ギリ間に合ったぜ雪の林道!
2018/03/23 群馬県多野郡神流町・林道二子山線
 
 毎年、季節の変わり目のこの時期は気温の乱高下が激しく、ちょっと前に春を通り越して初夏のような陽気になったかと思ったら、つい数日前には一気に気温が下がり、関東でもかなりの積雪を記録した。この時期に積もる雪は、凍結の心配も無く走ることが出来るので楽しみなのだが、このまま晴れが続けばきっとすぐに融けてしまいそうな気がする。週末まで持ってくれるだろうか・・・。
 と、そんな心配をしているが、実は消化しなければならない代休が残っていたこともあって、今日は金曜の平日ではあったが出かけることにした。待ってろよ、雪の林道!
 
 国道299号をひたすら進み続け、本日やってきたのはここ、林道二子山線だ。埼玉県内を走っているときは路肩の雪も峠付近に僅かに残るだけだったが、志賀坂峠を越えて群馬県に入ると、道の周囲に残る雪の量も格段に増え、景色が一気に様変わりした。
 
 この二子山線、去年の4月に積雪したときも走りに来ているが、去年と違い、今年はいきなり起点から路面に雪が残っている。いまのところ、進入したタイヤの痕などは見られず、あるのは小動物の足跡のみ。この先の様子は一体どうなっているだろう。
 
 それじゃあ早速行ってみよう!序盤からガッツリと雪の残る路面を進んでいく。いくら凍結の心配が無いとはいえ、舗装路の積雪はやはりダートのそれよりも気を使う。
 
 空の青味を僅かに含む、冬枯れた木々の影が真っ白な路面に落ちる。このストライプを見るのも楽しみなんだよねえ。
 
 まだ誰も走っていないまっさらな雪の上を、独り占めでのんびりと進んでいく。た、楽しすぎる・・・!
 
 青く澄み渡った空と、真っ白な雪の色彩のコントラストがたまらなく美しい。やっぱり今日ここまで来て良かった!
 
 ・・・なんて、初っ端から堪能しまくってますけど、ここ、まだ舗装区間なんですよ。
 
 日陰になっているところでは、結構な深さの雪が残っているところもあり、2輪2足でなんとか進んで来たが、そのせいでこの時点で既にブーツに雪融け水が浸水し軽く地獄を味わってる(笑)。ようやく日向に出て雪が途切れたところがあったので小休止。
 
 いま上って来たところを振り返る。フラフラと蛇行しながら進んできたタイヤの痕がよく分かると思う。この二子山線、全体的に勾配の変化が少ないとはいえ、そこそこ斜度のある場所でこれだけの雪があると、少し進むだけでもそれなりに疲れる。ちっくしょー、麻縄持って来るんだったぜ・・・。
 
 起点から1km程も進み、ようやく未舗装区間へと切り替わった。ここまで来ればもう安心して走れるぜ!
 
 うおお!見てくれこの景色!青い空とそこに浮かぶ白い雲、斜面を覆い尽くす冬枯れた木々、そしてまっさらな雪道!た、たまんねえ!最高だ!
 
 遠くに連なる山々も、その肌に薄っすらと雪化粧を纏っている。なんて綺麗なんだ・・・。
 
 3月も下旬になったこの時期に、こんな景色の林道を走れる喜びよ!
 
 ただ、やはりこの時期は晴れれば一気に気温も上がりやすく、表面的には雪道でも、恐らく路面間際では既に雪解け水が流れ始めているようで、局所的に深い水溜りが出来ているところもあった。この雪道を良好なコンディションで走るには、今日は最後のチャンスだったかも知れない。
 
 雪道で慎重に進んでいることに加え、周囲の景色のあまりの美しさに頻繁に停まって写真を撮っているので、遅々として先へ進まない(笑)。っていうか、何か急に雪が深くなってないか?
 
 スポークの間に雪が詰まってるこの感じが、何だかすっごく嬉しい!
 ただ、これだけ深いとタイヤも空転しがちで、アクセルを吹かした分の動力の1/3も伝わらない(笑)。両足の動力を補助に、必死に前進していくのだ!
 
 そうやって何とか進んできたものの、そこそこ斜度のあるカーブに差し掛かった地点で、とうとうそれ以上進めなくなってしまった。
 
 なので、急遽方向転換し、そのすぐ目の前にあった路肩の広くなった場所に緊急避難(笑)。あー、疲れた!
 
 今日は朝飯も食わずに出てきたし、だいぶいい運動もしたので、もう腹がペコちゃんなのだ!お気に入りのシンガポール風ラクサでお昼にするのだ!これ食ったらもう戻るのだ!
 
 ラーメンをすすりながら周囲を見回すと、路面には小さな足跡が続いている。この形は鳥だろうか。雉とかなのかな?
 
 現在地点、国道側の入り口からおよそ1.7km。今日は結局、去年到達した地点までにも辿り着けずに終わってしまったなー。この先にも続くバージンスノーには後ろ髪引かれる思いだが、今日は(も?)ソロだし、何かあったときのことを考えると、ちょっともうこれ以上進める気がしない(笑)。
 
 さあ、それじゃあ戻ろうか。雪道の下りは上りよりも気を使うぜ。
 
 なので、戻りは出来るだけ楽をしようと、往きに通ったタイヤ痕をなぞるように進む。
 
 雪が深い場所では、自分で付けた溝がレールのように作用してちょっと楽しい(笑)。
 
 ただ、そのまま溝に沿って進むのもつまんないなーと思って新雪に突っ込んでみたけど・・・いや、もうやめよう(笑)。
 
 今年は冬の間に動くことが出来なかったけど、春までにもう一回くらい積雪があるんじゃないかな、なんて思ってたら期待通りの雪が降ってくれてラッキーだった。実際進めた距離はほんの僅かだったけど、その短さを感じないくらい楽しかった。もう満腹だよ(笑)!
 
 ここは往きにも撮ったダートとの境目だが、ほんの小一時間前と比較して、かなり雪融けが進んでいた。深く積もっていた区間の雪も、もうあっという間に消えてしまうだろうなあ。
 また来年もこの時期に雪が積もることを期待しよう。楽しかったぜ、二子山線!
 
 
 
---------- おまけコーナー ----------
 
 
 二子山線を引き返して、帰り際に立ち寄ったのは林道八日見線・・・。
 
 ・・・ではなくて、その八日見線の起点脇にある、この龍頭神社だ。ここは去年も一度、オオカミの狛犬を見るために訪れているのだが、帰宅してから撮った写真を見ていたときに、意識せずに写り込んでいたものがあって、改めてそれを見たかったので、ちょうど二子山線への通り道だということもあり立ち寄ってみた。
 
 せっかくなので、改めて狛犬も見ていこう。この龍頭神社の社殿前には、2対のオオカミ像があるが、こちらは手前側にある阿の像。
 
 こちらは吽の像。このオオカミ像は、平成18年に奉納された比較的新しいものだ。
 
 こちらは奥側に位置する阿のオオカミ像。
 
 この像は明治40年に奉納されたかなり古いもので、前回見た釜山神社のものとほぼ同時期のものと言える。
 
 こちらは対となる吽の像。こちらの造形が、阿の造形と比べてだいぶテイストが異なっているように見える。素朴な造形からして、こちらのほうがだいぶ古い時代のものだと思う(実際、台座の風化がかなり進んでいて、そこから奉納時期を読み取ることは出来なかった)が、もしかして阿の像のほうは、本来この吽の像と対になっていた像が損壊するなどして、後から造り直されたりしたのだろうか。
 
 そして、今日の目的がコレ!社殿に掲げられたオオカミの描かれた額絵だ。前回、何気なく撮った写真の端にこれが写り込んでいて、改めてちゃんと見たいと思っていた。真っ白に描かれたその姿は、ニホンオオカミの特徴とされる痩身体型を忠実に捉えているように見える。狛犬も素晴らしいが、このような貴重なものがいつでも普通に見られるのは素晴らしいことだ。
 この他にも、PHOTOSのほうに龍頭神社の写真を幾つか載せてあるので、よろしければどうぞ。
 それではまた次回!