冬になる前に・・・
2011/10/09 長野県の林道‐A 林道湯沢線〜毛無峠 
 
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 湯の丸高峰林道〜林道御林線〜林道東豊線と走り継ぎ、その後どこを走ろうかと、実はまだはっきりと決めていなかった。出発前には、ここから少し戻ったところに、菅の沢林道という10km程のダートがあるらしいので、そこを走ろうかとも思っていたのだが、逆にもう少し北上すれば、林道湯沢線と、更に毛無峠へと行くこともできる。両方行ってしまうと自分のペースでは時間的に厳しくなりそうな気もするので、どちらかを選ぼうと思うが、未踏の林道を取るか、それとも明らかに景色の良さそうな湯沢線方面を取るか・・・。
 
 
 で、迷った結果、林道湯沢線にやってきた。今日は天気もいいし、やはりここまで来たら、この先の毛無峠にも行ってみたくもなるワケで。
 湯沢線を走るのは、前回訪れてから実に3年ぶりとなる。前回は人の案内に任せっきりだったので、今回入口を探すのに少々手間取ったが、やがて路面がダートへと切り替わった。おお、確かにこの場所は覚えているぞ。
 
 
 ダートになってから少し進んだ地点で起点標識が立っている。あ、ここが湯沢線の正式な起点なのか。
 
 
 起点標識を越えると、僅かな区間で舗装路となるが、そこを過ぎると砂利の多い路面へと変わる。ああそうだ、湯沢線ってこんな路面だったっけ。

 
 
 おお、ここは前回も写真を取った場所だ、よく覚えているぞ。あの時は夏真っ盛りだったけど、今は辺りの木々も色付き始め、西日に照らされ霞んだ空気とも相まって、既に初秋の空気を漂わせている。
 
 
 閻魔橋までやってきた。そういえば去年毛無峠に来た時は、この閻魔橋の補修工事が行われていたために湯沢線を走ることが出来なかったんだよな。
 
 
 橋に入ると、何か以前と様子が違う・・・。そういえば、以前は真っ赤だった橋の欄干が茶色に塗りなおされている。こっちのほうが景観的には自然に馴染む色なのかもしれないが、前の赤も、あれはあれで良かったと思うんだけどな。
 
 
 湯沢線は全般的に砂利の深い路面が多いので、ズルリンコと行かないように気を付けながら先へと進んでいく。
 
 
 やがて、周囲の木々が開け、開放感のある景色が目に飛び込んでくるようになる。この景色が見たくて、結局湯沢線を選んだ訳なんだけど、やはり来て良かったと思わせるに足る景色だ。
 
 
 今日は未踏の湯の丸高峰林道を走るという目的を第一として出発してきたので、紅葉のことはすっかり頭に無かったのだが、周囲の木々は既に色付き始め、季節は確実に秋へと変わり始めている。
 
 
 ああ、この空の青さ、もう何も言う事無し!
 
 
 徐々に高度を上げるにつれ、前方に見える山肌も秋色の深みを増してくる。紅葉のピークの頃は、さぞ絶景となるんだろうなあ。
 
 
 ・・・さっきからやたらと停車しては撮影を繰り返してるせいで、ちっとも先へと進まない(笑)。
 
 
 それにしても、さっきから空に浮かぶ雲が増えてきているのが気にはなっているのだが、毛無峠の方向も、ずいぶんと雲が多くなってきたような気が。
 
 
 ようやく終点に到着。ここまで来れば毛無峠まではあとほんの少しだ。
 
 
 おお・・・。
 
 
 毛無峠に到着。峠の上空は、やはりだいぶ雲に覆われてきてしまっている。もう少し早く着いていればもっと天気も良かったのだろうか。うーん、惜しい。
 
 
 それはともかく、鉄塔でも眺めるかと思い斜面を上って行く。ふと鉱山跡のほうを見ると、県境先のダートを乗用車が走っているのが見えた。・・・ってことは、今日はチェーンゲートが開いてるってことか!
 
 
 という訳で、意味もなく慌ててBAJAに跨りダートへと下ってきた。ここから先へバイクで下って行けることは期待していなかったのでちょっと嬉しい。
 
 
 いま下ってきた方向を振り返ると、雲の隙間から射す光が山肌を照らしている。曇り気味になってしまって惜しい、とは思ったが、実はこの部分的に山肌に陽が射した景色というのは、これはこれで好きなんだよなぁ。
 
 
 鉱山跡の方角を眺めながらゆっくりと下って行く。この辺りで1台の乗用車とすれ違ったのだが、この辺りの幅員がほぼその車1台分しかないので、左側の笹藪の中にBAJAを突っ込んでやり過ごしたが、もしこんな場所で車同士ですれ違うなんてことになったらどうするんだろう?
 
 
 それにしても、ここは何度見ても雄大な景色だ。
 
 
 もうすぐ行き止まりとなるが、この周囲だけ何故か硫黄の匂いが漂っている。
 
 
 道の最奥までやってきた。今立っている場所は雲に隠れて暗くなっているが、後方の山頂は明るく陽に照らされている。なかなか素敵なコントラストだ。
 
 
 さて、せっかくここまで下ってきたから、鉱山跡地を眺めていくとするか。この先もバイクで行こうと思えば行けるのだが、今日はソロだしヘタこいて上れなくなっても困るので、BAJA君、ちょっとそこで待っててね。
 
 
 この崖から先は、とても荒涼とした景色が続いている。所々に遺された人工物だけが、人の営みが存在した過去を伝えているが、かつてはここに2000人を越える集落があった事実を知った今でも、この光景を前にすると、そのことを実感するのは少々難しい。
 
 
 そして、ここまで来たら地蔵堂にお参りしていくのも忘れずに。去年は峠からここまで歩いて往復したっけなあ。
 
 
 鉱山跡地に別れを告げて、再び峠へと向かって上って行く。
 
 
 おお・・・薄曇りの空から射す光に照らされて輝く破風岳、なんと美しい・・・。
 
 
 峠へと戻り、BAJAを停めて鉄塔まで上って行こうと準備をしていると、ビッグオフに乗ったライダーがやってきて、BAJAの脇に停まった。昨日仙台からやってきたというその方と少し話をしたのだが、この峠を見て、「何〜にも無いところですねえ・・・。」と言っていたのが印象的だった。
 

 さあ、後はいつものように鉄塔たちを眺めてから峠を引き返すとしよう。
 
 
 さよなら毛無峠、また来る日まで。

 この後、埼玉まで下道で帰ろうと思い、志賀草津道路へと出たのだが、観光客のマイカーで路上が駐車場かと思うくらいの大渋滞となってしまっていた。ここでチンタラ進むくらいならと、一旦西へ向かいR406方面へ逃げたのだが、これがまぁーどえらい遠回りに。途中で高速に乗ったにも関わらず、結局帰宅まで4時間以上掛かってしまった。久々に日帰りで500km以上走ったこともあって、あー今日は本っ当に疲れた・・・。もちろん、それも含めて楽しかったけどね(笑)。