込み上げてくるちょー(笑)。
 
 らーめんをすすりながら浅間山を眺めていると、山頂付近に雲が薄っすらと湧き出し始めているのが見え、その後ごく小さな雲の塊を形成した。
 
 食事を終えて再び走りだしたものの、満腹になってほんのり眠くなってしまったので、その先の一番の絶景地点ですぐに停まってちょっと休憩(笑)。
 
 この伐採された斜面には、大き目な切り株が合って、そこに腰掛けて休憩したんだけど、やっぱ昼飯もここで食べれば良かったかなー。
 先ほど見た、浅間山山頂付近に湧いた雲は、ここでしばらく見ているうちにその姿を消してしまった。
 
 (↑写真をタップすると拡大写真を開きます。)
 どうですかこの眺め。この区間の解放感が伝わるだろうか。ちなみに、こちら側の伐採斜面に新しく植えられた苗木はどうやらカラマツらしい。やがてこの木々が成長した頃、秋になればカラマツの黄葉でこの周囲はさぞ美しい景色が広がるんだろうなあ。
 
 さあ、今度こそ峠を越えて次の林道へと向かおう。
 
 道の外では、こちらでもカラマツと思わしき木々が生えている。とりあえずまた秋になった頃にでも景色の変化を見に来てみようかな。
 
 そして、その向こうに見える斜面では、ところどころで咲くヤマザクラが春の山に仄かな彩りを添えていた。
 
 峠を越えた先で舗装路に切り替わってからは、全く写真も撮らずに下ってきてしまったけど、しばらく走っていると、道が枝分かれする地点に着き、そこに甘楽町側の起点標識が立っていた。峠からここまでどれだけ下ってきたかも記録してなかったけど・・・(現在地点:36.180452, 138.857412)。
 ここから次の目的地までの所要時間はおよそ20分。一気に向かおう。
 
Aへ続く。