新緑の奥多摩へ
2012/05/13 東京都奥多摩町・林道川乗線〜林道日向沢線 -@
 
 本当は、今日は中津川林道に行こうとしてたんです・・・。
 しかし前日の夕方に、掲示板に一つのタレこみが書き込まれた。

 「中津川林道 崩落のため 通行止め」と・・・。

 マ、マジかよ!気分はすっかり中津川に向かっていたのに!前回のツーリングも、本来は中津川に行くつもりだったのに途中で降り出した雨のせいで予定を変更してしまったし、なんだか今年はなかなか中津川に近付けないなあ。まあでも、知らずに奥秩父まで行って中津川を走れずにションボリするよりは良かったかな、と無理やり納得する事にしたよ・・・。
 そっかー、じゃあ何処へ行こう?例によって、埼玉の未踏林道探索でもするかな?でも、前日の天気予報によると、日曜はかなりの晴天に恵まれるようだ。だったら探索はまた次にするとして、新緑でも眺めながらのんびりしに行こうかな。
 
 
 というわけで、今日は久しぶりに奥多摩にやってきた。奥多摩の林道も、最近は通行止めになっているところが多いので、実際にどこを走るかは現地の状況次第で決めることにしたが、奥多摩まで来たならここは行っておきたいと思って、まずは林道川乗線へ。2年前に訪れたときは、工事や土砂崩落など諸々の理由で車両通行止めとなっていたために入れなかったのだが、今日は特に通行制限も出ていないようだ。よかったー。
 なんて思いながらBAJAを降りて写真を撮ろうとしていると、、起点前にあるバス停にドンズバのタイミングで停車した路線バスから、大勢のハイカーがぞろぞろと降りてきて、起点のゲート前にはあっという間に人だかりが出来てしまった。この川乗線沿いに登山道の入り口があるためなのだが、そんなハイカーたちの中にたった一人バイクで来ている自分がなんだか場違いな気分・・・。そそくさとゲートを開けて、さっさと先へ進みます。
 
 
 
 ゲート付近では登山道へと向かうハイカーがちらほら歩いていたものの、それもすぐに途絶え、眩しい新緑の中を一人のんびりと進んでいく。
 この川乗線、実際に走るのは2回目、実に5年振りとなる。前回来た時はまだ木々が芽吹く前の冬枯れた景色で、「新緑の時期になったらまた来よう」なんて思っていたのだが、まさかこんなに経っちゃったとはね。
 
 
 
 周囲の山肌は生命力溢れる緑に包まれ、その中に延びる道をぐんぐんと高度を上げて進んでいく。初めて見る春の川乗線の景色、なかなか素敵じゃないか!
 
 そういえば、途中路肩の所々にハイカーの乗ってきた車が停まっていたのだが、中には前日入りなのか路肩にそのままテントを張っているツワモノも。別に交通量もないし危険もないだろうけど、舗装路の上に直接テントってなんかすごいな(笑)。
 
 
 
 陽の光を眩しく透かす緑のトンネルを潜り抜ける。やっと今年もこんな景色を見ることが出来たよ。連休中の天気は散々だったからなあ(笑)。あー、ホントに嬉しい!
 
 
 
 しばらく上ってくると、見覚えのある景色が。たしかここだったよな・・・。
 
 
 
 おお、やっぱりここだ。百尋ノ滝です。前回は木々が丸裸で見通しが良かったが、今日は既に葉が生い茂りやや隠れ気味。それでも道の上から見下ろす眺めはなかなか素晴らしい。登山道を経由すれば、あの滝の下まで歩いて行くことが出来るようだ。40mほどあるという落差を一気に流れ落ちるこの滝は、下から見上げるとかなり迫力がありそうだ。
 
 
 
 そのまま滝の上に視線を移し、進む先の道を見る。それにしても、凄いところに道を通したもんだな。こんな切り立った岩場の開削なんて、計り知れないほどの苦労があったことだろうな・・・。
 
 
 
 その岩場の地点から谷側を望む。おおお!これは絶景だ!山々がぎっしりとひしめき合っているようなこの山深さを感じる光景、好きだなあ。こんなに晴れ渡った青空の下でこんな景色が見られるなんて最高だ!なんだか身体じゅうの細胞の一つ一つにまで、朝の山の清々しい空気が沁み渡るようだ。んー、奥多摩来て良かった(笑)。
 
 
 
 やがて、起点から6.2km程で路面が未舗装へと変わる。以前来た時の記憶ではもっと舗装区間が長かった気がしてたんだけど、新緑の景色を眺めながら走っていたせいもあってか、今回はそんなに距離を感じなかったな。まあ舗装区間6kmってじゅうぶん長いけどね(笑)。
 
 
 
 そして、ダート区間に入ればもう一つの林道との分岐は割とすぐだったはず・・・。
 
 
 
 着いた!ここが川乗線と林道日向沢線との分岐地点です。
 この地点から左へ曲がって行くのが川乗線の本線、そして直進方向に延びているのが分岐する日向沢線となる。
 この日向沢線は、今いる奥多摩側の区間と、埼玉の有馬峠から分岐する日向沢線があり、元々はこちら側と埼玉側とを繋ぐ計画があったものの、結局その計画は中止となってしまった・・・ということを、前回ここを訪れた後に知ったのだが、実は数年前から埼玉の日向沢線で再び工事が始まった。自分が2年ほど前、最後に見たときは改良工事とのことだったが、これはやはり奥多摩側と繋ぐ計画が復活したということなのだろうか。既に奥多摩側区間は県境にまで到達しているらしいので、あとは埼玉側の開削が完了すれば、晴れて全線開通となる・・・はず。
 そして、現状の埼玉側の末端から、既にこちら側の区間を見ることが出来るのだそうだ。ということは、こちら側の末端まで行けば、逆に埼玉側の区間を見ることが出来るんじゃないか、と思ったのが、今日ここに来た理由の一つでもある。
 
 
 
 路肩に建つ道路情報の看板は落石を知らせてはいるが、やはり特に通行制限は無いようだ。それじゃ、初となる日向沢線奥多摩側区間の末端を目指して、行くぞ!
 
 
 
 垂直に施工された擁壁があったので撮ってみたが、ガードレールもないこんな際にバイクを停めるのはなかなかおっかないんだぜ・・・。
 
 
 
 お、ここはココか。あのときは雪景色が印象的だったからよく覚えてるぞ。
 
 
 
 更に進んでいくと、お・・・おおお!
 
 
 
 富士山だ!しかも、こんなにくっきりと!なんて美しい姿だ・・・。
 
 
 
 路肩から下を見下ろす事が出来る場所では、さっき上ってきた区間が見えている。
 
 
 
 画像中央付近から右手に延びているのが今いる日向沢線で、左手に上っていっているのが川乗線だな。
 
 
 
 お、良く見れば日向沢線の青い標識が見えてる。うふふ、ちょっと楽しい(笑)。
 
 
 
 ちょうどこの区間は、法面に大掛かりな補強が施されている。BAJAと比較してその巨大さが伝わると思うが、まだ真新しいコンクリートの格子の内側には網目状の膜が張られている。いずれこの升目の中に植物が茂り景観に溶け込むようにとの配慮だろう。そういえば、ここ最近あれだけの豪雨があったにもかかわらず、ここまでの路面に目立つ土砂の流出などがほとんど無かったのは、崩れやすい箇所の補強はほぼ済んでいるということなのかな。
 
 そんなこんなで久々の日向沢線を堪能しながら先へ先へと進んでいると・・・。
 
 
 
 おっ・・・。
 
 
 
 おおおーっ!ついに来た!川乗線との分岐から約2.3kmでトンネルに到着!
 
 
 
 扁額によると「踊平トンネル」というようだが、前回来た時は途中で路面を覆う瓦礫に阻まれて、このトンネルに辿り着くことなく引き返してしまっていた。このトンネルを越えることも、今日の目的の一つだった。
 それにしても、ここまでの路面があまりにも綺麗に整備されていたので、前回引き返した地点がどこだったか気付くことなくここまで来てしまったな。
 
 
 
 延長僅か69mの踊平トンネル、遂に抜けたぞー!いやー嬉しい!
 
 
 
 トンネルを抜けて脇を見ると遠く関東平野が見渡せる。
 
 
 
 そして改めて進行方向を見ると、そこには路面を覆い尽くす土砂の山が・・・。
 
Aへ続く。