前回、雲取線に行ってからあっという間にひと月が経過してしまった。この時期は例年で言えばそろそろ梅雨入りしててもおかしくない頃なのだが、どうも今年は梅雨入りが遅れているようで、この日も概ね良い天気の一日となりそうだった。とはいえさすがにもう梅雨入りも間近だと思われるので(事実、この次の金曜日には関東地方も梅雨入りした)、せっかくのこの好天だ、林道へ行こう!
さて、今年の林道ツーリングにおいては「久々となる林道を巡る」ということをふわっと設定しているのだが、今回もそのテーマに則り目的地を決めた。行先は、長野県佐久市の林道田口十石峠線。前回訪れたのは7年前、県道93号線〜108号線間の第2工区がついに貫通したとの報せをもらい、喜び勇んで走りに行くも、たまたま工事関係者の車両が止まっていたために通り抜けが叶わないまま終わっていた。結局、その後は再び訪れることがないまま今に至ってしまったが、そうか、あれからもう7年も経つのか・・・。
というわけで、林道ライダー諸氏におかれましては「何をいまさら」というハナシかとは思いますが(笑)、本日も緩ーくお付き合いください。
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今日は下道でのんびり行ってみよう。途中、恐らくもう十数年ぶりに十石峠を通過したのだが、何故か写真を撮るどころか停車すらせずに通り過ぎてしまった。そのくせ、その先でこんな景色があるとついつい停車してしまう。今日は午後から曇りになりそうな予報だったが、午前中のうちは良い天気に恵まれそうだ。
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林道まであと少しというところまで来たとき、ふと道沿いの斜面に見知った構造物が見えた。
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おお!鋼製スリットダムだ!やったぜ!いままで使ったことのない道で来たのが功を奏したようだ!下道バンザイ!
これはしっかり写真に収めていかねばと、バイクを停めて斜面に向き直してカメラを構えると・・・。
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ぬおおおお!もう1基いた!鋼製スリットダムが2基並んでいるこんな光景、初めて見たぞ!
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そんな興奮を抑えきれず、歩いて堰堤のすぐ目の前までやって来た。まずは向かって左手から。コンクリートはまだ真新しく、周囲の地面にも雑草なとはほぼ見られない。まだ竣工してからそれほど日は経っていないように見える。
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これは、形式的には何型になるんだろう?バットレスは以前見たHBBO+型と同様のものに見えるが、鋼管の組み方がそれとは異なるようだ。
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堤体に据え付けられた銘板によると、名称は「高山2号砂防堰堤」といい、令和4年3月、つい2年前に竣工したばかりのようだ。
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さて、それでは向かって右側のもう1基のほうも見てみよう。
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鋼管の構造も2号堰堤とほぼ同じに見える。名称は当然高山1号砂防堰堤で、竣工も令和4年3月、2号と全く同じだった。
いやあ、林道に着く前に良いものを見ることができた。これらは後日鋼製スリットダム図鑑のほうに記載しておきます。
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そんなこんなでようやく林道の入り口に到着。ここは林道灰立沢線の起点で、今日はここから田口十石峠線へアプローチする。
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灰立沢線の起点から1.5kmほど進み、左手に分岐する未舗装路に入れば、そこが林道田口十石峠線の第1工区だ。そういえばこちら側から北上して走っていくのは初めてだな。
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さっそく写真を撮ろうとBAJAを停めると、その先に鹿が立ち止まっていることに気づいた。
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はじめは向こうもこちらの様子をじっと窺っている感じだったが、写真を撮ろうとBAJAから下りて後ずさると、その隙に道を横断して走り去ってしまった。
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かなり深い切通しだが、その断面は両方ともコンクリートが吹き付けられている。ああ、そういえば田口十石峠線ってコンクリ吹付の斜面が多かった記憶があるな。
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道の脇に、伐り出された丸太が積まれた場所があった。しっかりと現役の林道として機能しているようだが、今日は作業してないといいな。
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そしてそのすぐ先で、進行方向の背後に向かって分岐する道がある。
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これは板石山山頂の採石場へと向かう道だ。以前は仮称として「余地大日向線」などと呼ばれ、その山頂まで行けた頃もあったが、だいぶ前にゲートが閉鎖されて一般車両は立ち入ることが出来なくなってしまったと聞いていた。まあ、いま考えればそもそも林道では無く採石場への専用道路だったようだから、こうなっても仕方は無かったよな・・・。
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そこから少し進むと、進行方向が2方向に分岐している。左手に下る道は採石場への専用道路で、右手の分岐が田口十石峠線だ。
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以前、ここを初めて通ったときは、ここも田口十石峠線だということを知らずに走っていたのだが、それとは別のときに、県道108号線沿いの入り口が工事で閉鎖されていたときに、そこに設置されていた看板に路線名が書かれていて、それでここも田口十石峠線だということを知ったんだよな。
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途中、向かいの山が見晴らせる場所があったのでついつい停車して撮影。
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ただ、この辺りの区間も、記憶ではもっと周囲の木々もまだ低くて、もっと視界は広かった気がする。7年も時間が経てばそりゃ木だって成長するけど、考えてみれば7年ぶりって言うと、前回来たのはまだ平成だったんだよな・・・。
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ふとその先で、路面に真新しい砂利が敷かれている場所に出た。
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その位置からほんの少し先で、前方に開けた場所に出た。んん?こんな場所あったっけ?
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そう思って、BAJAから下りて少し先に進んだところで振り返って理解した。ああ、ここは板石山山頂へ向かう道との分岐地点だ。写真左上に延びるのが山頂方面で、恐らくこちらもこの先でゲート閉鎖になっているだろう。そして、いま立っている路面が県道へ抜ける道だが・・・。
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(進行方向へ向き直って)この右手に進む道は、以前来たときは無かったはずだが・・・どこへ向かっているんだろう?とりあえずこのまま左手の道で一旦県道へ抜けてみよう。
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そう思って下り始めると、すぐに右手から下るコンクリート舗装の道と合流した。ああ、さっきの分岐はこれかあ。
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そう思って念のためその右手の道を上ってくると、やはりすぐにさっきの分岐地点に戻ってきた。要するに、採石場へ行き来するトラックが通りやすいように緩い線形で道を造り直し、舗装の準備もそのためということなんだろう。
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改めてその先を進むと、まだ新しさを感じる橋に出た。これも新しく付け替えられた橋だが、下を覗くと以前使われていたダート区間が見えていた。
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というわけで、すっかり第1工区の延長を測り忘れていたけど、3〜4km程度はダートを走っただろうか、県道108号線に抜けた。
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そこから西へほんの100m程進むと、田口十石峠線の第2工区の入り口がある。
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先ほどの第1工区と同じ田口十石峠線だけど、こうして続けて走ると、周囲の植生が第1工区とはやや異なっているように感じる。
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この木、折れた幹が絡み着く蔦で繋ぎ留められているんだろうけど、蔦に幹がへし折られているようにも見えてちょっと面白かった。
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ところどころでカラマツも生えているようで、ここも秋に来たらかなり綺麗な景色が見られるんだろうなあ。いままで秋にこのエリアに来たことは無かったけど、今年こそは走ってみたいなあ。
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うおお、なんて爽やかなんだ!例年ならすでに梅雨入りしていてもおかしくない時期だけど、夏を先取りしているようでとても爽快な気分だ。
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佐久穂町と佐久市の境界に標識が立つ地点の切通も、眩しい日差しを浴びててとも雰囲気が良い。
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少し前の週間予報では、この週末”だけ”天気が崩れると出ていたものの、直前に予報が好転したので今日こうして走りに来たんだけど、思いの外晴天に恵まれて、眩しい木漏れ日にテンションも爆上がりだ。
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その峠を越えて、しばらくガレた下りが続いてたけど、そこを抜けたと思ったら道の両脇から木々がせり出してやたらと圧迫感のある区間が。ここ、4輪はキツそうだな。
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その先で、ふいに道が左右に分かれる地点に出た。そ、そういえばこんな分岐あった気がするが、これ、田口十石峠線はどっちへ進むのが正解だ??
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うーん、以前来たときのことを全く思えていないが、左手の道ではない気がする・・・というわけで、右手の橋を渡るほうへ進んでみよう。 (結果として正解で、左手の道は林道赤谷線だ。)
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その先で再び分岐が現れた。この辺りの区間も以前走っているはずだけど、この分岐は全く覚えていない・・・これはどっちへ進むのが正解だ??とりあえず、右手に折れる道はちょっと怪しそうな感じがしたので、左に進んでみよう(正解)。
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ここでも高い岸壁にコンクリートを吹き付けた場所がある。先ほどの第1工区でも思ったが、こちら側の第2工区のほうが、コンクリ吹付の場所が多いんだよな確か。
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その先で、遠くを見晴らせる場所があったので思わず停車。
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あれは佐久市の市街地かな。この景色を眺めながらしばし小休止。
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で、さらに先を進んでいくんだけど、この時点でさっきの分岐が正しかったのか分かっておらず、果たしてこのまま進んで大丈夫なのか、やや疑いながら進んでいた。
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まあ、間違えたところで戻ればいいだけの話なんだけど、知らないまま本来向かいたい方向からあさっての方にだいぶ進んでから戻るのも面倒だしなあ・・・。
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うーん、こんなカーブは全く記憶にない・・・。ただ、以前来た時もこの区間までは入り込んでいなかっただけの可能性はあるけど・・・。
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ただ、このコンクリ吹付の法面は以前の田口十石峠線の印象通りだから、恐らく間違ってはいないと思うけど・・・。
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もし道があっていれば、路面や法面の感じからして、すでに貫通以前の県道93号線側の区間には入っているはず。あっていればね・・・。
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そのカーブを抜けると、空が広々と広がる場所に出た。この景色を見て、うん、もう間違っててもいいや、って思った(笑)。
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そりゃあ、前回来てから7年も立っていれば、周囲の雰囲気だって印象が変わっていても不思議ではないしな。合ってるのか間違ってるのかも、一旦ここを抜けるまで分からない以上、このまま進むしかないのだ!
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そんな道を下っていると、ふと道の脇の木々の下に、不自然に青い色彩が見えた。
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これは雨川砂防ダムのダム湖なのだが、こんなに青々とした水面が路面からすぐ近くで波打っている様子は、何度見ても少々ぞっとするな・・・。
そして、これが現れたということは、やはり田口十石峠線はこの道であっていたということだ!良かったー!
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そこから程なく、田口十石峠線の起点に到着!第2工区に入って約9.8km、貫通の報せを貰ってから7年を経て、ようやく通り抜けが叶いました(笑)!
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その起点の前にあったクマ出没注意の看板。いかついのぅ・・・。
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無事に田口十石峠線を通り抜けられたので、このまますぐ先にある次の林道へと向かおう。
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Aへ続く。
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