@はこちら。
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ここが標高1,329m、妙法ヶ岳山頂。三峯神社奥宮だ!
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ここから上にはもう空しかない、この僅かな領域に祀られた奥宮。埼玉のオオカミ信仰の総本山とも言えるこの地から、周囲の山々を見渡す。感無量だ!
・・・って、んん??
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そうだ、林道大血川線だよな!?うおお!まさかここから大血川線があんなにくっきりと見えるとは!奥宮に着いた感動も冷めやらぬうちに、一気に意識が林道に持っていかれてしまった(笑)。
大血川線も、他の埼玉の林道同様、今現在台風被害による通行止めが続いていて、もうしばらく走れていないけど、あの右側に見える地滑りのある地点から見る景色がまた絶景なんだよなあ。それに大血川線は、三峯神社へのアクセス路としても有用なので、一日も早い復旧を期待したいところだ。
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さて、祠の左手には、この「秩父宮殿下御登山記念碑」があるが、この奥に見える景色がまた絶景だとまあもさんに教えてもらったので見てみよう。
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おお、確かにこちらも素晴らしい景色が広がっている。これ、紅葉の季節に来てもすごく良さそうだなあ。
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さあ、それではお待ちかねのお犬さまを見ていこう。まずは祠手前のお犬さまから。向かって右手のこちらが阿形。全体的な質感からも、わりと新し目のもののように見えるが、うっかり奉納年を確認するのを忘れてしまった。
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そして向かって左手のこちらが吽形。どちらもふっくらと丸みを帯びた体形が特徴的だが、睨みを効かせた表情のせいもあって、体形の印象をかき消すほどの凛々しさを感じさせる。その目元は、眼球を白く塗られ、瞳を黒く描かれているのが特徴だ。
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そして、祠の右手の石碑の袂に置かれた多数のお犬さま像。俺は特にこれを見たくてここまで来た!
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こちらのお犬さまたちは、祠の前の物よりもずっと古くからいるようで、表面には地衣類の痕跡が見られ、部分的な欠損が見られるものもある。
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こちらは上段に置かれた一番大きなお犬さま。お顔の造形は口吻の先に向けてすぼまって尖ったかたちとなっていて、切れ長の目元とも相まって、神獣としての威厳を感じさせるような造形が印象的だ。阿吽の明確な差は無いように見える。台座の足を掛けている突起部分にはそれぞれ「奉」「納」の文字が刻まれている。
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そしてこちらが下段に置かれた4体。両脇の2体はどちらも顔が欠けていて、どのような造形だったのかは判別が付かないが、中央の2体は、上段のお犬さまのデザインを踏襲したもののようだ。
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そして、これらのお犬さまは、毛並みを表したものであろうか、体表に細かな筋の造形が見られる。それはこの一番小さなお犬さまにもしっかりと施されていて、写真を撮りながらもついつい見惚れてしまった。
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こちらは、石碑の両側に置かれたお犬さま。左右それぞれでデザインは異なっているようで、左手のものは、手前上段のお犬さまと同様の顔つきに見えるが、脚が欠損していて石碑の台座にもたれかかるように立っている。右手のものは、リアルなオオカミとしての造形を意識したもののようだが、全体的に風化が進み、全体的にディテールが曖昧になり、左前脚が欠けてしまっている。
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石碑の後ろには、もう一つ古い石碑があり、その手前にもう1対のお犬さまが置かれている。こちらも相当に古いもののようでやはり風化が著しく、全体的にディテールがぼやけてしまっているが、それでもリアルな狼の姿を意識した造形が成されていたであろうことは覗える。
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その小さな石碑の背後には、オオカミではない狛犬が1対置かれていた。左側の狛犬の顔部分はかけて足元に置かれていた。
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さらに、石碑の一番後ろにもう1体の像があったが、こちらは上半身がまるごと欠けてしまっていた。
(この姿は檜原村の貴布禰神社のオイヌサマを思い起こさせる。)
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念願だった三峯神社奥宮のお犬さまをひとしきり見て、もう大満足だ。そろそろ下山を始めるとしよう。
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ここは、山頂から少し下ったところにある行き止まりの突端部分。往きにはここで飯にしている人がいたけど、とても雰囲気の良い場所だったので、もしまたここに来ることが合ったら、俺もここで飯にしたいな。
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参道沿いには、ところどころで格子て途中から折れた木が見られるが、これらは雷の直撃を受けたもののようだ。
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三峯神社まで戻ってきた。この奥宮への参道を抜けると・・・。
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突然この観光地的な光景が待ち受けている。まるで一瞬で世界が変わったかのようなこの温度差に眩暈がするぜ(笑)。でも、ここに売店や自販機があるおかげで、今日は水分などの荷物をあらかじめ減らせていたのもあるので、まあ有難いっちゃあ有難い。
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さあ、それでは三峯神社境内のお犬さまを見ていこう。まずはこの三ツ鳥居前のお犬さま。
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実在したオオカミとしての写実的な姿を排し、神獣的な表現に重きを置いたこのお犬さま像。実は、寄居町の釜山神社に、この像とほぼ同じ姿をしたお犬さまが奉納されている。同じ石工、もしくは関係する石工の手によるものか、または参考にしただけなのか、確かめたかったけど今回ことごとく台座の文字情報の確認をし損ねてしまった・・・。いずれ再訪せねば。
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どっしりとした体形に太い尾、赤く塗られた口と耳、そしてウツボのようなつぶらな目が異様な迫力を醸し出している。
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そのまま参拝順路を進むと、次に現れるのがこのお犬さま。
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こちらは、シェパードのようなスマートな体形が印象的だ。
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そして、このお犬さまを見ていてひとつ気付いたことがあった。右手の阿形の像に、なんと乳首の造形が成されていた。阿吽の像に性差を持たせた像はたまに見ることがあるが、いままで見てきたそれらは、どれもオスの性器で表現されていた。このように、メスの特徴で性差を表したものは初めて見たが、非常に珍しいのではないだろうか。
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続いては、本殿に続く石段上にある青銅両部鳥居の、その手前に置かれたお犬さま。
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本殿への石段には、参拝の長い列ができていて、今回は時間の制約上参拝の列には並ばなかったため、遠目からの撮影となってしまったが、恐らくブロンズ製と思われるこちらのお犬さまは、筋肉質に造形された、触れれば体温まで感じそうな写実的な造形がとても印象的だった。
ちなみにこのお犬さまの造形だが、同じ秩父市の荒川上田野地区にある若御子神社の一ノ鳥居前のお犬さま像が、こちらのお犬さまと非常によく似た造形をしている。こちらもこの三峯神社のものとの関係性が気になるところだ(という宿題・・・)。
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石段を登った先の社殿の前に、大きな台座で組まれたお犬さま像がある。
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まるで自然の岩場を模したような大きな台座に「奉」の字の記されたこちらが阿形。全部で3体のお犬さまが配されている。
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そして対となるこちらが吽形。こちらは2体のお犬さまが配され、台座には「納」の字が刻まれている。ここのお犬さまは他のお犬さまと異なり、自然の中で生きているままの姿をヴィネットとして写し取ったような造形がとても素晴らしかった。
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遠宮の社殿の中にも、大小様々な姿のお犬さまが置かれていた。こちらは親子の姿を描いたもののようだ。
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社殿の奥に置かれたこれらは、さすがに遠くてひとつひとつを詳細に見ることはできないが、こんなに小さなものでも精細に造形されている様子が見て取れる。
そして、この遠宮についてここでまあもさんにひとつ教えてもらったことがある。この社殿に至る石段の途中に、お犬さまのものと噂される足跡がある、というのだ。
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探してみると、それと思わしきものが確かに見つかった。
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言われてみれば確かにイヌ科の動物の足跡に見えなくもない。コンクリートがちょうど固まる前に足跡が残ったことも絶妙なタイミングだと思うが、それがこの三峯神社にあるとなれば、お犬さまのものと噂されるようになるのも当然だろう。日本では1905年の捕獲を最後に絶滅したとされるニホンオオカミだが、個人的にもニホンオオカミは現存していて欲しいという淡い希望は持ってはいるが、果たしてどうだろう・・・。
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残るお犬さまを見ていこう。こちらは本殿前のお犬さま。ここも参拝の列の外から辛うじて撮ったものだが、狐を思わせる細い口吻の造形が特徴的だ。
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そして最後は、摂社となる大山祇神社の前にいるこちらのお犬さま。
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さらには、こちらの像の台座も自然石を模したような造形となっており、お犬さまの躍動感を高めることに一役買っている。
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さらに言うと、背後から見たこのお尻が可愛かった・・・(笑)。
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ひとしきり境内のお犬さまの姿を堪能してきたが、最後に日本武尊像をご紹介。この像の体形を一目見て、咄嗟に「キン消しみたいだ!」と言ったのはここだけの秘密だ!
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それでは下山を始めよう。登りでは鬱陶しかったこの丸太階段だが、一日中歩いてくたびれた足の裏を、この丸太の上に押し当てるように下ってみたら、実に具合が良かった(笑)。
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清浄の滝まで戻ってきた。この手前の斜面で、苔生した岩肌から岩清水が流れ落ちている場所があったのでまあもさんに伝えると、咄嗟に駆け寄ってしばらく苔の撮影タイムとなった(笑)。
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そのすぐ近くには、旧大滝村表記の残る看板が落ちていた。俺は俺でこっちの看板に夢中(笑)。
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ここまですっかり日影となった参道を下ってきたが、道の斜度が緩やかになると、山の上から日差しが入り始めた。ここまで来ればあと少しだ。
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先ほど登り始めたときに少し位に止めていた平場に戻ってきた(前項※)。さっきは気づけなかったけど、そうだ、ここってかつての三峰ロープウェイの大輪駅跡地じゃないか!
実は、三峯神社にはだいぶ以前にいちど訪れているのだが、もちろんその頃はオオカミ信仰のことなど露ほども知らず、その時の目的は、当時まだ神社境内に残っていた、このロープウェイの旧山頂駅の廃墟を見ることだった。
さらには、ロープウェイ廃止直後の、まだこの大輪駅の駅舎が残っていた時の写真もあるので紹介したいと思う。
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この駅跡地からは、神庭洞窟も見えていた。ここからこんなに近い場所だったんだ。
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登竜橋まで戻って来る頃には、すでに日差しも傾いていた。
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橋を渡ると、その橋の袂にある、すでに廃業した土産物屋の側面のガラス戸の奥に、当時の商品がそのまま残されているのが見えた。
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この状態の廃土産物屋、めちゃめちゃ好きなんだよなあ。伝われ!
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というわけで、妙法ヶ岳までの登山を終えて駐車場まで戻ってきた。久しぶりの登山だったけど、いやあ、良く歩いた!今日はグッスリ眠れそうだ(笑)。
この後、まあもさんが教えてくれた、この近くにあるという鋼製スリットダムを、今日の最後に見に行くことにした。
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その場所へは、ここから上っていくそうだ。え、ここって林道杉ノ峠線の起点じゃん!ここは以前一度だけ走ったことがあるけど、その当時は鋼製スリットダムのことなんて全く知りもしなかったからなあ。
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おおお!これかあっ!武骨なコンクリートの堤体のてっぺんに、茶色に塗られた鋼材で組まれたスリットダムが鎮座している!
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近くまで立ち入れる立地ではないので、ズームで何とか撮ってみたが、それでもこの厳つい格好良さは伝わるだろう。
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いやあ、今日の最後に良い物が見れた!まあもさん、ありがとう!またすぐに出かけましょう(笑)。
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まあもさんと現地解散し、俺は帰りも往きに通った高原牧場を抜ける道で帰ったのだが、その途中でこんな素敵な夕日を見ることができた。今日はずっと訪れたかった三峯神社とその奥宮を訪れることができて、本当に満足した一日だった。これで埼玉県内の残るオオカミ信仰神社もあと僅か。だけど、それらはどれも登山でしか辿り着けない場所となる。ちょっとじっくり計画立ててみますかね。
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