無題
2024/07/28 長野県川上村・川上牧丘林道〜三国峠(中津川林道)・他 - A
 
@はこちら。
 
 
 三国峠からまるっと1時間を経て、目的の入り口にやって来た。
 
 俺の過去の記録を見ると、ここを最後に走ったのは8年前になるようだ。
 実は少し前にXで、この先の村境の峠までストリートビュー撮影車が入っていると教えてもらっていて、Googleマップを見ると確かにそこまでの区間が、しっかりと撮影されていた。
 
 路線名から考えればこちら側が起点となるのだろうが、その起点から2kmほど進んでくると道が未舗装へと変わる。その地点には通行止めを示す看板が見えるが、ただその看板は路肩に寄せられ、少なくとも現状ではこの先の通行を制限しているようには見えない。
 
 ・・・言っておくけど、俺がどかしたわけじゃないからね。
 まあ、ストビューカーが入っているなら俺が入って駄目な道理もあるまい。ただし・・・
 
最初に言っておく!
俺はかーなーり、強い!
この先に出口はない!

 
 現状、ここから先を進めば、その分だけ同じ距離を戻ってこなければならなくなるのでそれは覚悟しておくように・・・。
 
 とりあえず今日は行けることまで行ってみよう。さっそくダート区間を進みだすと、路上には洗堀が延びている。ストビューカーが通ったときにこれがあったかどうかは分からないけど、それにしたってこんな未舗装路をよく進んでいくよなあ。まあ、未舗装路にストリートビューが入っているのは他でもたまに見かけるけど。
 
 序盤の区間は、周囲にシダ植物が多いことに気づく。全線に渡ってこうだった訳では無かったと思うが、さっきの川上牧丘とはガラッと雰囲気の違う、むせ返るような緑が広がっていた。
 
 そんな区間を抜け出すと、路肩のガードレールがひしゃげて壊れている場所があった。
 
 その場所の山側には、垂直、というかややオーバーハングにも見える巨大な崖がせり立っていた。あのガードレールを見てしまうと、この真下にボケッと突っ立っていることが恐ろしくなってくる・・・。
 
 で、その下を見ると、恐らく崖から落ちた落石によって破られたであろう、落石防止ネットの無残な姿が・・・。あのガードレールを壊したのも、このネットを破ったのと同じ落石なんだろう。恐ろしい・・・。
 
 って、そこから道の外を見ると、おおっ!ここは以前も目に留まった絶景ポイントではないか!以前見た時は、傾いた陽によって路上は影に覆われ、その外に広がる明るいが印象的だったが、この真夏の日差しの中で見るこの景色も実に美しい。山肌を渡っていく送電鉄塔もまた素晴らしいではないか!
 
 そしてその先を進むと・・・ああっ、ここは!?
 
 写真の中央部、木々の向こうに白いものが見えているのが分かるかなあ?これ、実は南相木ダムの堤体なのだ。以前来たときに、ここから遥か遠くにその南相木ダムの姿が見えていることに気づいて凄くテンションが上がったのだが、その時撮った写真が以下のものだ。
 
 

 

 
 前回見た時は、山々の中でひときわ違和感を感じる直線的な構造物の姿が、路上からもはっきりと見えていて、今回この景色を見ることもここへ来る楽しみのひとつだったのだが、8年の歳月を経て路肩の木々がすっかり成長してしまい、ここからの眺望は奪われてしまったようだ。こういう変化を見る度に、やはり林道は生き物なんだなあと実感するよ・・・。
 
 途中、いくつもの切通を通過する。こういうところは先日走った同じ長野の田口十石峠線を思いだすな。たまたまなのかも知れないけど。
 
 そして、南相木村との境の峠に到着。前述のとおりストリートビューはこの地点まで入っているが、まあ路面状況を見れば、普通乗用車でも通ってこれない道ではないのは確かだと思う。
 そして、この地点を過ぎても路上には特に通行制限の表示などは見られないので、引き続きこのまま先を進む。
 
 ここは平坦な路面が続いていたが、その上に、雨に流されて波のような跡になって溜まったカラマツの落ち葉が残っていた。
 
 これを見ると、長野の林道に来たなあ、って感じがする。別に長野特有のものでは無いと思うけど、この辺りは特にカラマツ林が多く広がっていることもあって、強く印象に残っているもののひとつだ。
 で、実はこの写真にあるものが写っているのだが、このときはそれに気づかずに通過してしまった(帰りにちゃんと気づいた)。
 
 お?なんだここ、やたらと広く整地してあるけど。
 
 あ、そういえば、だいぶ昔にここで飯にしたことあったなあ。あの時はこんなに綺麗に整地はされてなかったと思うけど。そしてここからの眺めももう少し良かった記憶があるけど、ここでも成長した木々が奥の景色を隠してしまっているようだ。
 
 ただ、この先で少しずつ路肩が開け、川上村の景色が見えるポイントが現れるようになってくる。
 
 高原野菜で有名な川上村の畑が、遠くからだと山間の平地にモザイク状に広がって見えるこの光景、好きなんだよな。久しぶりに見たけど、やはり良い景色だ。
 
 おっと、倒木だ。一瞬、ここまでかと思ったけど、よく見たら右端にバイクならギリギリ通過できる幅があったので無事通過。
 
 すごく・・・ボロボロです・・・。
 
 奥へと進むにつれ、次第に路面に映える雑草が多くなってきた気がする。さすがにここまで入ってくる車両も少ないであろうことを窺わせる。
 
 道の外の斜面が大規模に伐採されている場所があった。
 
 これは、以前来たときには見られなかった景色だ。さっきの南相木ダムのポイントのように、眺望が隠されてしまう変化もあるけど、このように伐採によって景色が開ける変化もある。こういう変化ならいつでも大歓迎なんだけどな。それにしても爽快な眺めだ。
 
 そんな変化も感じつつ、起点から約12.5kmで、道が分岐する地点に来た。
 
 右手に下る道は、この先で小学校の脇に出て県道に抜けられる道なのだが、だいぶ前にゲートが出来て、今現在通過できるかは分からない。まあ、あとでダメ元で行ってみるか・・・。
 
 そして、直進方向はと言えば、三国峠から下るときに否が応でも目に入るあのゲートに向かって進んでいくが、この地点にも特に通行を制限するものは無い。このまま行けるとこまで行ってみよう。
 
 ちなみに、左手にも斜面を登っていく作業道のような道が分岐していたけど、前からこんな道あったっけ?ここには「車両通行止」と描かれたウマが置いてあったけど、まあ入っていきたくなるような道ではなかったけどね・・・。
 
 ゲートへ向かう道を進みだしてわりとすぐに、路上に大き目な岩が転がっていた。これは4輪では厳しそうだな、軽トラならギリ行けるかも、という気はするけど。
 
 そういえば、川上牧丘よりも標高が低いせいか、むせ返るような緑の中で、次第にじわっと迫る暑さを感じるようになってきた。
 
 この辺りで、路面が新しめの砂利で補修された場所を数か所通過した。ここで見られた築堤状の路盤も、最近整備されたような印象だった。
 
 ここから谷を見上げると、何本もの倒木が折り重なるように詰まっていた。土石流のようなもので路盤が流されてしまい、この築堤もそれによる補修だったのかも?
 
 路肩が少し広くなっている場所に出たが、ああ・・・そうだ、ここも覚えてるぞ。
 
 初めてこの林道を走った日が秋だったのだが、ここから見る黄葉したカラマツの美しさが印象的で写真に撮っていた。そう、この林道の周囲もカラマツ林に覆われているため、秋の景色が素晴らしく美しいんだよなあ。やはり秋になったらまた来るか・・・。
 
 空が開ける場所では、空の様子を気にしつつ走る。この辺りは全然大丈夫そうだけど、埼玉のほうが、帰る頃にどうなっているかちょっと気にはなるな。まあ、林道さえ無事に走れればあとは雨の中帰ったって今日はもう構わないとは思ってるけど。
 
 ・・・っと、あぶねえー・・・。
 
 この濡れた落ち葉に付いた轍でタイヤを取られて、一瞬本気でコケることを覚悟したけど、ギリギリ無事に通過できた。ってか、こんなところまで来て4輪の轍が付いてるんだな。さっき路上に岩が落ちていたところで、軽トラなら通れるか?と思ったけど、あそこを通過してきたのだろうか?それとも関係者がゲート側から・・・?
 
 そういえば、あの分岐からだいぶ進んできた気がするけど、進めば進んだだけ、戻る距離が長くなるんだよな。川上牧丘よりはやや暑さを感じる中、これだけの距離を往復するのはしんどそうな気も・・・。
 
 ・・・あ、ここは覚えがあるぞ・・・!
 
 あの建物・・・あれが見えたってことは、ゲートはもうすぐか!?
 
 キターッ!起点から走ること約21.5km、とうとう万年閉鎖のゲートまで走り切ってしまった!どのみちここからは外に出ることはできないので、さっさと引き返そう。
 
 ってか、あの建物って普通に民家??家の前にセダン(!)が停めてあって、しかも家の窓も開いててバリバリ生活感を放っていてちょっと驚いてしまったんだけど、普通にここに住んでるってことか?もしかしてこのゲートが閉鎖されているのって、そのせいだったりするのだろうか?と、まあこれは憶測に過ぎないけど、そんなことを考えてしまうほどには、この場に似つかわしくないような違和感を感じてしまったんだけど、そんな人の気配があったもんだから、バイクの音で誰か来たことには感づいてるであろうことは想像に難くないので、住人(?)に何か言われる前にと速攻でこの写真を1枚だけ撮ってすぐに引き返してしまった。まあ、このゲートを突破したわけではないので文句を言われる筋合いも無いとは思うが・・・。
 
 さあ、少し急ぎ足で行こう。これからまだ大弛峠に戻らなければならないのだ。
 
 県道へと抜ける分岐まで戻ってきた。今現在、ここから抜けられるかどうかは分からないが、一縷の望みを持って進んでみよう。
 
 お、こんなところでも伐採が行われているぞ。
 
 ってか、ここってさっき上から見えていたとこか。道の脇には伐り出した木材が積まれていて、まさにいま伐採が行われている最中だったようだ。これならこの先のゲートも抜けられるのでは、などと淡い幻想を抱きつつ進んでいくと・・・。
 
 うっ、うおおおおっ!!
 
 鋼製スリットダム発見!!
 
 道の脇に立つ看板によれば、秋山沢2号砂防堰堤というそうだ。形式は先日、田口十石峠線に行く途中で見た高山砂防堰堤と同形式のCBBO型に見える。
 
 思わぬところで鋼製スリットダムを見つけられて一気にテンションが上がった!それに、2号堰堤ということは、近くに1号もあるのだろうか!?
 
 あったあああああああああああっ!!
 
 銘板によれば、やはりコイツが秋山沢1号砂防堰堤だ!スケール的には2号よりも格段にデカい!
 
 下流側から見るとこう!形式はB型っぽいけど、どうだろ?あとでちゃんと調べよう!
 
 この写真でスケール感が伝わるだろうか。幅広の河川敷をガードするように設置された姿がめちゃめちゃカッコイイぞ!いやあ、この道に入って鋼製スリットダムを2つも見つけられるなんて最高だな!
 
 ・・・で、うっかり写真を撮りそびれてしまったのだが、いま立っているこの位置のすぐ背後にゲートがある。ゲートには鎖が巻き付けられていて、これがどのような状態か確認すると、ダイヤル式の南京錠でガッチリと施錠されていた・・・。
 うおお、マジか!もしかしたら鎖は巻き付けてあるだけで、ほどいて通過できるかも、なんて淡い期待をもっていたんだけれど、そうは問屋が卸さないようだ。ということは、ここを引き返して、起点まで戻らなければならないということだ。ここが通過できれば大弛峠までだいぶショートカット出来たんだが・・・。まあ、そうと決まればここでグズグズしているわけにもいかない。さっさと引き返さねば!
 
 本線に戻り、起点に向けて走っていると、路上に落ちているものを見つけた。先ほど、写真には写っていたけど気づかずに通過してしまったと書いたもの・・・。
 
 それがこれ、鹿の角だ。長いこと林道を走っていると、動物の白骨を見かけることはよくあるんだけど、角を見つけたのは実はまだこれで2度目なのだ。嬉しくてしっかり拾って持ち帰ってきたよ(笑)。
 
 そこからまた一気に走って、起点まで戻ってきた。
 
 結局ここに入ってから、支線も合わせて往復で50kmも走ってしまった。いやあ、正直疲れたわ!まあ、鋼製スリットダムを見つけられたり、鹿の角を拾えたりと、いろいろとオマケもあってなかなか楽しかったけどね(笑)。
 
 ここから大弛峠を越えて山梨に戻り、そこから埼玉に帰らなきゃならないと思うと気が遠くなるな(笑)。中津川が通れさえすればすんなり帰れるのになあ。ま、気合い入れて行くべ!
 
 川上牧丘林道の入り口まで戻ってきた。峠方面の空は薄曇りになってきているようだが、雨は大丈夫そうだな。
 
 さあ、峠に向けて一気に上って行くぞ!ダート序盤のこの区間がまた良い感じに荒れてて、疲れた体に響くぜ(笑)!
 
 少し雲が増えてきたせいか、路上に落ちる光も心なしか柔らかくなっているようだ。こんな景色もきれいだよねえ。
 
 このカーブも好きなポイントなんだけど、ここから見える夏のカラマツの色が本当に好きなんだ。
 
 復路なので、写真は最低限にして一気に進もうと思いつつ、好きな場所ではやっぱりこうして停まってしまう。
 
 ってか、さすがに腹減ったわ!堰堤の前でちょっとアンパン休憩だ!
 
 やっぱり、このカラマツ林の秋の景色も見たいな。今年は秋になったらもう一度来よう。
 
 路面が荒れ始めてくると、峠に近づいてきたのが分かる。あと少し、気を抜かずに行くぞ。
 
 峠直下のガレ区間まで来た。下りのときも思ったけど、マジで過去一なんじゃないかってくらい荒れてた気がしたんだけど、いつもこんな感じだったっけ??
さっきのダート50km往復の疲れに加えてこのガレ区間も相まって、ここを通過する間やたらとハイになって妙に楽しかった(笑)。
 
  で、その荒れ具合を伝えたくて写真に撮るんだけど、やっぱりどうしてもあの感じが伝わらないんだよなあ。そう思ってトリミングしてみたんだけど、これなら少しは伝わる・・・?
 
 さあ、やっと大弛峠に戻って来たぞ!この先もまだまだ長いんだけど(笑)。
 朝は路駐の列がものすごかった峠も、この時間になるとさすがに駐車している車も減っていた。
 
 柳平ゲートまで戻ってきた。いやあ、疲れたけどなんだかんだ楽しかったな!
 この後は雁坂トンネルを通って埼玉へと戻る。今日は結構いい時間になりそうなので、中津川林道の起点側は寄らずに行くけど、その先で一か所立ち寄りたい場所があるのだ。
 
 それがここだ。この建物を見てピンと来る人がいるかは分からないが、ここは、現在放送中の『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』というTVドラマに登場する矢島模型店の舞台となった場所なのだ。3rdシーズンとなる今回の撮影地が吾野ということを知って、ずっと見に来たいと思ってたんだけど、ちょうど今日の帰りに立ち寄れるなと思ってやって来た。撮影はとっくに終わっているけど(笑)、見れて良かった。
 
 矢島模型店、ギブバース!(だからもう終わってんだって!)