9年ぶりの川俣桧枝岐林道
2022/10/22-@ 栃木県日光市〜福島県南会津郡檜枝岐村・川俣桧枝岐林道
 
 この週末辺りの時期はもともと、林道湯沢線から毛無峠に向かい、破風岳でも登ろうかと考えていた。しかしそんな折、長らく通行止めとなっていた、栃木〜福島の県境を跨ぐ、川俣桧枝岐林道が開通したとの情報が飛び込んできた。マジか!これは行くしかないだろう!
 というわけで、そろそろ紅葉も色付いてきているであろうこの週末、久々に川俣桧枝岐林道へ向かうことにした。
 
 ここは、大笹牧場の中を通る、県道169号栗山日光線、通称霧降高原道路だ。ここにくると必ず写真を撮るこの場所で、今回もいつもと同じアングルで1枚。
 今日のこのエリアの天気予報は、晴れ時々曇りということだったが、空には薄っすらと雲が覆い被さっている。ところどころ青空は見えてはいるものの、この先の天気はどうなるだろうか。
 (そして全くの余談だが、ここへ来るときはいつも東北道から日光宇都宮道路を経由してくるのだが、今回うっかり宇都宮ICで乗り換えそびれてしまい、次の神川値SAの出口で下りることになった。本当はそこから川俣桧枝岐林道へ向かうにはもっと近いルートがあるのだが、この霧降高原道路を通りたくてわざわざ少し遠回りをしてきたという次第・・・。)
 
 まず最初の目的だった霧降高原道路を抜けて、一気に川俣大橋までやってきた。この橋を超えてすぐに分岐する道に入れば・・・。
 
 そこが川俣桧枝岐林道だ!うおお、来たぞ!久しぶりだなあ!
 
 前回ここを走った記録によると、この川俣桧枝岐林道へ来るのは実に9年ぶりとなるらしい・・・ここからの眺めを見ると、そんなに間が空いたような感じは全くしないのだが、時の流れの早さにただただ驚くばかりだ・・・。
 
 もちろん、長い間通行止めになったいたこともその理由ではあるのだが。
 現在は解放されているゲート地点には、この先の道路状況を記した看板が立っている。
 
檜枝岐村までは通行可能です。
 
 素晴らしい!もちろん事前情報でして知ったことではあるけど、こうして公に通行可能であることが示されていると本当に嬉しくなる。
 
しばらく走ると路面がダートへ変わる。この辺りの紅葉の色付きはまだまだこれからという感じかな。
 
 この橋の上も毎回写真を撮る場所だけど、正面に見える山の上の方はそこそこ良い感じに色づいているように見える。あいにく空は雲に覆われて真っ白になっているが、この先で好転することを祈りながら先へと進む・・・。
 
 そういえば、この区間はやたらとぬかるんでいる場所が多かったな。前日までに雨も降っていなかったと思うので、斜面からの沢水が貯まったのだろうか。初っ端からブーツを泥まみれにしていくぜ。
 
 途中、支線との分岐地点で、木にもたれ掛かるように立つ錆びだらけの看板を見つけたが、おお!これはまといリスじゃないか!前回来たのが9年前で、その頃はいまほど熱心にまといリスを気にしてなかったような気もするから、見落としていたのだろう。しかも、このレイアウトと文面は初めて見るものだ!やったぜ!あとでまといリス図鑑に追加しておきます!
 
 そして、その上部は成長した木の樹皮が覆い被さってきて、いままさに喰われようとしているところであった!ガーン!
 
 「にゃーん!」(リスはにゃーんと鳴きません!)
 
 周囲の植生によっては、今日の時点でも良い感じに色付いている場所もあるが、これが青空の下だったらもっといい発色になっていたはず。うーん、勿体ない。
 
 林道の本番はこれからだし、まだ晴れてくれる希望は捨ててないけどね・・・。
 
 馬坂2号線との分岐までやってきた。メーターを見ると、川俣大橋からここまで約13km。ここってこんなに距離あったんだっけ・・・って、ここに来るたびに毎回そう言ってる気がするな(笑)。
 
 そして、そこからほどなく現れるのがこの場所。
 
 砂防ダムによってできたダム湖に、立ち枯れた木が佇むこの景色。初めて見たときは、この木が怖くて仕方なかったんだが、ようやく普通に見れるようになってきた。
 
 その少し先で河原に下りられる場所があるのでちょっと立ち寄り。本当はもうちょっと奥に行きたかったんだけど、オフ車の先客が撮影タイムだったので遠慮しておいた。
 それにしても、これで晴れてさえいれば、あの山の紅葉も青空にとても映えただろうに。実に惜しいなあ。
 
 河原を後にしてさらに先へ進むと、その少し上流にまた砂防ダムがある。
 
 この辺りは砂防ダムひとつとってもダイナミックだな。埼玉辺りではなかなか見られない光景だ。
 
 少しずつ標高を上げていくと、空が開けた場所に出た。向かいに見える山の斜面も、今まさに紅葉の色付きを進めているようだ。
 
 いまもだいぶいい感じだと思うけど、紅葉のピークは来週末ごろになりそうかな。ああ、これで晴れてさえいれば・・・(こればっかり)。
 
 ここは垂直に切り立った岩肌に添えられた紅葉が、絶妙に和の風情を感じさせる。
 
 これは、なんとなく黄色い葉っぱの下で無理やり撮った1枚。もうね、今日はっきり分かったよ、俺は空が白いとテンション上がらねえんだ(笑)。
 
 徐々に色付きを深めていく木々の中を、峠に向けて進む。路面は、公に通行可能となっているだけあって、オフ車であれば何の問題もなく走れる状態が続いている。これだけ山深い中の道が、こうしてまた復旧されたのは本当に有難いことだ。
 
 ふと、道の脇に視界が開けていそうな場所があったので、BAJAを停めて覗いてみた。
 
 おお、これは素晴らしいな。ここにBAJAを停めて、この景色を背景に撮ってみたかったな。
 
 だいぶ標高を上げてきたと思うが、壊れたゲートのある地点に到着した。
 
 おお、この看板を見るのも久しぶりだなー。
 
 その看板の向こうに、ここに来ると必ず目に留まった立ち枯れた木があるのだが、久しぶりに来たら途中から折れてしまっていた。なにぶん、ここを通るのも9年ぶりだからな、こんな枯れ木がいつまでも残っているわけでもないか。
 
 ここを超えると峠まではあと少しだが、空は相変わらず一面を雲に覆われたまま。そういえば、前回来た時も峠に近づくに連れて雲に覆われてきてしまい、ほぼここと同じ場所で撮った写真に、雲を恨めしく思うキャプションを付けてたな・・・(笑)。
 
 程なく馬坂峠に到着。ここには相変わらずたくさんのハイカーの車が停まっているが、これらはみんな福島側から上ってくるのかな。
 久々の馬坂峠超えだったけど、こんな空模様のせいか、あまり感慨に浸る間もなく福島側へ下ってしまった。
 
 今日はもう天気の回復は望めないかなー。とりあえずは9年ぶりの川俣桧枝岐の感触を味わいながら下って行こう。ここが通り抜けができる、それだけで有難いことではあるからね。
 
 峠付近は松がメインの植生だったようだが、下っていくにつれて再び紅葉が現れてきた。
 
 すでに葉を落とし切った白い幹のその向こうに、今まさに色付いた葉が斑に色彩を添える。こういう雰囲気はすごく好きなんだよね。願わくば晴れた日に見たかった・・・(しつこい!)。
 
 それにしても、ついこの間まで暑くてたまらなかった記憶ばかりが残っているんだけど、急に寒くなったりまた暑くなったりを繰り返しているうちに、あっという間にこんな季節になってしまった。特に紅葉の季節なんて、1年のうちでもほんの僅かなタイミングなので、この景色を目に焼き付けて走って行こう。
 
 そろそろ川俣桧枝岐林道も終盤。周囲の木々も、だいぶ緑のバランスが増えてきたように見える。
 
 この辺りはカラマツ林なのかな。ここも紅葉のピークになればかなり鮮やかな景色が見られそうだ。
 それはそうと、そろそろ腹減ってきたな。林道を抜ける前に、どこかめぼしい場所を見つけて飯にしておくか。
 
Aへ続く。