未踏の林道を求めて
2019/05/02 山梨県北杜市・林道金ヶ岳線・他-A
 
@はこちら。
 
 
 奥山線から舗装の小森川線へ出て2kmちょっとを走ってくると、林道樫山小森川線への入り口が現れた。ここは、BAJAに乗り始めてまだ間もない頃にいちどだけ来たことがあるが、なかなか雰囲気の良かった林道だったという記憶がある。あれから14年が経過しているが、もしかしたら既に舗装されてしまっているかもしれないな、なんて思いながら先を覗いてみると・・・。
 
 おお、やった!未舗装のままだ!これは嬉しい!こちらは終点側となるようだが、さっそく進んでみよう!
 
 入り口からすぐの地点にはゲートがあるが、こちらもちゃんと開放されている。これで心置きなく走れるぜ!
 
 序盤は林立した木々の中を抜けていくが・・・。
 
 すぐに視界の開けた開放感のある場所へと出た!これは堪らん!
 
 そしてここからも、冠雪した八ヶ岳の姿が見えている。この周辺の林道は、どこからでも八ヶ岳を見ることが出来るので、これだけ天気の良い日だと本当に清々しい気分になれる!
 
 この樫山小森川線も、路面は終始走りやすいフラットダートが続く。以前来たときはもっとゴツゴツした区間もあったような気がしてたんだけど、常に補修の手が入っていたるするのだろうか。
 
 途中には登山道が通っているのだろうか、路肩に何台もの乗用車が停まっている場所があった。そのためもあって道の整備も行き届いているのだろうが、それでよくいままで舗装されずに済んで来たもんだ。あ、今後も舗装なんてしなくていいんですからね(笑)。
 
 前回来たときは緑豊かな時期で、しかも雨上がりだったために周囲は靄に包まれ幻想的な雰囲気を醸し出していた。それはそれでとても素敵だったが、今日は綺麗に晴れ渡った空の下、こんなに清々しい景色のなかを走ることが出来るなんて本当に最高だ!
 
 この樫山小森川線でも、金ヶ岳線には及ばないものの、途中で何度か遠くに聳える山脈を見晴らせる地点が出てくる。その度についつい停車してしまうので、そんなに長くはない林道だと思うが、ここでもなかなか先へと進まないのだ(笑)。
 
 終点側から入って2.8km程も来た辺りで、いつの間にか路面が舗装に切り替わっていることに気づいた。あ、そろそろ終わりかな?
 
 そこからすぐ、総延長約3.0kmで樫山小森川線が終わった。さて、この後はどうしようかなあ。とりあえず腹も減ってきたし、一旦引き返して眺めの良いところで飯にでもするか。
 
 というわけで、一旦樫山小森川線〜奥山線を引き返し、金ヶ岳線まで戻るのだ。
 
 戻りつつも、ついつい途中で停まってシャッターを切ってしまうのはもうどうしようもない(笑)。
 
 よし!今日はここで昼飯にするぞ!
 
今日の飯は久々のシンガポール風ラクサ!最近色んな味を試してたけど、やっぱこれなんだよなあ。
 
 お湯が湧くまでの間、周囲を見回してたんだけど、ふと伐採された斜面の下のほうに、人工物のようなものがあることに気づいた。んん?何だあれ?
 
 石仏?なんであんなところに?いったい誰がいつ造ったものなんだろう?それに、いまはちょうど周囲が伐採されて見通しが良くなっているから気づいたけど、まだ木々が茂っていた頃から、森の中にひっそりと佇んでいたのだろうか。
 軽くググって見たけどそれらしい情報を探し当てることは出来なかったが、たまたまこのときここを通りかかった乗用車の老夫婦が、明らかにこの石仏を指差すように通過していったので、知る人ぞ知る存在なのかもしれない。
 で、そんな石仏を眺めながらラーメンを食っていたんだけど、今日はあまりに風が強すぎて落ち着いて飯を食っている場合じゃない(笑)!休憩もそこそこにここを立ち去ることにした。
 
 せっかく金ヶ岳線まで戻ってきたので、もういちど往復していこう。先ほどと逆方向に進んでいくと、こんどは八ヶ岳が前方に現れることになるので、やはり何度も停車してしまうことになる(笑)。
 
 ああ、なんて素晴らしいんだ金ヶ岳線!始めて走るのがこんなに良い天気の日で本当に良かった!
 
 そうこうしているうちに、金ヶ岳線の入り口まで戻ってきてしまった。そういえば、よくウェブの記事で紹介されている展望ポイントって、どこだったんだろう?まあもさんも去年走ったばかりのはずだから、そう景色も変わってないと思うし、気づかない訳ないと思うんだけど・・・。
 
 って、ああ!ここかあ!
 
 何のことは無い、初っ端に感動して写真を取り捲っていた場所だった(笑)。さっき通過したときは、まだ若干日陰になっていたせいで、ウェブで見た印象と違って見えていたからそれと気づかなかったんだな。それに、路肩の木々が去年のまあもさんの記事と比べても、やや背が伸びてきてしまっているようで、それも気づかずにいた要因のひとつのようだ。やはり林道というのは生き物だな、気になったらすぐにでも行かないと、景色はどんどん変わってしまう。
 
 それでも、ここから望む八ヶ岳の姿は実に素晴らしい。
 
 なんて美しい景色なんだ・・・。埼玉から県境をひとつ跨いだだけでこれだけの景色に出会えるとは。これを林道から見ているということがもう最高だよ!
 
 そんな景色に感動し、更に進んでいくと、ちょうと舗装された区間から1本のダートが分岐している。さっきもその存在に気づいてはいたが、どんな道なのかとりあえず入ってみるか・・・。
 
 どうやらこちらは作業道といった雰囲気で、路面もこれまでの林道よりは荒れた状態が続いている。
 
 下り続きの道を進んでくると、目の前に伐採した斜面に新たに苗木を植えてある景色が見えた。
 
 道はこの先も続いているようだったが、再び鬱蒼とした木々のなかに吸い込まれるように続き、それほど面白そうな感じもしなかったのでここで引き返すことにした。
 
 ・・・実はここで写真を撮っていたら、地盤が緩くて停めていたBAJAが倒れてしまい、もうこれ以上下る気が起きなくて戻ることにした、というのはここだけの秘密だ!いつもスマンなあBAJA君・・・。
 
 というわけで、再び奥山線〜樫山小森川線と走り継ぎ、この後はクリスタルラインを通って雁坂トンネル経由で埼玉へと帰ることにした。
 
 6年前に来たときは、曇り空の下延々とこのクリスタルラインを通って前山大明神線を目指して来て、あのときは修行か何かかと思うくらい長くてしんどい記憶しか無かったが(笑)、まあのんびり帰るにはちょうどいい行程だろう。
 
 前回もそうだったのだが、途中で何度か現れる林道の分岐がどうにも分かり辛くて、ここでも一旦BAJAから降りて地図とにらめっこしながらどっちへ行けば良いのか悩んでしまった。
 
 ここで左に分岐する池の平林道へ入ればいいようだが・・・と思ってこの道なりに延びる観音峠大野山線の先を見ると、すぐそこに展望広場のようなものが見える・・・。
 
 あ!ここは前回来たときに昼飯にしたところだ!うわー、懐かしい!ってか、ここが木賊峠だったのか!全く気づいていなかった(笑)。
 
 ここからは今日も富士山がくっきりと見えている。あのときここで話したおじさん、まだ元気にしてるかなあ。
 
 展望広場を後にして池の平線を進む。6年前と違い、こんな青空の下を走っているだけで、クリスタルラインの長さを全く感じることも無く気分良く走っていくことが出来る。
 それはそうと、あの目の前に見えている道、走ったら気持ち良さそうだなあ。
 
 そう思いながらその道の入り口まで来て見ると、残念ながらゲートで閉鎖されているが、その先にはめちゃめちゃ楽しそうな道が続いていた。っていうか、ここ、前に入ったことあるぞ・・・?そうだ、以前来たときに比べて周囲の木が伐採されて印象は変わっているが、間違いない、木賊平林道だ!
 
 あのときは開放されていたのに、今日は残念ながら閉鎖かあ、と思いつつゲートを見ると、「ぬかるみにつき通行止」と書かれている。じゃあ、ぬかるんでないところだけでいいから通らせてください(笑)!
 
 更に進んで、ここは御岳林道から荒川林道へと分岐する地点だが・・・。
 
 ああ!ここは良く憶えてるぞ!前回、やはりここでどっちへ行けばいいのか迷っていると、たまたま通りすがったおじさんが、俺が理解するまで丁寧に教えてくれたっけなあ。あのときのおじさん、ありがとう!今日はひとりで帰れますよ(笑)!
 
 やはりクリスタルラインなんて名が付けられるだけあって、晴れていればこんなにも気持ちの良い道だったんだな。
 
 なんて思いながら写真を撮っていると、遠くの山頂になにやら巨大な物体が見えた。
 
 遠目には人工物のようにも見えるが、ズームをすると何となく岩なのかな、というような気もする。この場では正体が分からなかったのだが、帰宅後にツイッターで呼びかけてみると、すぐにその正体が判明した。
 
 あれは、金峰山山頂の五丈岩だそうだ。moyaさん、ありがとうございます!
 金峰山へは、大弛峠から片道2時間半程で行けるようだ。今度行ってみよう!
 
 ひたすらクリスタルラインを走り続け、この後国道140号へ抜けたのだが、そうだ、どうせここを通過していくならあそこに寄って行こうと思い、最後に1箇所寄り道をすることにした。
 
 それがここ、林道乾徳山線だ。ここは過去3度訪れているが、そのいずれも、最奥のゲート地点では空を厚い雲に覆われ、晴天のときに訪れることが出来ていなかった。今日のこの天気ならきっと大丈夫だろう。日が沈む前に急ぎたいので、今日は途中の写真は無しだ!どんな林道か気になる人は過去のレポを見てくれ(笑)!それじゃあ行くぞ!
 
 よっしゃあああああああ!!!
 
 林道乾徳山線、3度目ならぬ4度目の正直じゃい!ガッハッハ!
 
 素晴らしい!素晴らしいぞ!晴れているとこんなにも爽快な景色が広がる場所だとは!
 
 あまりの素晴らしさに本当に感動してしまって、この地点に留まっているだけで、何度もシャッターを切ってしまった。
 
 遠くに連なる山々を眺める。山を見て美しいと思う感情ってなんなんだろう?これって人間だけが持つ感覚なのか、それとも山に棲む動物たちも、ふとそんな感情が湧くこともあるのだろうか?ここからの景色を前に、そんなことを考えた。
 
 さあ、それじゃあそろそろ帰ろうか。BAJA君、今日もありがとう。
 
 5月に入り、各地の林道の冬季閉鎖も明けだす時期になってきた。それに、今年は2年半続いた中津川林道の通行止めも、ようやく6月に復旧の見通しが立ったそうだ。こんなに楽しみなのは本当に久しぶりだ!BAJA君、令和もよろしくな!