夏ならここにあるんだぜ!
2011/08/11 埼玉〜長野林道ツーリング・1日目 - A 林道茂来線〜林道信濃沢線・他
 
@はこちら。
 
 三国峠を越えて、いつもなら川上牧丘林道へ行くところだが、今日は県道68号線〜国道141号と走り継いで一気に小海町まで入る。そのまま県道480号線へと入り、やってきたのは松原湖高原キャンプ場。
 
 
 しかしここ、辺りはファミリーキャンパーばかり。まあお盆休み真っ盛りに来たってのもあるんだが、あまり周りに人が多いのは嫌なので、なるべく人の少ないところを選び、一番遠いサイトに陣取ったが、現在時刻はまだ昼前。この後、周りに家族連れでも来ないかどうか、ちょっと不安だ・・・。
 
 
 (↑画像をクリックすると拡大します。)
 とにかく、さっさとテントを張って荷物を軽くし、次の林道へと向かう。キャンプ場のすぐ近くには、こんな見晴らしのいい場所もあり、この先の期待も高まるってもんだ。さあ、行ったるぜえ!
 
 
 一旦国道141号へ戻り、そこから北上して今度は県道124へと入る。この県道から、次へ向かう林道が分岐するのだが、ツーリングマップルの縮尺だと、道が細かくてちょっと分かり辛い。とりあえず目星を付けた道へと入って行くが・・・。
 
 
 ・・・間違えた。いきなり道の先が駐車場の様に広くなった先で、お堂のような建物が立つ場所で行き止まりとなった。
 
 
 この先は登山道となっているようで、その為の駐車場でもあるようだが・・・実のところ、ここには1台の車も停まってはいなかった。色褪せた看板が寂しさを際立たせているぜ・・・。
 
 
 その道を引き返し、それらしい分岐を探しながら進んでいく。今度こそそれっぽい道に目星を付け、少し進んだ先に、左手に更に分岐する道があるが、その分岐点に、錆だらけの林道標識が立っている。
 
 
 やっと見つけた!林道茂来線です。しかし、すげー年季の入った標識だな。後ろにもう一枚林道名を示す標識があるが、手前のがズリ落ちてきてしまったのか、隠れて見えてないし(笑)。
 ここから少しの区間は舗装路が続いているようだが、まだ見ぬダートを目指して進んで行こう。
 
 
 その舗装路を進んでいると、ふと右手に立つ林道標識が目に入った。
 
 
 林道横屋沢線・・・見たところ、入口から未舗装のようだが、どこまで続いているんだろう。とりあえず時間には余裕もあるし、ちょっと入ってみるか。
 
 
 しかし、入ってすぐに路面は藪で覆われ、いきなり廃道のような雰囲気に。
 
 
 その先で藪が途切れたと思ったら、今度は路面に深い流水痕が抉れる区間が始まった。しかも、溝の無いところは浮き砂利が路面を覆い尽くし、走り辛いったらありゃしない。
 
 
 その後1km程進んでみたのだが、道はどんどん茂来線から遠ざかっていくばかり。何処まで続いているのかも分からないし、大して楽しい道でも無かったので、適当なところで引き返すことにした。
 
 
 茂来線へと戻り、入口からの舗装路を2km程進んだ地点で、ようやくダートが始まった。
 
 
 さーて、この先はどんな道が待っているのだろうか。この時点では結構ワクワクしてます。
 
 
 周囲を見回すと、山肌はほぼ針葉樹で覆い尽くされている。この辺りの林も、やはり植林された落葉松なのだろうか。紅葉の季節に訪れたら、さぞ見事な景色になるのだろうな。

 ・・・なんて感想を抱きつつも、この後はしばらく変化に乏しい景色が続いていく。それだけならまだいいが、やがて路面は、さっきの横屋沢線でも見たような深い流水痕と浮き砂利に覆われた状態になってきた。溝を避けながら走ることに気を遣いすぎて、この後しばらくはシャッターを押すことなく走り続けてしまう。
 
 
 
 しばらく恐々と進んでくると、道が左右に分岐する地点に出た。分岐点には特に道案内の類も立っていない・・・うっそ、これどっちに行けばいいの?
 慌ててツーリングマップルを開くと、地図上には、確かに双方ダートで分岐する地点が書かれてはいる。ただ、ここがその地点なのかはわからないが・・・。とりあえず地図によれば、右方面は行き止まりのようだ。どうせ行き止まりなら、行き止まるまで進んでみようと思い、下りとなる右手の分岐を進んでみるが、少し進んだだけで、ここもかなりエグい感じに流水痕で荒れた路面となってきたので早々に引き返し、本線と思わしき左手の道を進んでみる。
 
 
 すると、先程の右手の分岐と違い、だいぶ穏やかな路面が出迎えてくれた。なーんだ、やっぱりこっちが本線か。ちゃんとマップルは合ってたんだな。
 
 
 ところで、この茂来線に入ってからというもの、所々で路面に松の枯葉が波状に積もっているところがある。先日の豪雨が、落ち葉を押し流しながら路面全体を覆う様に流れていったのだろうか。
 
 なんてことを考えながら走ってきたら・・・。
 
 
 うお、道が無ぇ!行き止まりじゃねぇか!

 なーんだ、やっぱりこっちは本線じゃねぇのか、ははは。

じゃあさっきの分岐は一体どこだったんだよ!ぐうおおおおー。
 
 
 仕方ないので分岐点まで引き返し、さっき行き止まりだと思っていた荒れた道を下っていく。この林道は、抜けていることは間違いないはずなので、ここを進んでいけば大丈夫なんだろうとは思うが・・・。
 
 
 溝の抉れた道をチンタラと、どれくらい進んできたんだろう。だいぶ道の傾斜が穏やかになってきた。この先で一旦路面は舗装になるらしいが、そこに近付いてきたのかな。
 
 
 そこからすぐに舗装路となり、ぽつぽつと民家の立つ区間を越えていくと、右手にダートの入口が口を開けている。地図上の線形を見ても、たぶんここが茂来線の続きのようには見えるが。

 ・・・ホントにこっちでいいんだろうなぁ?あー、GPSが欲しいぜ。
 
 
 まあ、きっとこっちで合ってんだろうと思って進んでいくが、路面は今まで以上に深い砂利で覆われている。なんなんだこれ?この砂利は、荒れた路面を埋め戻すためにでも撒いているのか?なんというか、ジャリジャリを飛び越えてもうフカフカと行ってもいいような感触だ。これはこれでコントロールが取り辛いんだけど・・・。あーもう、ホント疲れた。
 
 
 えっ・・・畑?
 なんだよこれ、行き止まりかよ!

 さっきまで砂利に覆われた路面が続いていたのに、突然道の先が泥で覆われ、前方に見える畑に向かってドロドロの轍が吸い込まれるように延びている。茂来線の続きはここではなかったのか、と思ったが、BAJAを降りてカーブの先を覗いてみると、ちゃんと先に道は続いているようだ。どうやらこの区間だけ、道の両脇に作られた畑から土が流出して路面を覆ってしまったのだろう。
 
 
 ・・・うん、この道で合ってるんだよな、たぶん・・・。
 
 なんて、ほんのちょっと不安な気持ちを抱きながら走っていると。
 
 
 おおっ!
 
 
 出た!林道信濃沢線です!よかった、やっぱりこっちで合ってたんだ!
 
 
 (上の画像にカーソルを重ねてください。)
 手前を横切るのが、今走ってきた茂来線、その上で左右に分岐しているのが信濃沢線となる。
 この信濃沢線、この起点からどちらに走って行っても、その先でくるっと一周して結局この地点に戻ってくるという、何とも珍しいループ林道なのだそうだ。
 
 
 以前からこのループ林道のことは気にはなっていたものの、なんとなく来る機会がないまま今に至っていたが、ようやく訪れた信濃沢線、そのループ具合を早速の目で確かめて来るとしよう!
 さて、この信濃沢線の途中に、是非見ておきたいものがあるので、まずはその「もの」に近い右手の分岐へと入って行くことにする。
 
 
 分岐直後のカーブを越えると、道はほぼストレートに近いなだらかな傾斜を上って行く。路面の状態も、先程までの茂来線とまるで違う、しっかりと締まった走りやすいフラットダートとなる。溝や砂利など、気を使う箇所が全く無いので、さっきまで凝り固まっていた身体の緊張がすうっと解れていくようだ。周囲も高い木立に囲まれているが圧迫感などはなく、むしろ森に優しく包みこまれているような雰囲気が何とも心地良い。
 
 「ほー いいじゃないか こういうのでいいんだよ こういうので」(笑)。
 
 
 こんな穏やかな環境のおかげか、この信濃沢線の線形も、心なしかハートマークに見えてくるよ、うふふ(笑)。
 
 
 そういえばこの途中に、道を横切る棒のような物があったような気がするが、よく覚えていない・・・。

 しばらく進むと周囲の植生に白樺が加わり、高原らしい雰囲気に包まれる。木々の隙間からこぼれる陽射しが路面を照らし、夏の林道を走る喜びをかみしめながら走って行く。
 
 
 初めて走るけど、好きだなぁこの林道。もっと近場にもこんなとこがあればいいのに(笑)。
 
 
 やがて道が左手に大きく向きを変えだした。そろそろ折り返し地点のようだが、急に路面が下草に覆われだした。
 
 
 ただ、そんな廃道チックな区間も長くなく、再び穏やかな路面へと戻って行く。
 
 
 道は、起点へと向けて緩やかに下って行く。ここを下りきったら信濃沢線も終わりだと思うと、なんだか名残惜しいな。
 
 っと、そういえば、「見ておきたいものがある」なんて言っておきながら、ここまで気付かずに来てしまったな。うっかり見落としていたようだ。起点まで戻り、もう一度その「もの」を探しに、東側の区間を上って行く。
 さっき気付かなかったという事は、あまり目立っていないのかもしれないと思い、道沿いを注意して見ながら進んでいくと・・・。
 
 
 お、おお!見つけたあーっ!
 
 
 林道施業システム線である!
 こんな変わった名前の林道、いままで見たこと無いよ!今日、信濃沢線に来たのは、そのループ林道としての線形を確認したかったというのももちろんなのだが、そんな珍しいループ林道から分岐する、こんな珍しい名前の林道を見てみたかったのも理由の一つなのだ。
 
 
 この珍しい「施業システム線」という名前だが、起点近くに立っていた看板によると、この一帯が「高能率森林施業システム開発普及推進事業実施林」(長ぇよ)となっているようで、そこを通っていることに由来しているようだ。
 
 
 これが施業システム線起点の風景。路面は下草に覆われ、ぱっと見では道があることに気付きにくくなっているうえ、信濃沢線本線から少し奥まったところに小さめな起点標識が立っている。ここを通過した時に、もしかしたら標識自体は目に入っていたのかもしれないが、ここまで来る途中に幾つか立っている、同じ菱形の「保安林」の標識と思いこんでスルーしてしまったのかもしれない。
 
 
 起点標識を堪能し、道の奥へと進んでいくが、道はずっと雑草に覆われたまま。
 
 
 ここは管理者ですらめったに通ることのない道なのだろうか。どこまで進んでもこんな状態が続いている。そんなに進むことなく行き止まりになるのではと思っていたが、道はひたすら西側へと向かって延びていて、何処まで続いているのかも分からない。
 
 
 多分、このまま進んでもじきに終点に行き着くとは思うが、ここは起点標識を見たことで結構満足していたので、適当なところで引き返すことに。
 この後再び茂来線へと戻り、次の目的地へと向かう。地図によれば、ここから北西のエリアにも茂来線のダート区間があるようなのだが、正直もう茂来線はここまでの区間でおなかいっぱいですよ・・・。
 
 
 ダート区間から舗装路へ抜けたところでちょっと休憩。あそこに見えている鉄塔は安曇幹線ってやつか。
 

 茂来線を抜けたあと、キャンプ場のある県道480号線まで戻って、次の林道を目指す。
 
 
 R299と接続する少し手前の地点まで走り、やってきたのは林道白石線。ここは6年前に一度走っているが、その時は高原らしい雰囲気の漂う走りやすい道だった記憶がある。
 
 
 さっきの茂来線で結構身体が緊張してしまっていたので、この白石線で少しのんびりして行こう。
 
 
 起点から少し進むと、今日はたまたま休工中のようだが、ちょうどこの林道内で木材の伐採が行われている最中のようで、路面には木材の切り屑が散乱していた。
 
 
 そして、その区間を越えると路面の様子が怪しくなってきた。ここでも路面に流水痕が・・・。この辺りは道の片側だけが抉れているのでまだ停まって写真を撮る余裕もあるが、路面を跨ぐように溝が蛇行しているところでは、溝に落ちないようにラインに気を付けて走っていく。しかし、溝以外の道の表面は浮き砂利に覆われ、進みたいラインをトレースするのにも一苦労。ここって、こんな道だったっけ・・・?
 
 
 やがて、そんな区間を越えると、突然今までの荒れた路面が嘘のような穏やかな区間に出た。そうそう、白樺に囲まれた高原らしい道、ここは良く覚えているぞ!
 
 だが、そんな素敵な区間はあっという間に途切れ、再び流水痕が乱舞する区間となるのであった・・・。
 
 
 地図によると2kmちょっとだと思うが、路面が舗装となり、牧場の脇を通る地点に辿り着いた。そして、ここに林道標識が立っている。
 
 
 「林道  線」の表記は色褪せて消えてしまい、「白石」の文字だけが浮き立っている。ちなみにこの林道、ツーリングマップルには「日石林道」と紹介されているのだが、以前ここに来た時に使っていた2003年版から、今使っている最新の2011年版に至るまでずっとそのまんま(笑)。
 
 
 道の脇にある牧場は、谷状になった山を拓き、その上で牛がのんびりと草を食んでいる。
 
 
 BAJAを停めてカメラを向けると、近くにいた牛君たちが揃ってこちらへと顔を向ける。何か変なのが来たな、とでも思っているのだろうか。
 
 
 牧場を後にして白石線を県道へと引き返す。この高原らしい雰囲気の区間が白石線の印象として残っていたのに、実際はこんな僅かな区間だけだったとは・・・。
 
 
 今度はここを上って行かなきゃならんのか。しんどい・・・。
 
 
 あーあ、やっちゃったよ。別にこのまま進めばそのうち脱出できるからいいんだけど、もう溝に気を遣いすぎて心身共に疲れちゃって、コントロールもだいぶ雑になってきた・・・。
 
 
 ようやくダート区間を脱出。ここから県道を東側へ少し行った地点に、もう一本林道があるので、今日の締めに行ってみよう。
 
 
 こちらは県道との分岐地点に林道標識が立っているので分かりやすい。
 
 
 林道八ヶ岳線です。ここは以前来た時に、路面に大きめの石がゴロゴロしていて走り辛かった印象があるのだが、走りやすいと記憶していた白石線があんな変貌を遂げているとすると、こっちも以前よりも路面状態が悪化しているであろうことは予想がつくが・・・。
 
 
 早速進入してみるが、案の定路面はほぼ溝と砂利が占めているが、それだけに留まらず、両脇からせり出した木々が路上に覆いかぶさるように伸びている・・・。
 
 
 こんな走り辛い道を1kmちょっと進んできたが、どのみちここは引き返さなければならないので、少し路肩が広がったところを見つけてBAJAを切り返し、県道へ戻ることにした。うあー、ホント疲れたよ・・・。
 
 
 辺りはまだ明るいけど、今日はこれでテントに戻ろう。キャンプサイトのすぐ近くには温泉もあるので、湯船に浸かってゆっくりと身体を解すとするか。
 
 
 で、風呂上りに食堂の誘惑に負けてしまった・・・。せっかく長野に来たことだし、ってことでソバを注文です。あ〜、美味ぇ〜。
 
 
 でも、当然ソバだけで晩飯が足りる訳もないので、国道沿いで見つけていたスーパーまで食料の買い出しに。
 
 
 案の定、テントに戻る頃には小腹が空いてしまったので、買ってきたウインナーを茹でて一人モリモリと食す。う、美味い(笑)。
 
 それにしても、久々の長野の林道が軒並みあんな状態になっているとは。心身共にかなりくたびれてしまったが、その分今夜はぐっすり眠れそうだ。明日のルートを確認し、早めに眠るとしよう。それじゃオヤスミナサイ。
 
 
 
 
 
 ・・・隣の家族連れのテントから、小学生くらいの男の子の「ヒマだな〜、ヒマラヤ〜」というダジャレが延々と聞こえてくるもんだから、ちっとも寝付けんわ(笑)。
 
2日目に続く。