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国道と並走する県道に入り、次に向かう林道小塩・塩ノ岐線(ツーリングマップル関東甲信越P89・D−3)を探す・・・が、少々入口を探すのに手間取ってしまい、県道沿いを行ったり来たりしてしまった後、ようやくそれらしい分岐を見つけた。恐らくここでいいと思うんだけど・・・。
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おお、やっと見つけた・・・。
って、えええ!?つっ、通行止めかよ!
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実はこの林道、現在土砂崩れで通り抜けが出来ないという情報は事前に知ってはいた。それなら行けるところまでは行って引き返してもいいだろうと思ってやって来たのだが、まさか起点からチェーンゲートで閉鎖されてしまっているとは・・・。しかし、その理由は災害復旧工事とのことだし、工期を見る限り、きっと来年にはまた通り抜けが出来るようになってくれることだろう。仕方ない、この林道はおとなしく諦めて、次の林道へ向かうとしよう。ここからはマップルを縦にほぼ1ページ分の距離を一気に北上していく。
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国道へと引き返し、次の林道へ向けて進み始めると、前を走るバスに追い付いたのだが、見ると車体には「Super Market」と書いてあり、屋根には拡声器も付いている。どうやら移動販売車のようだ。きっと地域の人たちに頼りにされているんだろうなあ。あの拡声器でこのバスが来たことをアナウンスして、地域の人たちがこのバスに集まってくるところを想像したら、何だかほっこりとした気持ちになり、思わず写真を撮ってしまった。
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おお、スノーシェッドだ!側面に並ぶ、屋根を支える無数の柱が、まるで巨大生物のあばら骨のようで何かカッコイイ。南会津地方も豪雪地帯とあって、今回のツーリングではいくつものスノーシェッドを通過した。
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R289〜県352〜R252と走り継いで金山町へとやってきた。画像はJR只見線のトンネル。木々の間に口を開けるトンネルと、そこからダイレクトに延びるガーダー橋がカッコよくて思わず停車。
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しかも、そのすぐ先にはスノーシェッドが控えているという豪華仕様(?)。一度車窓からのこの景色を眺めてみたいな。
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小塩・塩ノ岐線を後にしてからきっかり1時間を走り続け、ようやく次の目的地、林道本名室谷線(ツーリングマップル関東甲信越P96・C−2)に到着。
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この本名室谷線、本名ダム(リンク先:「ダムマニア」様)の天端を通る国道252号から分岐している。そしてこの本名ダムには、本名発電所が建設されている。
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(2016/3/10 追記)
天端を通る国道の様子を、現地でちゃんと写真に収めることが出来なかったので、Googleストリートビューへのリンクを追加した。これで本名ダムの上を通る国道と、そこから分岐する本名室谷線の様子がよく分かると思う(ビューを右方向へ移動させると本名室谷線の起点が見えてくる)。
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その本名ダムの姿がこちら。おお、武骨な堤体がかっこいいぞ!
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しかも、その下流には何やら怪しい橋脚跡も。うふふ〜、いいじゃないですかぁ〜。テンション上がりますね(笑)。
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さて、この本名室谷線、当然俺にとって初走行となる。例によって初見の感動を大事にしたいので、詳しい情報は仕入れずにここまで来てしまったが、起点脇に建つ林道概略図を見ると、何やら「通行止箇所」との文字が。本来この林道は、県境の峠を越えて福島から新潟へと抜けることが出来るのだが、この起点から県境まででも18.2kmあるというこの道、果たしてどこまで進むことが出来るだろうか?ツーリングマップルによれば、「県境の絶景峠 奥会津側の眺望抜群!」とのことなので、何とか峠までは行ってみたいが。
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だいぶ陽も傾き、普段ならそろそろ山から引き返すような時刻だが、今日は帰る必要が無いのでまだまだ行けるぜ(笑)。とはいえ、恐らくこの本名室谷線が本日最後の林道となりそうだ。
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道はダムを越えてしばらくはダム湖に沿って延びていく。路面は概ねフラットで実に走りやすい。
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やがて道は只見川を離れ高度を上げていく。西日に照らされて霞む山々が物凄く綺麗だ・・・。
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路上には、傾いた陽が木々のシルエットを落とし鮮やかなストライプを描き出す。これも林道で見る好きな景色のうちのひとつだ。
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本来の日没の時間にはまだまだ早いが、この辺りではそろそろ山の稜線に陽が沈んでいく頃合いのようだ。
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しばらく進むと、道が二股に分かれる地点に着いた。右手は上り、左手は下りとなっているが、これはどっちへ行けばいいんだろう?
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ふむ、どうやら俺が進む先は左手のようだ。「新潟県へ」の文字が心躍らせるぜ。しかも、「幻の滝群」って何だ?ちょっと立ち寄れるようなら行ってみようかな。
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眩しい西日に向かって更に高度を上げていく。こんな景色の中、今日は帰りの心配をしなくていいのは本当に嬉しい(笑)。
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うーん、この時間帯の山の景色っていうのも、本当に綺麗だなあ。日帰りの林道ツーリングだと、なかなかこんな時間まで山の中にいることも無いからな。今日は目いっぱい夕暮れの林道を堪能するぜ。
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しばらく走ると道が舗装路となった。ツーリングマップルには「福島県側のダートは2区間13.5km」と書かれていたのが確かに気にはなっていたのだが、なるほど、ここで一旦ダートが分断されるということだったんだな。
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県境までの延長からマップルの情報を差し引くと、恐らく4kmちょっとはあるであろう舗装区間を進んでいくと、突然右手に視界が広がった。
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お・・・おお、何と美しい・・・。遥か遠くまで連なる山の稜線が、夕暮れの空気に霞みながらもはっきりとその姿を描き出している。これは、峠近くまで上って行けば更に素晴らしい景色を見ることができるのではないだろうか?
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更に進むと道は再びダートへ変わる。道の外側では、向かいの山が姿を現した。
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ほのかに暖色を含む陽の光に照らされた山肌と、尾根に隠れた影のコントラストがあまりにも美しい。夕暮れの林道、ちょっと癖になってしまいそうだ。
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ふと道の脇に、先ほどの分岐で見かけた「幻の滝群」を示す道標を見つけた。
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・・・えっ、ここ?た、確かに微かな踏み跡らしきものは見えるけどさ・・・。簡単に立ち寄れるなら行ってみようかとも思っていたけど、簡単どころか、遭難してもおかしくないレベルだろこれは・・・。
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そんなわけで、幻の滝はスルーして峠を目指す。昔は夕暮れの林道を走ると、沈みゆく陽に照らされた道を物淋しく感じることもあったが、今は無性にワクワクして仕方がない。
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ふと前方に視界の開ける地点に出た。なかなかダイナミックな景色だな。って、ここまで周囲が開けてるってことはもしや・・・そう思い、視線を谷側へと移すと・・・。
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おお・・・言葉を失う程の素晴らしい眺望だ。先ほどの舗装区間から見た眺めも素晴らしかったが、そこから更に標高を上げているため、手前の山の稜線も奥の景色を遮ることなく視界は格段に広い。絶景林道との触れ込みだったのでそれなりに期待はしていたが、まさかここまでとは。この写真で一体何処まで伝わるかは分からないが、この景色の開放感は格別だ。
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あまりの絶景にすっかり感動してしまったが、峠まではまだ少し先がある。このまま進んで行けるとこまで行ってみよう。
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先ほどの絶景地点から1km程も上がってきただろうか。脇に立つ保安林の看板によれば、どうやらここが福島と新潟の県境のようだ。
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そして県境の地点には、福島県側の金山町による通行止めのバリケードが置かれている。
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BAJAを峠に停めたまま、少し歩いて進んでみるが、先ほどまでの快適なコンディションの道と地続きとは思えない程、突然廃道臭タップリの道に変貌を遂げている・・・。
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うーん、頑張れば行けないことも無くは無いと思うが、他に最近車両の通行したような痕跡も見なられないし、この先がどうなっているのか分からない以上、途中で道が通行不能になって引き返しすことになるかもしれないしな。本当はここを越えて、ナノレカワ初となる新潟県の林道へ踏み込むことも期待していたんだが、それはまた次の楽しみにとっておくとしよう。
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さあ、それじゃ今日はこれくらいにして、今夜の幕営地に向かうとするか。
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峠から少し引き返し、先ほどの絶景地点まで下ってきた。今日はこの路肩で一晩を明かす。キャンプ場ではなく林道での野営って、一度やってみたかったんだよねぇ。しかもここは、峠から先は通行止めだし、福島側からだってこの時間以降にここまで上がってくるやつなんてまずいないだろう。今日は夜が明けるまで完全に一人きりだぜ!しかもこの絶景!キャンプにはもう最高の条件が揃いましたですよ!
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テントを設営してひと段落し、暮れゆく空をただ眺める。薄闇に浮かぶ月が綺麗だ・・・。
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ときおりそよぐ風の音だけを聞き、宵の闇に溶けゆく稜線を眺めながら晩飯の支度を始める。向かいの山肌で僅かに一つの小さな灯りが見えるが、あれもきっと野営の人のものなのかな。
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今日の晩飯はコレ。キムチ雑炊・ウインナー入り。すっごく温まるし、外で食う飯ってホント旨いよなあ。
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それにしても本当に静かだ・・・。林道の途中で良い場所が見つけられなければ、どこかキャンプ場を探してもいいかなとは思っていたんだけど、今日はちょうど連休の真ん中だし、賑わうキャンプ場で眠れなくなるのも嫌だったので、出来るだけひと気の無いところを選ぼうとは思っていたんだが、これ以上無いくらい絶好の場所を見つけられて本当に良かった。静かな林道での幕営、癖になってしまいそうだ。
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早々に夜食も済ませ、普段の生活ではありえないほど早い時間だが、明日のルートの確認を済ませたらそろそろ眠るとしよう。明日はどこへ行こうかな。
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・・・といいつつ、今夜はここからが長かった(笑)。
就寝時間があまりにも早かったので、途中で何度かウトウトと目を覚ましたりしていた。そのうち、何時頃かは分からなかったが、用を足そうと思ってテントの外に這い出し、ふと空を見上げて・・・一瞬ゾッとしてしまった、あまりの星の多さに。寝る前にはまだ月が輝いていたために、周囲の星の明かりもかき消されていたのだが、その月もいつの間にか山の向こうへ姿を隠し、見渡す限り家一軒の灯すら見えない闇の中、天球に張りつく無数の星々が放つ光だけが周囲の景色を微かに浮かび上がらせる。こんな星空を見たのはもう何年振りだろう・・・。そんな夜空をしばらく眺めて、再びテントに潜り込む。あとは朝まで寝つけるかな。
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・・・そうは問屋が下ろさないようだ(笑)。
再びシュラフに潜り込んだはいいが、やはり一度目を覚ましてしまった所為か、その後もウトウトした状態が続いていたが、そのうち、山の斜面のほうから「ズザッ!」と、何かが路上に降り立つ足音がした。その音を聞いた瞬間、心臓がギュッと縮み上がった。な、何だ?何が来たんだ!?テントのすぐ近くで聞こえたその音の主は、しばらくそこに留まっていたようだが、その後、「キョーン、キョーン」という鳴き声とともに去って行った。どうやら足音の主は鹿だったようだ。
・・・こっ、
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怖ぇええええええ〜〜〜〜!!
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鹿の足音くらいでビビってどうするよ、ってハナシだって!?いやいやいや!ホントに怖かったんだからな(笑)!このあと、心臓の鼓動が治まるまでしばらく掛かってしまったが、それでもそのうち再び眠りについていたようだ。
だけど、この夜の話はまだこれで終わりじゃないんだなー。それはまた次回(笑)。
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2日目に続く。
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