2015年走り納め
2015/12/27 埼玉県小鹿野町〜秩父市の林道-@
 
 先週は、タマチャリンさんによって紹介された林道勝峰山線に急遽訪れたが、元々は小鹿野町の林道に行こうと思っていた。今週はその想定に沿った林道を巡っていこう。
 
 最初にやってきたのは、小鹿野町の県道367号線沿いにある林道高井原線(場所はここ)。ここは2009年の春に一度訪れた以来だが、その時は、途中で路面を抉る流水痕によって終点を確認していなかった。今日はそこから歩いて最後まで行ってみようと思う。
 
 起点には標識も立って(?)いるのだが、ご覧のとおりの有様で、この道の奥がどんな状態なのかを端的に表しているようにも見えるが、現状では特に通行止めの措置などは取られてはいない。
 
 起点から100m程進んでくると、法面を登る階段が現れる。何かの巡視路だろうか。この道が通行止めになっていないのは、この道の為か?
 
 尤も、道が本格的に荒れてくるのはその先からではあるのだが、それでもどこにも通行止めの柵などは無く解放されている。なんてことを思って進んでいると、次第に道が荒れてきましたよ・・・。
 
 ここは起点から200m程の地点。以前来たときはBAJAでもうちょっと先まで行けたと思ったんだけど、久し振りに来てみたら、早くもちょっとこのまま進んで行くのは不安になってきた・・・。というわけでここから先は歩いて行くことにする。BAJA君、ちょっとここで待っててね。
 
 路上にはかなり大きめな岩が転がっている。まあ、今更「だからどうした」という感じではあるが・・・。
 
 その先で、道の中央を裂く深い溝が現れた。この溝、進む先で道を斜めに横断しているためBAJAではそこを越えることが出来ずに、以前来た時はこれ以上進むのを断念していた。
 
 写真でどこまで伝わるか分からないが、この溝、幅も深さもかなり大きくて、さすがにBAJAでは近づきたくない。こんなとこに落っこちたら俺の腕では帰れないよぅ・・・。
 
 更に進むと、路上には崩れた土砂が覆い被さり、倒木が道を遮っている。車道としてはとうに「終わっている」ので、今後もこの先はどんどん荒れて行く一方だろう。
 
 倒木を越えると先程までの深い溝は一旦治まったが、車両の轍の上には、沢水が流れている。ここも深く抉れてしまうのは時間の問題だな・・・。
 
 BAJAを置いて歩き始めて百数十m程だろうか。道幅が広くなる地点に出た。
 
 その奥で、道は沢にぶつかって途切れて終わっていた。ここが高井原線の終点だ。
 
 終点から今上って来た道を振り返る。予想はしていたけど、特に大した道でも無かったな(笑)。それじゃ次へ向かおう。
 
 県道へと引き返し、その県道を更に奥へ6〜7kmも進むと、次の目的地が現れる。林道中尾線だ。
  
 この中尾線の起点標識、風化して文字が消えかかっていて、もうすっかり放置されていることが伺えるが、その所為もあってか、未だに旧両神村の表記が消されずに残っている。旧大滝村や旧荒川村の林道標識は、上から「秩父市」と書かれたシールを貼られてかなり残念な見た目になっているものが増えてきているが、設置当時のまま残されているこの標識は、今となってはかなり貴重だし、なにより萌えます(笑)。実に素晴らしい。
 
 早速中尾線に入ると、進む先のガードレールが斜面にそって九十九折で登って行くのが良く見える。木々が葉を落としきるこの季節だからこそ見ることが出来る景色だ。
 
 冬の澄んだ空気の中に、遥か遠くまで伸びる山の稜線がくっきりと浮かび上がる。これが冬の山の良さだよなあ。
 
 ちょうどこの地点のすぐ目の前に一件の民家が建っているのだが、道は更にその先にも延びている。
 
 その道は、急峻な岩壁にへばりつくようにして高度を上げて行く。この眺め、なかなか凄いものがあるな。そして、これからあの道を登って行くのかと思うとゾクゾクするぜ・・・。
 
 民家を過ぎると路面もコンクリート舗装となり、かなり林道らしさも増してくるが、起点から約1.6kmの地点でいよいよ未舗装へと変わった。冬枯れた木々に囲まれた林道のこの寂しげな雰囲気が堪らないぜ。
 
 そこから更に200m程進んだ地点で、路上にバリケードが置かれた地点に着く。実はこの中尾線も、以前来た時にこの先の路面決壊の地点で先へ進むことなく引き返していた。今日はこの中尾線の終点もきっちりと確認してこよう。BAJA君、ちょっとここで待っててね。
 
 歩き始めたそのすぐ先で、斜面から崩れ落ちた土砂が路面を覆い尽くす。
 
 そして、この先の区間はほぼずっとこんな感じで路上が土砂に覆われている。いくら行き止まりの林道とはいえ、折角こんな擁壁やガードレールまで造っておいて、道として利用出来なくなってしまっているのが勿体無いよなあ。
 
 嘗て道であった場所は完全に土砂の下に埋まり、ガードレールだけがここに道があった事実を伝えている。「勿体無い」とは言ったものの、こういった廃道としての風景は、これはこれで実に味わいがある。
 
 その土砂の先で、路面の土が流失し、路肩が陥没してしまっている地点がある。まあ、ここまでの地点も大概ではあるが・・・。
 
 そして、以前来た時はこの地点で引き返してしまっていたので、ここから先は未踏の区間となる。この奥は何処まで続いているのだろうか。
 
 いくぞ!廃林道!
 
 先程の崩落地点を過ぎると、道は緩やかな斜面の中を延びるようになり、その所為もあってか路面の様子もかなり穏やかになっている。そして、ここで一旦道幅が広くなっているが、恐らくはここが所謂「森林管理道」としての終点だったのだろう。
 
 その地点にはバリケードが置かれている。この奥にも道は続いているが、恐らくここから先は作業道の扱いで、嘗てはこの先への車両の進入を制限するために置かれていたのだろうが、今となってはここまで上がってくる者もそうそういないだろう。
 
 道はいくつかのカーブを越えて緩やかに斜面を上って行くが、掘り割りで道を通した路上には灌木が生い茂り、歩いてこの中を進んで行くのもなかなか大変だ。
 
 路上には倒木なども横たわり、ここが完全に捨てられた道だということが伝わってくる。
 
 その先の直線を進んでいると、突然目の前に石垣が見えてきた。
 
 この写真では少々スケール感が分かり辛いかも知れないが、この石垣、俺の背を軽く超え、ゆうに2mはあろうかという高さに組まれている。一つ一つの石もかなり大きいものなので、こんな廃林道の奥でこの巨大な石垣を見た瞬間はちょっと気持ちがぞわっとした。
 
 そして、真正面にこの石垣を見たときに、ここが行き止まりなのかと思ったのだが、実はこの地点はT字路になっていて、ここから更に左右に道が延びていた。
 
 それぞれの道がどこまで続いているのかも全く分からないが、先ずは何となく本線っぽく見えた左手の道を進んでみよう。
 
 路上には当たり前のように、あちこちで倒木が横たわっている。今日もここへ来る途中で何度も「熊出没注意」の看板を見てきているが、もしこんな倒木だらけの道で熊と鉢合わせでもしたら、こんな障害物だらけの道ではまず逃げきれないぞ・・・。まあ、午前中のこんな時間に熊がひょっこりと歩いていることも無いだろうし、仮に出会っても余程のことが無い限り向こうから襲いかかってくることも無いだろうと自分に言い聞かせて進んで行く(そんなにビビッてんなら行くの止めりゃいいじゃんよ・・・)。
 
 作業道らしく、幅員もだいぶ狭くなってきた。恐らくこの先もそう長くは無いのだろう。
 
 途中、右手に向かって更に分岐する道があった。ここは帰りに寄ってみるか・・・。
 
 T字路から100m程も進んできた頃だろうか、道の先がすぼまって終わっていた。ここがこちら側の終点だ。
 
 それでは今度はさっきの分岐へ入ってみよう。
 
 幾つかの倒木を越えると道はだいぶ穏やかになったが、幅員自体は小型の重機が通れる程度の幅員しかなく、本当に伐採の為だけの簡易的な道のようだ。
 
 そしてこちらも、分岐から100m程で行き止まりとなっていた。こんな道がひたすら山の上のほうまで続いていたらどうしようかと思ったのだが(笑)、先ずは一安心。
 
 石垣のT字路まで戻って来た。続いて右手の道を進んでみよう。
 
 しかし、こちらの道は分岐から僅か数十mで行き止まりとなっていた。それでは引き返すとしよう。
 
 この中尾線の道の末端も確認出来たし、やっとすっきりしたと思いながら穏やかな杉林の中を下って行く。
 
 しかし、気分良く歩いていると、今歩いているこの道の先が途切れているのに気付いた。・・・えっ、ここ、何処だ!?さっき歩いてきた道と違うぞ!どうやら往きには気付かなかった分岐に迷い込んでしまったようだ。うわっ、怖ぇ〜!
 
 慌てて周りを見回すと、今いる地点の斜面の下に、先程通過したバリケードが見えた。もともとそんなに広いエリアを歩いていた訳では無いので事なきを得たが、もし今いるこの道がずっと奥まで続いていて、気付かずに進んでしまっていたかと思うとちょっと恐ろしいな・・・。
 
 ガードレールの残る区間まで戻って来た。往きには見えなかった、木々の幹の隙間から見える白く霞んだ冬の山の姿が美しい。どの季節に来てもその季節ならではの景色が見られるから林道は楽しいんだよな。
 
 BAJA君、ただいまー。
 
 BAJAを停めていた地点のすぐ手前に、カーブを越える切り通しがあるのだが、実はここからも一本の道が分岐している(写真左手奥)。ここはBAJAでも進んで行けそうな感じだし、ついでにここも見て行こう。
 
 道は一定の斜度で高度を上げて行く。こちらも作業道レベルではあるが、路面自体は非常に穏やかで、BAJAでも問題無く進んで行ける。
 
 分岐から400m程も進んできたところで、道が一旦広くなっている場所に出た。もともとは重機の転回にでも使われた場所だろうか。そして、その先にもまだ道は続いているようだ。
 
 だいぶ寂しい雰囲気になって来たが、行けるところまでは行ってみよう。
 
 しかし、そのすぐ先に倒木が連続しているのが見えた。この先がどこまで続いているのかも分からないが、ここからは歩いて行ってみよう。
 
 しかしここも、BAJAを停めた地点から見渡せる程度の距離で道は途切れていた。これでこの中尾線の探索は終了だ。次の林道へと向かおう。
 
Aへ続く。