武甲山のオオカミ
2023/05/27 埼玉県横瀬町・武甲山~子持山~大持山登山-③
 
②はこちら。
 
①はこちら。
 
 大持山山頂でしばしの休憩を取り、再び前進する。ここからはもう下りだけとなるので幾分気が楽だ。
 
 これはその下りの途中で見た木。幹の表皮が縦に真っ直ぐ剥がれ、その中が焼け焦げている。これは恐らく落雷によるものだろう。こんな状態でもこの木はしっかりと生きているようだった。なんと逞しい・・・。
 
 大持山山頂からはしばらくのあいだ緩やかな下りが続くが、やがて前方の木々が途切れ明るく見える地点に着いた。
 
 おお、ここが大持山の肩か。ここから先の道は左手に90度折れて下って行くので、前方の先は斜面となり視界が開けている。
 
 その景色がこちら。あの真ん中に見えている白く丸い建物は、タマチャリンさんによれば西武ドームだそうだ。
 そして、ここから妻坂峠までは60分の下りとなるそうだが、その妻坂峠までの下りはかなりの急斜面がずっと続くらしく、タマチャリンさんは以前来た時にここで足の爪を剝がしたらしい・・・!
 
 果たしてどんな道が待っているのかと思うと、下り始めからいきなりこの急斜面ですよ!まあ、それでもこの辺りはまだいくぶん楽ではあったけど・・・。
 
 そんな下り坂を足元に気を付けながら下っていると、道の脇の斜面の中に、横たわる大きなシルエットが見えた。
 
 ・・・って、どっかで見たことあると思ったらガヴァドン(A)じゃねーか!おまえ、ウルトラマンに宇宙へ連れていかれたんじゃなかったのかよ!
 
 そんな、怪獣が見守る登山道をのんびりと下っていく。ここまでも、途中で拾った、やや重たい天然エクスカリバーを使って歩いていたのだが、この周囲は杖に使うのに最適な素材がこれでもかと言うくらいに散乱していた。その中から軽くて丈夫なものを選んでここからの下りに備えた。
 
 その先で、妻坂峠までの下りの中で最もスパルタンだと思われる区間に突入した!真ん中に薄っすら道筋が見えるかと思うが、その周囲に生える木々の角度で、ここがどれだけの急勾配か伝わるだろうか・・・。
 
 山頂方向を振り返るとこんな感じ。九十九折とも呼べないような、申し訳程度にくねった道がほぼ真っ直ぐの勢いで下っているのがよーっく分かると思う・・・。誰だ、こんなクレイジーな道を通したのは(笑)!
 
 あまりにも急勾配なので、足を横向きにしたりして何とか下ってきたものの、さすがに途中でしんどくなり、一旦休憩を取ることにした。上の写真は、斜面に生える木の根元がいい感じのカーブを描いていたので腰掛けたらめちゃめちゃいい具合に尻にフィットして、もうここから動きたくなくなってしまったの図・・・。
 
 緑が綺麗だ・・・ここで下を振り返ったらもう駐車場、なんてことないかなー(ねえよ!)。
 
 そんな鬼のような急坂を、本当に1時間近くかけて下ってくると、いよいよ見えてきた・・・!
 
 着いた・・・着いたぞ、標高833m、妻坂峠についに到着した!
 
 ここでしばらく急坂で酷使した足を安め、最後の区間の下りへと入る。タマチャリンさんによれば、ここからの下りはここまでの急坂に比べればだいぶ落ち着くらしいが・・・下を覗くと、まだまだ厳しそうに見える・・・(笑)。
 
 それでも少しするとようやく斜度が落ち着いてきたので、ここまで世話になった天然エクスカリバーをここに置いていくことにした。また次の誰かに拾われてくれ!いままでありがとー!
 
 斜度が落ち着いたとはいえ、道はまだまだ九十九折で下っていく。タマチャリンさんによれば、この先で林道にぶつかるようだが・・・。
 
 おおっ!ガードレールが見えてきたぞ!車道だ!・・・っていうか、ちょっと待って、なんか様子がおかしくないか・・・?
 
・・・!!!
 
 う、うわあ!路面が洗堀でひどいことになってる!しばらく見ないうちにこんなに荒れてしまっていたとは・・・!
 そう、ここは林道二子線。かつてはBAJAで走りに来たこともあったが、いつの頃からか途中にゲートが設置されてしまい、それ以来ここに来ることもなくなっていた。最後に来てからもう10年ほどは経つだろうか・・・。
 
 ちょうどこの地点から終点方向を見るとすぐ先に、そのゲートが見えている。ゲートに至る前でこんなに荒れてしまっているなんて、ちょっと予想外だった・・・。以前歯ここから先もいい林道だったんだけどなあ。
 
 ここで二子線と交差した登山道はまだ続いているが、せっかく久しぶりに立った二子線だ、このまま林道を下って行きたい!というわけで、急遽ここから先は林道歩きに変更じゃ!
 
 登山道との交差地点から少し下ると、先ほどの洗堀があっという間に幅を広げ、路面の半分が失われていた。うおお・・・なんということだ!
 
 進むにつれて路盤の欠損は大きくなり、ここではガードレールが宙に浮いてしまっていた。山側には、2輪なら辛うじて通過できる程度の路面は残っているが・・・。
 
 これ、いつ頃からこのような状態になってしまったのだろうか?この状態を見るに、さっきのゲートから奥も酷いことになっているんじゃないかという気もするが、今後この道を復旧させる気はあるのだろうか・・・?まあ、現状では埼玉県の林道はどこも、2019年の台風被害からの復旧がままならない状態ではあるので、たとえその気はあっても、いつになったら工事に着手できることか・・・。
 
 その大崩落の先に、ささやかな木製のウマが置かれていたが、ここにこの程度の物しか置かれていないということは、この手前にもっと厳重なゲートでもあるのだろうか?
 
 その先では、一見路面は落ち着いたように見えるが、ここでは斜面から流れてきた土砂がなだらかに積み上がっていた。ここがどれだけ長く放置されているのかを物語っているようだ・・・。
 
 振り返ると、道の両脇の木々の間から、その奥の山並みが見えている。昔BAJAで来ていたときに、こんな景色見ていた覚えがあるなあ。
 
 こちらは結構派手目に土砂が積み上がっているが、その上に明らかにタイヤの跡が見えるぞ・・・。
 
 ところどころ荒れている場所はあるといえ、土砂の流出などもない場所は、比較的穏やかな路面を保っている。
 
 そうそう、こういう道路標識が残る廃道っていいよねー
 
 なんて思いながらこの写真を撮ったんだけど、いやいや、ここ廃道じゃねーんだわ・・・。
 
 登山道との交差点から15分ほど歩いてきた。
 
 と、その鬱蒼としたカーブを曲がったところで、唐突に路上にウマが置いてあり、その先で上空が開けた地点に出た。あ、ここは・・・そうだ!林道生川線との分岐地点だ!(上の写真の左手から下ってきた。手前が一ノ鳥居方面。)
 
 この地点から分岐している林道生川線は、この先を進むと、今日の歩き始めに見た、作業道との重複区間が始まる地点に至るわけだ。
 
 そして、二子線側の路肩には、こちら側が二子線であることを示す標識(起点はここよりさらに下った一の鳥居の前)と、森林管理道開設中の看板が立てられているが、その「開設中」の文字も、いまはただ虚しいばかりだ・・・。
 
 そこからさらに下ると、右手に車を停めてあるスペースが見えた。
 
 おお、ここがさっきの登山道から繋がる道か!ここで最終的に車道と合流するのか。
 
 そこから程なく舗装路となった道を下っていると・・・。
 
 おお!あそこに見えるはBAJA君とあけみちゃん!
 
 登山開始からおよそ8時間、ようやく出発地点に戻ってきた!いやあ、今日は疲れたなあ!
 
 そして今日の最後に、朝は車の出入りが激しくて取れなかった、お犬さまとBAJA君の写真を撮って締めくくりとした。この後、3人でまた次に行きたい場所のことなどを駄弁ってから解散した。またおもろいとこ行きましょう!
 
 帰り道、石灰工業の工場前で停車して、早足で1枚だけ写真を撮った(笑)。
 
 念願だった武甲山への登山と、武甲山御嶽神社のお犬さまも見ることができて本当に楽しかった。山頂間の登り返しはホントきつかったけど(笑)。
 さあ、埼玉県内のオオカミ信仰神社も、残すところ本当にあと僅かだ。そこも登山でなければ行けない場所だけど、さーて、いつ登りに行こうかな?