冬季閉鎖間際の御荷鉾スーパー林道へ
2019/11/30 群馬県・御荷鉾スーパー林道
 
 10月に関東地方で猛威を振るった台風19号の影響で、埼玉や東京の主な林道郡は壊滅的な被害を受けたこともあり、前回は福島の林道を走りに行ってきたわけだが、その後、北関東エリアでも走ることが出来るロングダートが残っているという情報がちらほらと伝わってきた。群馬の秋鹿大影林道、万沢林道。そして、御荷鉾スーパー林道も。
 というわけで、今回の目的地は御荷鉾スーパー林道に決定!今日は天気も良さそうだし、御荷鉾は12月10日から冬季閉鎖に入ってしまうので、その前に今年の御荷鉾の走り納めをしておこう。
 
 本当は、御荷鉾くらい下道で行こうと思ってたんだけど、事前に最短ルートを検索をしたら国道299号を案内されてしまった。この時期の早朝のR299は、陽の当たらない谷合を走る地形的な条件もあって修行の如き寒さだからなあ・・・。ということで、出来るだけ目的地までの所要時間を短縮したくて、下仁田インターまで高速を使ってしまった。
 
 そこから一気に端折ったが、御荷鉾スーパー林道展望台までやって来たぞ!
 
 見てくれ、この雲ひとつ無い青空!冬のクリアなこの空気感、もう最高だろ!
 今日も展望台の奥に乗用車の先客がいたので、そこまでは行かずにここで景色を眺めていたが、実際展望台のこっち側の方が好きなんだよね、俺。
 
 ふと見下ろした足元には、結構大きめな霜柱が立っていた。改めてこういうものを見ると、もう冬なんだなあ、ということを実感する。毎年思うことだけど、秋って短かったなあ(笑)。
 
 展望台の奥には先客がいたけど、展望台の上には誰もいなかったので、ちょっと覗いてみましょうかね・・・。
 
 遠景をぐるっと見回す。この時期特有の、空に溶け込んだような青い山並のグラデーションが堪らなく美しい。
 
 これがあるから寒くても走りに来たくなるんだよなあ。おまけにこれだけの快晴にも恵まれて、もう言うことなしだ。
 
 さて、それじゃあダート区間を目指そう。
 (ちなみに、御荷鉾スーパー林道の塩ノ沢峠以西の区間は台風の被害が大きかったという話を聞いていたので、今回も東側区間へと向かう。)
 
 展望台から八倉峠に向かう途中、1箇所だけこんな大規模な崩落があった。一応、崩れた路面の周囲にはコーンが置かれてはいるが、これで通行止めにしないってなかなか大胆だな(笑)。
 そういえば、帰りにももう一度八倉峠に立ち寄ったときに、こちら方面から乗用車が来たんだけど、わざわざここを通過してきたってことだよな・・・?
 
 こんなに宙ぶらりんになったガードレール、初めて見たよ・・・。御荷鉾ももうすぐ冬季閉鎖だし、復旧工事は来年になってからかな。
 
 そこからほんの少しで八倉峠に到着!
 
 ここは相変わらずの絶景だけど、今日は遠くに見える景色も空の青さに染まり、その美しさがより際立っている!
 
 この時期の八倉峠に来るのは初めてだが、冬のクリアな空気のおかげで、遠くの山々のシルエットまで今までで一番クッキリと見えている。
 
 浅間山も見えているが、ちょうどその周囲に雲をまとった姿が、まるで魔王の巣窟とでも言わんばかりの迫力(笑)。
 ・・・って、あれ?あそこに見えているのって・・・。
 
 あ!もしかしてあれ、Jバンドか!?しかも薄っすらと雪も積もってるみたいだし・・・。ここから見てるだけであの恐ろしさが蘇ってくる(笑)。
 
 しかしここも吹き曝しなだけあってさすがに寒いなー。さあ、いよいよダートに向かうぞ!
 
 一旦僅かな舗装路を挟み、ダート区間へと入る。ちなみに、ここから下仁田方面へと下る舗装路は閉鎖されていた。
 
 程なく、この日当たりの良い区間に出た。クリアな青空から届く光が照らす、落ち葉の柔らかい色彩と、冬枯れた木々が路面に落とす影のストライプがたまらない!これ、俺の大好きなやつ!
 
 ここでBAJAを停めて写真を撮っているあいだ、ずっと一人で「最高だあ〜」って呟いてた(笑)。ちょうどここで電波が届いていたこともあり、あまりにも感激して思わず現地でツイートしてしまった。
 
 
 日影に入ると、時折現れる水溜りはガッツリと凍り付いていた。それと、写真には撮らなかったが、路肩には巨大な霜柱が噴出しているところが幾つもあった。
 
 ただ、バイクのコントロールで身体を使っているからか、それとも気分が高まっているからなのか、走っている最中はそれほど寒さを感じることも無かった気がする。あまりに楽しくて、こんな日影の寒々しい景色すら愛おしく感じてしまう。
 
 道を覆いつくす白い幹の向こうに、青空が透けて見える。この季節にしか見られないこの景色が美しすぎて、もう溜息しか出てこない。今日、この快晴の中でここに来ることが出来て本当に良かった。
 
 そういえば、この東側ダート区間でこの1箇所だけ路肩が崩れていたが、通行には特に支障の無いものだった。よくぞあの台風に耐えてくれた!
 
 木々の影のストライプのなかを走っていくと、光と影が小刻みに目を瞬かせる。そんなことも冬の林道を走る楽しさのひとつだ。
 
 この御荷鉾スーパー林道は、山の稜線に程近いところを延びていることもあり、常に空に囲まれている感覚を味わいながら走ることが出来る。
 
 特にこの季節は、周囲の木々が葉を落としきっていることもあり、より開放感を感じることが出来る。緑豊かな季節も素晴らしいが、この時期の御荷鉾の素晴らしさは特筆すべきものがある。
 
 みかぼ森林公園管理棟手前のS字カーブの地点で。ここは片側に下仁田方面の視界が開けていて印象的な地点だ。
 
 そして、ここから見える山肌には、遠くへと続いていく送電鉄塔の姿が見える。これ、好きなんだよなあ。
 
 素晴らしく美しい冬枯れの景色の中を走っていく。俺、今日何回「最高だあ〜」って呟いてるだろう(笑)。
 
 ここは5月に来たときにも撮った場所だ。そのときの写真と比較すると、季節の移り変わりをより感じることが出来て楽しい(笑)。
 
 んー、楽しい。楽しすぎる。ここが10日で閉鎖されてしまうのは勿体無い。と言っても、これ以降の真冬のあいだは、ここへ上がってくるまでの舗装路が凍結しそうで怖いけど・・・。
 
 清々しい冬の景色を堪能しつつ、県道46号線に到着。今日はここからまた林道を引き返していく。
 
 県道と分岐してすぐの地点からは、台風で被害を受けたその県道を復旧させている様子が見えた。来年にはまた通れるようになるだろう。
 
 さて、いい加減腹も減ってきたのでそろそろ飯にしよう。ここまで、どこか良いところが無いか探しながら走ってきて、管理棟近くの東屋も良さそうだったんだけど・・・。
 
 やっぱりいつもの展望台の方が見晴らしも良いので、今日もここにしよう!
 
 うん、やっぱりここにして正解だ!
 
 この展望台からの景色も、ここまでクリアに見えたのは初めてかもしれない。遠くまでの景色を眺めるには最高の季節だ。
 
 ただ、当然東屋は屋根が付いていて陽射しが遮られるので、じっとしているとめちゃめちゃ寒い!本当だったらラーメンの後にコーヒーでも飲もうかと思っていたんだけど、余りの寒さに耐え切れずに早々に退散!でも、この景色が見られただけでも来た甲斐はあった!
 
 それじゃあ出発しようか。斜面の木々の隙間から覗く太陽がこちらを照らしてくる。走っていればまたすぐに身体も温まるだろう。
 
 先程も触れたが、この道は稜線に近いところを走っているため、この季節でも日当たりの良い区間が多く、天気さえ良ければそれほど厳しい寒さを感じなくて済むのだろう。とても気持ちよく走ることが出来る。
 
 またここで撮る(笑)。さすがにこの時期は太陽もそれほど高く昇らないので、時間を経ても先程とそれほど日影の範囲は変わっていない。
 
 ふとした木々の切れ間の向こうに広がる青空が本当に綺麗だ。
 
 日影の中から、日に照らされた白い木々を見上げる。
 
 冬の林道、最高すぎるだろ・・・。
 
 こんなに天気の良い日に来ることが出来て本当に良かった。冬季閉鎖前の景色を愉しみながら走るには、これ以上無いコンディションだったんじゃないかと思う。
 
 あっと言う間に東側ダート区間を往復してしまった。次に来るのは来年の冬季閉鎖明けか。その時は、県道の復旧程度にもよるけど、今年行けなかった一番にも行きたいな。
 
 それじゃあ、もう一度八倉峠に立ち寄ってから帰るとしようか。
 
 浅間山は、相変わらず山頂近くを雲に囲まれている。
 
 あれは妙義山か。そういえばあの辺りってまだ行ったことが無いんだよな。来年にでも行ってみようかな。
 
 山を越えてどこまでも連なる送電鉄塔の列。俺、この景色が本当に好きなんだ。良すぎるな・・・。
 
 冬季閉鎖前のこのタイミングで、こんなに良い天気のなかで御荷鉾スーパー林道の冬枯れた景色を堪能することが出来て、短い時間だったけど、今日は本当に最高の一日だった。寒かったけど来て良かった、本当に楽しかった!来年もまた来るよ!