中津川林道、2015シーズンスタート!
2015/05/01 埼玉県秩父市・中津川林道-@
 
 おはようございます。ナノレカワです。
 昨日の秩父林道に続き、本日も秩父市にやってまいりました。
 今日は5月1日。本日の目的地は、今日付けで冬季閉鎖が解除となる中津川林道だ!元々、何故か開通日を2日と勘違いしていて、その日は別の用事があった為、中津川に行けるのは連休明けになるかな、なんてぼんやりと思っていたところ、実は開通日は1日だったことが発覚(笑)。おおお!そんなら初日っから走りに行っちゃうんでごわすんですよおお!
 
 さあ、やって来たぞ奥秩父。前方に雷電廿六木橋を見上げるここは、国道140号から滝沢ダム下流広場へと向かう分岐地点。
 現在時刻は7:08AM。今日の冬季閉鎖解除の予定時刻が8:00AMとのことで、その時刻までにゲート地点に間に合うようにと早起きをして走って来た。中津川の開通初日からこんなに気合いを入れて走りに来たのはたぶん初めてのことだが(笑)、たまにはいいでしょこういうのも。
 
 県道210号中津川三峰口停車場線を神流川出合まで走り、いよいよここから、秩父市道大滝幹線17号線、すなわち中津川林道に入る!何度来てもこの地点に立つと胸が高鳴るぜ!
 
 森林科学館前に立ち寄り、いつものアングルで記念撮影。それにしても、昨日に引き続き今日も本当にいい天気だ。
 で、今回は、あくまでもナノレカワ的にではありますが、中津川林道でのおススメポイントなどの紹介を、過去の日記へのリンクも交えてお届けしてみようと思います。何度も中津川を訪れている方はもちろん、まだ中津川に行ったことが無いという方にも、興味の一助にでもなれば幸いでございます。
 ・・・決して、何度も訪れ過ぎて書くことが無くなったって訳じゃないんですからね(笑)。よかったらのんびり見てって下さいませ。
 
 出発前にトイレに入ろうと思ったものの、この時間は道沿いのトイレが時間的にまだ開いてなかったので、森林科学館の入り口の先にあるトイレを借りますよ。
 
 その森林科学館の入口脇には、この本多静六博士の胸像が立っている。
 この本多博士は、現在の埼玉県久喜市に生を受け、造園家、そして林学博士として名を馳せた人物だ。
 細かいプロフィールはWikiでも見てもらうとして(笑)、この中津川林道に絡むところとしては、昭和5年に、博士が旧大滝村に所有していた山林を、埼玉県に寄贈している。
 更には、その後も本多博士の寄付に基づき、昭和7年度から同16年度にかけて、廿六木集落を起点とし、大若沢入口に至る中津川線林道が開設された。その後、更に中津川沿いを延びる武州中津川森林鉄道の建設を経て、後の中津川林道が誕生したというわけだ。
 我々林道好きが現在こうして中津川林道でツーリングを楽しむことが出来るのも、まさにこの本多博士のおかげなのであるよ。みんなも中津川林道へ来た時は、本多博士にお礼を言おう!
 
はかせー!ありがとー!!
 
 森林科学館沿いにある掲示板には、既に三国峠が「通行可」との表示が出ている。更には、林道金山志賀坂線と、林道上野大滝線も「通行可」とのこと。この3路線が揃って通行可能になるなんて、一体いつ以来のことだろう。地味にテンション上がるなコレ(笑)。
 
 さて、その森林科学館を過ぎたところに、道の脇に一本の錆びた鉄の支柱が立っている。なにやら今日は釣り堀の幟の支柱にされてしまっているが・・・(笑)。
 
 以前も紹介したものだが、この支柱は、嘗て中津川林道が有料林道だった頃の、通行管理所のゲートの支柱の名残なのだ。
 小振りながらもこういった遺構が残されているのはナノレカワ的に結構な萌えポイントなのだが、以前の日記で、有料林道当時の写真も交えて紹介しているので、よろしければこちらからどうぞ
 
 程なく道はダートへと変わるが、そこからほんのすぐの地点に素掘りの隧道がある。
 
 ・・・お?確か以前はこんなプレートは無かったぞ。どうやらここは2号トンネルというらしい。
 
 その2号トンネルの出口には、コンクリートのポータルが造られているが、その右上に、そのポータルとトンネル内壁の間に間に僅かな隙間がある。取り立てて危険なものではないと思うが、やはり通るたびに気になるんだよね、ここ(笑)。
 
 更にその先で、今度は大岩隧道が現れる。
 
 このプレートも初めて見るが、さっきのは2号トンネルだけどこっちは大岩隧道なのね。なんだろ、この表記の違いは意図的なのかな?
 
 さて、その大岩隧道の手前で、左手に一本の小路が分岐している。
 
 ここは、嘗ての武州中津川森林鉄道の軌道跡だ。以前ここを歩いたの日記はこちらからどうぞ
 この先は、トンネルを巻く僅か200m程の区間でそれほど危険なところも無く、晴れた日に歩くと本当に気持ちがいいので、時間があれば是非歩いてみることをおススメします。
 
 さあ、どんどん進んで行こう!
 
 王冠キャンプ倶楽部の先にあるバリケードも道の脇に寄せられ、何の問題も無く開放されている。キャンプ場を越えると、道沿いの電柱も姿を消し、周囲の景色もいよいよ中津川の本領発揮だ!
 
 一枚写真を撮ろうと停車した場所で、ふと後ろを振り返ると、逆光に霞む新緑があまりに綺麗で思わずこっちを撮影。やはり早朝の林道の清々しさは何物にも代え難い。
 
 おっと、そろそろ8時になるぞ。少し急ぎ足で行きますか。
 
 少しペースを上げて、冬季閉鎖ゲートのある信濃沢橋までやって来た。
 
 現在時刻、7:56AM・・・んが、開通予定時刻前にも関わらず、既にゲートは開放されていた。もうちょっとこう、ゲート前で係員が時間きっちりにゲートを開けるとか、そういうのを想像してたんだけど、なんだか拍子抜け(笑)。
 後程、この先で会った人に聞いたところによると、去年の話とのことだが、早朝6時頃には既にこのゲート前に相当数のバイクが集まっていたため、開通時刻を早めたということがあったらしい。まあ、8時というのも、考えてみれば通常時の夜間通行止めが開ける時刻だし、もともと予定時刻前に開放しておくものなのかも知れないな。
 
 さて、信濃沢橋といえばもうひとつの見どころがここ。橋を渡った地点から沢の右岸に沿って延びるこの小路。この先には、嘗ての武州中津川森林鉄道の支線であった、信濃沢支線が敷かれていた。
 さすがに現在では軌条などは見られないが、軌道敷の石垣などは随所に残っているので、こちらも興味のある方は是非覗いてみると良いでしょう(以前歩いた時の様子はこちらからどうぞ)。
 
 そして、その小路の入口脇にある、この水源かん養保安林の看板。ここにも中津川林道好きには堪らない(?)萌えポイントが。
 
 現在地が記された、この道を表す線に沿って記された、「中津川林道」の路線名が今も残っているのだ!
 これは、現在は秩父市道となったこの道の中に今も残る、嘗ての国有林林道時代の数少ない名残りのひとつだ。
 この文字、以前はもっとしっかり白い塗料で消されていた気がするが、次第に薄くなってきたのか、今ではその塗料の下の中津川林道の文字がかなりはっきりと読み取ることが出来るようになっている。またいつ消されるとも限らないので、見ておくなら今のうちですよ!
 
 道を覆う木々が全ての葉に眩しい陽射しを蓄えて、周囲の空気を鮮やかな新緑色に染め上げる。言葉では言い尽くせない爽快感だ。
 
 続いて現れる素掘りトンネル。ここにも新しいプレートが掲げられている。
 
 それによると、ここは1号トンネルとのことだ。そういえばさっき2号トンネルがあったが、峠方面から数えて1号、2号と来るのか。
 
 冬季閉鎖解除直後の、芽吹いたばかりの新緑の美しさが目に眩しい。今のこの眺めも素敵だが、緑が更に勢いを増した強い発色の中津川も実に素晴らしい。だからここは一年のうちにも何度でも訪れたくなってしまうのだ。
 
 目的だった開通予定時刻はもう過ぎたので、あとは特に急ぐ理由も無い(笑)。早朝の山の空気を堪能しながらのんびりと進んで行こう。
 
 この地点は、川の水面と路面が高低差を詰めて蛇行する線形と合わせて実に趣のある景色が広がっている。ちょうど日向から日陰の景色を見るような感じになるので、上手く写真に収めるのが難しいが、この景色の美しさは、是非現地を訪れて見て欲しい。
 
 ここでは道沿いにヤマザクラの木が立っているが、毎年冬季閉鎖解除直後に来ると、ちょうど満開になったヤマザクラを見ることが出来る。ここを見るのもこの時期の楽しみの一つだ。
 
 入口にチェーンゲートのあるこの分岐。ここは大河俣林道といい、中津川林道と同じく、嘗て国有林林道として開削されたらしい。現在では林道としての役割は終えているようだが、その車道区間の延長は200mにも満たない程で、歩いてもあっという間に辿ることが出来る。その先には、「中津・西沢の大カツラ」へと至る登山道が延びているが、そこへ至る道のりは結構大変らしいですよ(笑)。去年、車道区間を歩いた時の様子はこちらからどうぞ
 
 ここは、一見すると特に大したことない景色に見えるかもしれないが、ここは俺が初めて来た時から、毎回来る度に写真を撮っているポイントなのだ。何故ここで撮るようになったのかは憶えていないが(笑)。
 
 さあ、中津川を離れてこっからガンガン高度を上げてくぞ!
 
 この区間に入ると、途中で何度か同じ印象のカーブが現れるが、この構図が好きなのでその度に停車してしまう。たぶんこの後も似たような構図の写真が出てくると思います(笑)。
 
 道の脇に聳える岩壁が印象的なこの地点。BAJAを停めて見上げると、その岩肌に沿って沢水が流れ落ちてくる。
 
 朝日を浴びてきらきらと輝く滴が、岩に貼りつく苔を撫でるように滴り落ちる。思わず時を忘れるほどの美しさだ。
 
 ・・・ってかさ、寄り道が多過ぎてとうとう1ページ使っても三国峠に辿り着けなかったよ!ちょっと急ぎ足で上って行くとするか・・・。
 
Aへ続く。