檜原村のオイヌサマ
2023/02/19 東京都檜原村・貴布禰神社と付近の林道
 
 そういえばこれが今年初のツーレポになりますね、遅ればせながらあけましておめでとうございます(遅ぇわ!)。
 年が明けてからというもの、仕事が忙しすぎて、休みの日でもツーリングに出かける気力もない日が続いていたのだが、さすがにストレスが溜まりまくって、ちょっと踏ん張って走りでもに出ないともう無理!という気持ちになってきたので、どこか近場で良いので出かけるとしよう。そういえば、檜原村で都道沿いにオイヌサマのいる神社があったっけな、今日は軽くそこまで行ってみるとしようか。今日の予報だと檜原村は昼頃までの雨予報が出てたけど、付近のライブカメラを見る限り、雨の心配もなさそうだ。
 
 本日まずやって来たのは、東京都檜原村の都道205号水根本宿線沿いに建つ貴布禰神社だ。車道ぎりぎりの急峻な斜面に作られた階段がスリリングだが、交通量が少ないのが救いではある。
 
 その急な階段を登りきると、正面に社殿がある。
 
 そして、階段を登り切った右手に、小さな祠が並んでいるのだが、この写真でも見えている通り、ここにオイヌサマの像が置かれている。
 
 それでは順に見ていこう。こちらは祠に向かって左手に置かれたオイヌサマだ。
 (ちなみに、檜原村では一般的に崇められる狼のことを「オイヌサマ」と称しているとのことで、本稿でも「オイヌサマ」表記で統一する。)
 この姿、ここから直線距離で北東4kmほどの地点にある大岳山山頂の大嶽神社のオイヌサマに酷似している。後述するが、この像は恐らくその大嶽神社の像を参考に作られたものだろう。
 
 左の像を正面から。よく見ると、口先が欠損しているようだった。本来は大嶽神社のもののようにもう少し先まで円錐状に伸びていたのだと思う。
 
 目の表現は、大嶽神社のものと同様、筋彫りでアウトラインを表したものとなっているが、大嶽神社の像にあった眉弓にあたるアーチ状の造形は見られなかった。
 
 側面から。大嶽神社のものと比較して、前脚が短く造形されているためにだいぶ前傾姿勢になっているように見える。
 
 続いてこちらが祠に向かって右手に置かれたオイヌサマ。残念ながら胴体の途中で割れてしまい、上半身がまるごと無くなってしまっている。像の前に破片が置かれていたが、形状と材質から見て、このオイヌサマのものではなさそうだ。
 
 台座には「宝暦十年(?)」と読める文字が記されていた。冒頭で、このオイヌサマに酷似していると書いた大嶽神社のオイヌサマが宝暦九年、この貴布禰神社のオイヌサマの奉納の前年のものだったので、こちらの像は大嶽神社のオイヌサマに倣って作られたのかもしれない。
 
 さあ、オイヌサマの観察も終えたし、そろそろ引き返そう(こちらのオイヌサマについては、後日「大神-オオカミ-の貌」に改めてまとめます)。
 それにしてもこの貴布禰神社、改めて道沿いから眺めると、厳つい擁壁のすぐ真上に建っていてなかなか物々しい佇まいだな。
 そんなことをしていると、上空からポツポツと雨粒が・・・予報通りだとしても昼頃には雨は上がるはずなので、これ以上雨が酷くなることは無いと思うが・・・。
 
 貴布禰神社を後にして都道205号を15分ほど走り、続いてやって来たのは林道笹野向線。ここへ来るのは2021年の12月以来1年ちょっと振りだが、そのときは途中で斜面から崩れ落ちた土砂で道が寸断され、その後が気になっていた。せっかく近くまで来たので、あれからどうなったのか見ていこう。
 
 ダート区間に入ると、路肩にほんの僅かながら残雪が見られた。ただ、都道沿いでも所々残雪があったので、林道ではもう少し多く残っているかなと思ったが、逆に林道のほうが少ないくらいだった。
 
 その先で、もう少しだけ雪が残っていたものの、溶けかけのシャーベット状になっていて路面には水溜まりが残っていた。
 ちなみにこの地点は、以前冬に来た時に、窪みの上に浮くように張り付いている薄氷を見たことがあるが、あれがどのようにしてできたのかいまだに謎だったりする・・・。
 
 そのまま進んでいくと、やがて空が開けた区間に入る。
 
 やや雲の多い今日の空模様だけど、元々午前中は雨予報だったわけだし、まあ降られないだけども御の字か。ちなみにいつもこの林道に来た時に写真を撮る印象的な地点は、今日は路肩に三脚を立てて写真を撮っている人がいたのでスルーしてしまった・・・。
 
 その地点を過ぎると、その先に重機や路肩に敷かれたブルーシートが見えてきた。
 
 その地点まで来ると、斜面には網も張られ、今まさに工事の真っ最中だった。さすがに今日は日曜日なので工事は休みのようだったが。
 
 そして、以前来たときに土砂崩れで足止めを食らった地点に辿り着いた。
 
 久しぶりに来て見ると、すでに土砂は取り除かれ、斜面も固められて通行ができるようになっていた。
 
 だが、そのすぐ先で、更なる工事のためにこれ以上車両で進むことが出来なくなっていた。
 
 路上には、たくさんの資材が置かれたままになっている。この地点も斜面が崩れているので、その補修のための物だろうか。
 ただ、以前来た時も見られなかったこの先も気になるし、今日は歩きならこの先へも進めそうだ。BAJA君、ちょっとここで待てってね。
 
 この地点には、この日一番の残雪があったが、この先に人が立ち入ってないことによるものだろう。
 
 その先でも斜面が崩れている地点が見られる。先ほどの地点で行われている補修工事も、この道をさらに延伸するためのものだとは思うが、その延伸の続きはこれらの崩落を全て補修してからになるのだろうか・・・。
 
 そういえばいま気づいたけど、前回足止めを食らった地点から先は、ずっと路面がコンクリ舗装になっているな・・・。
 
 BAJAを置いて200mほど歩いてきただろうか、道が行き止まりとなる地点が見えてきた。
 それはそうと、ここに見える落石も気になるが・・・ここも補修の必要があるんだろうなあ。
 
 笹野向線の、現在の終点に辿り着いた。この道がここまで延伸されてからここに立つのは初めてだ。そして、路面はこの終点の際までしっかりとコンクリート舗装が施されている。
 
 いまのところはこの先へさらに道を延ばすような気配は感じられないが、その脇のガードレールには「⇦臼杵山」と書かれている。この付近に登山道でもあるのだろうか・・・?
 
 BAJA君ただいまー。見たかった終点もやっと見られたし、次の場所へ行って昼飯にしようか。
 
 あきる野市まで戻り、やって来たのは林道横沢・小机線。ここを走って、抜けた先の横沢入でお昼にしよう。
 
 この林道に来ると必ず写真を撮るS字カーブ。ここ、好きなんだよねえ。
 
 林道を走りながら、なんかやたらと薄暗くなってきたなあと思っていたら、急に大粒の雨が降り出した・・・ええ!?降るとしても午前中じゃなかったのかよ!?もしこれ以上雨が酷くなるようだったら、期待していた飯は中止して帰らざるを得なくなるかも・・・。
 
 そんなこともあって、ろくに写真も撮らずに山間区間を抜けてきてしまったが、さてどうすっかなあ、と思っていると、その雨も徐々に小振りになってきたようだ。
 
 さっきの大粒の雨はどうやら一時的だったようで、この様子なら飯にしても大丈夫だろう・・・。
 
 という訳で、だいぶ腹も減ってきたので、さっそく飯にするんだ!やっぱりこの場所は落ち着くわー。
 
 ・・・と言いたいとこだけど、今日はすぐ先の池からゲコゲコと買えるの大合唱が聴こえてくる(笑)。ちょっと覗きに行ってみるか。
 
 池には、その大合唱を響かせているカエルたちもたくさんいたが、これから孵化する卵もたくさん見えた。これからもっと賑やかになるんだろうなあ。
 
 周囲にはオオイヌノフグリも咲き誇っていた。忙しいとか言ってるうちに、季節はすっかり移り変わっていたようだ。
 
 ここもあと少しすると緑溢れる春の景色に包まれるんだろうなあ。ここ数年、春になったら横沢入に行こうと言い続けてるわりには来れずじまいなことが続いているけど、今年こそ春になったらまた来るぞ!(ホントか??)
 
 さあ、今日はそろそろ引き上げるとしよう。なんつーか、今になって空も晴れてきたけど、こんなことならもう少し遅いスタートでも良かったかな?
 
----------オマケ----------
 
 帰る途中、何度も通った道沿いで、カエル先生の看板を発見!錆だらけのせいか、いままで全く気付かなかった・・・!
 
 しかもSONYのロゴ入り!最高!