埼玉オオカミ信仰の総本山へ
2023/05/04 埼玉県秩父市・三峯神社〜奥宮・妙法ヶ岳登山-@
 
 以前、檜原村の貴布禰神社にオイヌサマを見に行った後、まあもさんから「どこかお犬様登山でも行きませんか?」とお誘いを受けていた。ちょうどその頃は花粉シーズン真っただ中で、もうちょいスギ花粉が落ち着いてから、ってことになっていた。で、5月連休となったこの日、いよいよ実行に移すこととなった。目的地は秩父市の三峯神社。埼玉県のオオカミ信仰の総本山ともいうべき神社だ。そこからさらに上り、三峯神社の奥宮の祀られた妙法ヶ岳まで登っていく。
 
 当日、国道140号沿いの三峯神社表参道入口の駐車場で待ち合わせ。羊山公園の芝桜渋滞を避けるために少し遠回りをしたため、少し時間に余裕をもって出発したら、思いの外早く着いてしまったけど、まあもさんはそれよりもだいぶ早く着いていたようだ(笑)。
 
 大輪の表参道大鳥居をくぐり、さっそく登山開始だ。ちなみにまあもさんは、過去に三峯神社も妙法ヶ岳もそれぞれ訪れているそうだが、この表参道から三峯神社を経由して妙法ヶ岳まで至るのは初めて(正確にはリトライ)になるとのこと。
 
 大鳥居をくぐってまず最初に出迎えてくれるのがこちらのお犬さま。
 
 阿吽とも、お犬さま像としてよく見られる、痩身体形を現したあばらの造形なども見られるが、スッとしなやかに表現された体形や顔つきは、まるでヒョウのような印象だ。
 (ちなみに今回見てきたお犬さまも、後日「大神-オオカミ-の貌」のページにまとめる予定だ。)
 
 荒川に架かる登竜橋を渡る。
 
 すると、その橋の正面の斜面の上に、お犬さまが置かれている。
 
 うっかりこのお犬さまの全景を撮り損ねてしまったが、そこそこ高い位置にいるうえ、その手前に石碑が立っているため、お犬さまの姿をしっかり撮るのがなかなか難しかった。ただ、新緑の中でこの石碑の影にひっそりと佇む姿は実に良かった。
 
 そのすぐ先に石灯籠が立っているが、この脇にもお犬さまがいる。
 
 こちらも斜面の上の近づけない場所にいるが、むぐう、もっと近くで観察したいぜ・・・。
 
 この後は、次にお犬さまが現れるのは神社に着いてからだ。
 
 ブロックで舗装された参道を進んでくると、少し開けた場所に出る(※)。ここを境に、参道はいよいよ登山道へと変わる。
 
 ここから神社までは3.2kmの道のりとなる。気張って行こう。
 
 序盤は平坦な区間が続いている。久しぶりの登山の脚慣らしにはちょうどいい感じだ。
 
 コケスキー・まあもさんはさっそく苔の観察に勤しんでおります。
 
 序盤は平坦で楽ちん楽ちん!なんて思っていた道は、一気に急登へと変わった。それに、三峯神社への道だけあってさすがに人が多い!ときおり途中で休憩する人を追い越しながら標高を稼いでいく。
 
 眼下には沢が近づいてきた。その沢に沿って進んでいくと・・・。
 
 その沢を跨ぐ橋が架かり、その奥には滝が流れ落ちている。
 
 清浄の滝だ。ここは見ての通り、滝の前に白い鳥居が立ち、滝の名前の通り清浄で厳かな空気に包まれていてとても良かった。ここで少し休憩を取ってから再出発。
 
 久しぶりの登山だけど、鮮やかな新緑から落ちる木漏れ日に囲まれながら歩くのはやはりとても気持ちがいい。気温も暑くも寒くもなく、本当に丁度いい時期に来れたかも。
 
 しばらくすると、東屋の立つ場所があったので再度軽く休憩。この脇には薬師堂、施設供養塔が立っていた。
 
 その供養塔を超えた先で、丁目石が連続して見られ始めた。最初に気づいたのは二十五(廿五)丁目だったけど、それ以前は全然気づかなかったなあ。
 
 登り始めて1時間と10分ほど、神社まで残り1.1kmの地点まで来た。地図で見た神社までのコースタイムは2時間20分とのことだったが、だいぶいいペースで登って来れているようだ。
 
 途中、丸太で組まれた階段があったが、この手の階段にありがちで、とっくに土が流失してしまい歩きづらいことこの上ない・・・のだが、これが帰路で思わぬ効果を発揮する(?)。
 
 そういえば、まあもさんが廃墟だと思っていたこの建物。今現在は神社関係者の方が使われているようで、今日もも戸が開き中に人の姿が見えた。ちょうどここで柵の設置をしていた方に、ゆっくりしていってくださいと言われ、縁側をお借りして少しだけ休憩を取った。
 
 その後も、現在は使われていない建物をいくつか経て、突然車道に合流した。これは恐らく神社に物資等を運んだりする為の道なのかと思うけど、こんな道どこから延びているんだろう?
 
 その車道はすぐに、参道から右手に分かれていき、参道は直進方向に続いている。ここに立つ道標には、神社まであと125mと書かれていた。125mなんて、100mダッシュと思えばもう一瞬じゃん(笑)!
 
 まあ、この時点でそんなダッシュなんてできるわけもなく(笑)、残りの僅かな距離をにじりにじりと登っていくと、おお、見えたぞ!
 
 登り始めてから約2時間、三峯神社に到着した!
 
 鳥居の前の奧宮遙拜殿からの景色を眺める。雲ひとつない最高の天気だ!
 
 鳥居の両脇にはお犬さまが置かれている。鳥居に向かって右手にいる、口をやや開いたように見えるこちらが阿形だろうか。この像は、ちょうど手前にシャクナゲの木があって、その姿を写真の収めるのが難しかった。
 
 鳥居左手のこちらが吽形だろう。ここのお犬さまも斜面の上の近づけない場所にいるので細かいディテールまでは観察できないが、どっしりとした力強い体形が印象的だ。
 
 そこから一旦、三ツ鳥居を超えて神社境内の中の他のお犬さまは後で見ることにして、ここからさらに奥宮へと続く参道を進んでいく。
 
 ここから先は、しばらくコンクリで舗装された歩きやすい道が続いている。それに、神社へは県道を通って車でも来れるので、この辺りは登山者ではない人たちも多く歩いていて、さっきまで山の中を歩いてきた身からすると、その温度差に一瞬「あれっ?」ってなる(笑)。
 
 この道沿いにはシャクナゲが群生していて、ちょうど満開となっていた。まあもさんはこれも今日の楽しみだったようで、せっせと写真に収めていた。
 
 やがて、現在の道と奥宮への参道が分かれる地点に着いた。この鳥居の後ろに、登山届を出すポストがあったので念のため記入したけど、ポストの中がいっぱいすぎて、書いた紙を無理やりねじ込む形になってしまった・・・(笑)。
 
 あ、この看板、以前もどこかの林道で見たものと同じ物だ。どこの林道だったかなあ?上強石線か大達原線あたりだったと思うけど・・・。
 
 参道を進むと、途中、道沿いに紙垂を付けた木があった。近くに祠などのものは見当たらなかったけど、風になびく紙垂が山岳信仰の趣を醸し出していて、歩きながらも見惚れてしまった。
 
 いま歩いてきた区間から道が折り返して登地点に、次の鳥居が立っている。ちなみに、まあもさんによると、これらの奥宮への参道にある鳥居、Googleマップの表記と、秩父観光協会の公式とではカウントが異なっているそう。詳しくはまあもさんのレポを参照されたし。
 
 標高を上げるにつれ、次第に道筋が不明瞭になる場所も出始めた。ただ、そういう地点は稜線上を進むようになっていたりするので、迷うことはない。
 
 奥宮まであと1.2km、神社からちょうど半分ほどの地点で、道が少し広くなったところにベンチとテーブルが設置されていた。この辺りですでに空腹を感じ始めていて、このまま歩き続けたらこの後大変になりそうだったので、ここで飯にすることにした。
 
 ここ、景色は開けないけど、明るい陽射しに照らされた緑に囲まれていて、それはそれでなかなか良いポイントだった。それはそうと、何故かこの付近は強い風が吹き付けていて、さっきまでTシャツ1枚で歩いていたのに、急に肌寒くなって来て慌てて上着を取り出した。
 
 そして、まあもさんの今日の昼飯はホットサンド!うはは、すごいな!こんなもの持参してきたのか!
 
 昼飯を終えて再び歩き出す。この辺りは、なだらかな地形の中に疎らに生える木の間を縫うように道が延びていて、とても雰囲気が良かった。
 
 木々の間から、麓の集落が見える。あれはどの辺りだろう。
 
 続いての鳥居を潜る。こちらの鳥居はかなりがっしりとした造りだ。ここから先はしばらく稜線上の道が続く。
 
 普段林道ツーリングではあまり見ることのない、道の両側の開けた稜線上の区間を歩けるのは登山ならでは、って感じがして楽しい。
 
 紫の鮮やかな花に出迎えられて、続いての鳥居を潜る。
 
 少々急傾斜な地形を進む地点に、勤続の階段が設置されていた。まあもさんによれば、以前来た時には無かったものだそうだ。
 
 その先にも金属のステップが設置されていたが、その脇をよく見ると、丸太で組まれた桟橋の残骸が見えた。かつてはこれを渡っていたのか・・・。
 
 ここはかなりの急傾斜の階段があるが、人ひとりが通れるだけの狭い階段のため、下りの通過待ちで少し時間を要した。こんな山の上で渋滞するんか・・・。
 
 そこを超えると、いよいよ空が開けてきた!写真では分かりづらいけど、ここは確か鎖場になっていたが、距離も短く手すりもあるので、特に鎖を使わなくても問題なく登れる。
 
 そして、その鎖場の先に・・・おお、ついに来たぞ・・・!
 
Aへ続く。