埼玉の林道・最後の未踏エリアへ!
2013/05/05 埼玉県秩父市〜小鹿野町・林道西秩父線とその周辺 -A
 
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 女形線を引き返し、再び西秩父線の起点まで戻って来た。見落としていた二本の林道のうち、女形線は西秩父線に繋がっていなかったが、もう一本は確実に西秩父線から分岐しているはずなので、改めて終点に向けて引き返しながら注意して見ていくことにしよう。
 
 先程とは正反対の方角となる景色を見ながら復路を進む。延長20km超の舗装林道を往復って、我ながらさすがに何やってんだ、とは思う(笑)。
 
 でも、この道は視界が開ける区間が多く、こんな青空の下で良い眺めを見ながら走ることが出来るので、実際それほど退屈することもない。
 
 木々が伐採されて見通しのいい区間を、林道はグネグネと這うように延びている。この山肌が再び緑に覆われるにはまた何十年と掛かるんだよな・・・。
 

 そういえば、見落としていたもう一本の林道、そろそろ姿を現しても良い頃だと思うが・・・。
 
 でっ、出た!これか!!
 
 これが林道坂丸峠支線である!西秩父線本線からほぼ平行に分岐しているが、その勾配は、ほぼ水平な西秩父線に比べ、かなりの急角度で下っている。これじゃ往きに見落としても不思議ではないな。それにしても、なんだこの廃道臭さは・・・起点から轍すら見えないんですけど。
 
 雑草と枯葉に覆い尽くされた急勾配の道を下り始めると、ぱっと見では分かり辛いが、落ち葉に隠れたゴロゴロとした大粒の石にタイヤを取られ、真っ直ぐに走ることもままならず、バランスを崩さないように両足を使いながらゆっくりと下ることを余儀なくされる。
 そういえば、西秩父線から分岐するのが坂丸峠支線とはこれ如何に、って感じだが。そのうち西秩父線の由来でも調べてみるか。
 
 そんな道をチビチビと下ってくると、やがてガードレールも途切れてしまった。そろそろ終点か、と思った頃、確かに終点っぽさのある地点に辿り着いたのだが、まだそこから右手に直角に折れる道が伸びている・・・。
 
 何となく作業道っぽい感じはするのだが、とりあえず行けるだけ行ってみようと進んで見ると、すぐに道の両脇から迫り出す藪がお出迎え。結構堅い枝にライトやタンクを撫でられながら無理やり進んでいく。ひ〜・・・。
 
 その藪を越えると、一旦道は平穏さを取り戻すのだが、そのすぐ先で・・・。
 
 路上に横たわる倒木により進路を断たれてしまった。頑張ればどかせそうな気もしなくもなかったが、その先にもまだ倒木の姿が見えていたので、ここは素直に引き返すことにした。
 
 再び西秩父線へ戻り、終点を目指す。向かいの山肌では所々でヤマザクラが、初夏に向かい過ぎゆく春を惜しむように淡い彩りを添えている。
 
 この西秩父線、全線を通して走るのは初めてだが、空に近くて見晴らしも良く、本当に気持ちの良い道だな。これで未舗装だったら・・・いや、それはもう言うまい(笑)。
 
 そろそろ西秩父線も終盤。朝も写真を撮った地点で戻りがてらもう一枚。ここは、遥かに連なる山々が淡い青のグラデーションを描き、全線の中でもかなり画になる場所だと思う。
 このまま終点まで下り、再びR299に戻って次の目的地へと向かう。
 
 ・・・が、その前に一か所立ち寄り。林道八日見線の起点側区間である。県279に接続する終点と繋ぐ予定の、現在開設中の林道だが、前回ここに訪れたのは2年前の夏だった。あれからどれだけ開削が進んだのか確かめに行ってみよう。
 
 しかし、いざ進んで見ると、起点から1km程の路面がダートへと変わる地点で、バリケードにより閉鎖されていた。ちょうどその奥に歩行者がいたこともあり、結局先へ進むことは断念してしまった。まあいい、恐らくまだ繋がってはいないと思うし、ここはそのうちまた改めて来てみるとするか。
 
 再び国道を下り、本日最後の目的地へ。地図を見ると、その林道はこの辺りから分岐しているはずだが、国道からの分岐地点には、特に標識は立っていない。とりあえず道はここで間違いないはずなので、このまま進んで見るか。
 
 おお、あった!林道茅ノ坂峠線です。ここは、ツーリングマップルにも記載されている林道なのだが、もう何年も前から「舗装化進行中」と書かれていて、そんな状態だから、現在ではもう完全に舗装化されているんじゃないかという思いがあった。
 
 2013年現在、果たして路面状況はどうなっているのだろうか。この目でしかと見届けてこよう。
 
 おお、すごい!かなり鋭角に聳えた切り通しだが、これ、よく崩さずに残したもんだな。
 
 そういえば、さっき入って来た側が国道に近かったので、そっちが起点かと思っていたのだが、途中に立つキロポストは、進むにつれて数字が減って行く。また終点側から入ってきちゃったか。まあいいけどさ(笑)。
 
 この区間は、谷側にだけ植林された杉がびっしりと並んでいる。道で隔てられた両サイドの景色の対比がちょっと面白い。
 
 終点から入って9km程来ると、突然未舗装路が現れた。お、おおっ!意外なことに、まだ未舗装区間が残ってたのか!
 
 ・・・しかし、目の前に見えていたカーブを抜けると、またすぐ舗装に戻ってしまった。そして、茅ノ坂峠線の全線で、ここが唯一の未舗装区間だった。これだけの区間を残してある意味がよく分からないが、これはもう完全舗装路の扱いでも問題無いよな・・・。
 
 そして、総延長約11.6kmを経て、県282と合流する起点に到着。それにしても腹減った・・・ここから少し戻ったところに、飯に出来そうな川原に目星を付けておいたので、そこで飯にしよう。
 
 結局今日はこんな川縁で昼飯と相成りました。
 
 ここ、実は林道からもそんなに離れてはおらず、実際、軽トラの人にラーメン食ってるところを目撃されてしまったが、そこそこ雰囲気も良かったし、まあ良しとするか(笑)。
 
 だいぶ遅めの昼飯を済ませ、改めて県道を下ってきた。今日の目的の林道も一通り回りきったし、今日はそろそろ帰るとするか。
 
 一通り回りきったし・・・?
 
 ああっ!林道長合沢線!そうそう、ここは去年の冬に凍結のために途中で引き返して以来、そのままになってたんだった!あっぶねー、こっち(旧道)通ってこなかったら素で忘れて帰るとこだったよ!この一本のためだけに改めてここまで出てくる、なんてことにならなくて良かった(笑)。
 
 前回はツルツルのアイスバーンでさんざん俺を手こずらせた道も、今日は新緑の溶け込んだ柔らかな日差しを放ち、こんなにも優しく迎え入れてくれている。
 
 起点から800m程進んでくると、一応林道としての終点と思われる、少し広くなった地点に着いた。
 
 ただ、そこから折れるように、草に覆われた細い道がまだ続いている。恐らく作業道だとは思うが、ちょっと進んでみるか。
 
 ・・・え?橋・・・?
 
う、うわあっ!だ、駄目だ駄目だ!これはもはや車両が通行していい橋じゃない!!
 
 恐らくかなり以前に流失したのだろうが、本当に踏み板があったのかすら疑わしいほど豪快に隙間の空いた橋の上は、主桁の丸太が剥き出しになり、その上には苔や雑草が厚く生い茂っている。こんな状態でどれだけの荷重に耐えられるかは分からないが、人ひとりくらい大丈夫だろうと、丈夫そうな端のほうを選んで歩いてきたら、体重を掛けた踵がメリッ・・・と沈み込んだ。しゃ、洒落にならんてば・・・。
 
 そして、橋の先に延びる道は、案の定シングルトラックとなっていた。そもそも橋があんな状態では、もはやこの道も使われてはいないんだろうな・・・。
 
 しかし逆に考えれば、踏み板が抜けていてくれて良かったのかもしれない。下手に渡れそうな見た目だったら、うっかりBAJAで渡ってそのまま墜落なんてことになっていたかも・・・。
 恐らくはもう造り直されることもないだろうが、果たして今架かっているこの橋も、あとどれくらいこの姿を留めていられるのだろう・・・。渡ることを前提としなければ、見た目には非常に萌える姿ではあるが(笑)。
 
 これで本当に今日のツーリングは終了だ。そして、今日回って来たエリアをもって、今現在ナノレカワが把握している埼玉県内の林道は、一通り現地を訪れたことになる。2005年頃から、なんとなく見かけた林道に入り込んだりしているうちに県内の全ての林道に興味を持ち始め、暇を見つけては走りまわってきたけど、長かったような短かったような・・・。ただ、あくまでも一通りというのは”今現在把握している林道”であって、もしかしたら見落としている林道もまだ存在しているかもしれないし(先日の白石線のような例もあるしね)、それに、今現在開設中の林道(西名栗線、御岳山2号線、二子線、八日見線、等々・・・)の今後の進捗も確かめたいし、これで埼玉の林道探索が終わるわけではなく、あくまでも”一区切り”といったところかな。これからは県外の林道にも積極的に目を向けて行きたいとも思うが、同じように埼玉の林道も引き続き巡ることにはなると思うので、今後ともナノレカワの埼玉林道探索にお付き合いのほど、よろしくお願いいたします(笑)。