林道に寄り添う登山道を登る
2015/11/21 埼玉県飯能市・棒ノ嶺登山-@
 
 前回の東谷林道の山歩きに続き、今回も山歩きネタです。とはいえ、今回も林道ナノレカワ線らしく、途中でとある林道が登場しますので、ゆるーくお付き合いくださいませ。
 
 今日は飯能市にある棒ノ折山に登る。棒ノ嶺と言うほうが馴染み深いだろう。飯能周辺の林道を走ったことがある人なら、この名前に聞き覚えがあるかも知れない。この棒ノ嶺、首都圏からのアクセスの容易さやコースの手軽さなどから人気のルートだという。実際、集合場所としたさわらびの湯の駐車場も、多くの登山客の車で埋め尽くされていた。
 今日はタマチャリンさんまあもさんとの登山だ。タマチャリンさんとは6月の赤沢軌道以来だが、まあもさんとは前回の東谷林道でも会ったばかりだ。
 
 駐車場から、まずは名栗湖畔にある登山口を目指して歩いて行く。有間ダムの堤体の上は、今日も多くのバイク乗りで賑わっている。
 
 ダム湖の右岸を回り込み、登山口へとやって来た。BAJAでここを通る度に目にしていた場所だが、いよいよ自分の足で登って行く時が来たぞ。
 
 ここから棒ノ嶺までは3.3kmだそうだ。よっしゃ!それじゃいっちょ行ったりますか!
 
 林道歩きは前回もしたばかりだが、純粋な登山道を歩くのが久し振りな所為か、いきなり急斜面の道を登ることで足に負担が掛る感覚にちょっと戸惑ったが、少し歩けば体が慣れてくるのも分かっているので特に心配せずに進んでいく。
 
 少し登った先で、先を行く二人が脇に逸れる道を見つめている。タマチャリンさんは、前回歩いた時も気になっていた道らしいが・・・。
 
 ちょっと進んでみると、ほんの数十mですぐに行き止まりとなった。どうやらただの尾根だったようだ。
 
 本線に戻って先へと進むよ。お、木の根っこ階段だ。これ好き(笑)。
 
 登山口から入った直後こそ急坂だったが、その後はしばらく穏やかな道が続く。それにしても、人気の登山コースだけあって本当に人が多い。
 
 なんてことを思っていると、突然こんな岩場を登る地点が現れた。
 
 しかも、ここ数日夜になると降っていた雨の所為なのか、路面はこんな感じにぬかるんで足が滑りやすくなっている。うっかり岩場でコケたりしないように慎重に進もう。
 
 その先で、沢の音が大きく響いてきた。滝だ。
 
 道は斜度を上げ、滝の上端に高さを揃えていく。
 
 そしてその滝の上端まで登りつめたところで、道は対岸へと渡って行く。うおお、何だこの感覚!滝の真上を歩いて渡るなんて超新鮮!
 
 登山口からここまでの所要時間、僅か20分程。こんな手軽にこんな景色が観られるなんてちょっと凄いんじゃない?
 
 滝を過ぎると、道は白谷沢に並走して延びていく。
 
 おおっ、何だこれは!?道と沢の間に、流木が山と積み上がっている。この沢沿いを流れてきたものなのだろうか。
 
 この先に、俺が今日この棒ノ嶺に来た目的の一つがあるのだが、タマチャリンさんによればそこはもうすぐだという。
 
 その言葉通り、少し進んだ先で、多くの人が集まっている地点に出た。さあ、着いたぞ。
 
 ここが白谷沢のゴルジュだ!以前タマチャリンさんの記事で見て、慣れ親しんだこのエリアに、こんなワイルドな場所があるのかと驚いた。実際、首都圏近郊でこれだけの景観を持つ登山道はかなり珍しいようだ。このゴルジュをとにかくこの目で見てみたくて、今日はここを歩いてきたのだ。
 
 スケール感が分かりやすいように、人物の入った写真も載せてみる。険しい岸壁がたったこれだけの幅で沢の両脇に切り立っている。実際にこの場に立つと、周囲の岩肌が放つ迫力がこれでもかという程に押し寄せてくる。とはいえ、登って行くのに特別な装備などが必要と言う訳でもなく、写真にも写っているように、慎重に行けば小さな子供でも辿っていくことも可能な場所だ。
 
 ゴルジュを抜け、更に先へと登る。苔生した岩と、その中を流れ落ちる沢水が素晴らしく美しいな・・・。
 
 ゴルジュを上から見下ろしてみる。これだけの景色をこんなに手軽に観られるのだから、そりゃあ人気にもなる訳だよなー。
 
 ゴルジュを抜けても、足場は急峻な岩場が続く。なんだなんだ、スッゲー楽しいぞコレ!!
 
 岩場を登り切ると、一旦平坦な地点へと出て道は対岸へと渡る。
 
 そして、そのすぐ先で更にもうひとつのゴルジュが現れる。
 
 最初のゴルジュにも決して引けを取らない迫力だ。こんなにワイルドな景色が、登山口からほんの30分ちょっとで辿り着けてしまうなんて、本当に凄い!バイク乗りの人でも、近くの林道にツーリングに来たついでにちょっと立ち寄ってみるってのも全然アリだと思う。あ、足元だけは滑り辛い靴のほうがいいと思うけど。
 
 ゴルジュの奥で、両脇に鎖の手すりが設置された石段を登って行く。隅がボケてミニチュアライズみたいな変な写りになっちゃったけど、この場所の迫力は分かってもらえるんじゃないかと思う。
 
 いい!実にいいぞ白谷沢!これはまた新緑の時期にでも改めて訪れてみたいものだ!
 
 石段を登って行くと、道のすぐ脇を伝い落ちる滝がある。
 
 ここはどうやら「白孔雀の滝」と言うようだ。滝に沿って登って行くというのも、登山ビギナーにとっては実に新鮮な感覚で、この白谷沢で見る景色はどこを切り取っても本当に面白い!
 
 ゴルジュを越えて、まず最初の目的は達成したが、お楽しみはまだここだけじゃないんだなー。さあ、どんどん行くよ!
 
 道はだいぶ穏やかさを取り戻してきた。タマチャリンさんによれば、次の目的地はここからさほど遠くないという。ナノレカワ的には、この次の目的地もかなり楽しみにしてきた場所なのだ!
 そういえば、タマチャリンさんの以前の記事を見返していると、こういった沢を跨ぐ地点には簡易的な木橋が掛けられていたようなのだが、今日はそれらしいものを一つも見なかった。みんな流されっちまったってことなのかい!?
 
 ところどころ丸太階段の組まれた道を10分弱も歩いた頃、目の前に一つの黒い穴が見えた!
 
 暗渠だ!うおお、来た!間違いないッ!
 
 その先で一気に斜度を上げる階段を登るのだが、その奥に、見覚えのある看板が立っている。
 
 さあ皆さん!林道に出ますよ!いいですかー!行きますよー!!せーのっ!
 (自動車に注意しましょう)
 
おおおーっ!!遂に着いたぞーッ!!そう、ここは・・・!!
 
林道大名栗線だっ!!
 
 登山道から林道へ降り立つというのは、今年の3月に官ノ倉山から林道勝呂入山線へと歩いた時にもやっているが、この感覚はやはり何度味わっても本当に楽しい!!しかも、自分はもう久しくこの大名栗線に訪れておらず、前回BAJA君と最後に来てから既に5年半以上が経っていたということもあって、ここにこうして立てたことは本当に嬉しかった。
 
 そういえば、ここには木製のベンチが並んではいたものの、タマチャリンさんと二人で、「ここって東屋がありませんでしたっけ?」という話をしていたのだが、最後に来た時の写真を見返していたら、やはりここには東屋が建っていた。ベンチの足元には、柱を立てていたと思われる基礎が残っていたが、何らかの理由で撤去されてしまったらしい。まあ、東屋があろうとなかろうと、ここは多くのハイカーでごった返していたので、休憩もそこそこに先へと進むことにした。
 
 タマチャリンさん曰く、ここから先の区間は棒ノ嶺へと至るコースの中で、一番急でキツイ区間らしく、確かに下から見上げただけでもその厳しさが伝わってくる急斜面となっている。うぬぬ〜っ、負けねえぞおーう!!
 
 その急斜面を登り切ると、尾根を跨ぐ平坦な区間へと辿り着く。
 
 道の外に目を遣ると、眼下には先程通過した大名栗線の姿が見えている。んふふ、楽しい(笑)。
 
 はい!わかりました!
 
 しばらくはこの平坦な区間が続いていくが、先程の急坂を登って来た体を休めるのに丁度良い(笑)。
 
 その斜面の下にも、大名栗線が寄り添うように延びている。嘗て何度も走った林道を、その時とは違った位置から見ていることが本当に楽しい。
 
 さて、そんな道をスタスタと歩いていると、道の脇に突出した岩が見えてきた。
 
 どうやらこの岩、岩茸石というらしい。岩の上には人がよじ登っていて、まあもさんもちょっと登りたそうだったが、人も多かったので帰りにまた寄ってみようということになった。そう、この時はまだここを引き返してくるつもりだったんだけどね(笑)。
 
 その岩茸石の地点で、道は尾根を回り込んでいるのだが、そこに一つの道標が立っている。
 
 そこに、「トウギリ林道」という道の名前が書かれている。「トウギリ」は「湯基入」と書くのだが、その湯基入林道とは、実は現在の林道大名栗線のことで、大名栗線が完抜けする以前の古い名前なのだ。大名栗線の起点沿いの沢の名前が「湯基入」といい、この「湯基入林道」という名前は現在でも一部の地図などで見ることが出来るが、ここで道標にこの名前が刻まれているのを見てちょっとテンション上がった(笑)。
 
 そしてここでもう一つ、ハイブローなダジャレをブッ放つ看板を発見。ふむふむ、熊もあきれて熊っちゃいましたか・・・。
 って、あれ?この看板、ステンシル文字や動物のイラスト、そしてさりげなくギャグを飛ばしてくるスタイルが、以前秩父林道で見た「猿より頭の毛が三本?」と同じフォーマットだな。むむむ、もしかして他のパターンもあったりするのかな?他にも知っているよ!って方がいたら是非教えてください(笑)。
 
Aへ続く。