埼玉県秩父市から長野県川上村へと至る、秩父市道大滝幹線17号線。現在でもその総延長のほとんどが未舗装区間として残るこの路線は、埼玉県と長野県を繋ぐ唯一の車道としても知られ、林道好きにとっては今も旧国有林林道時代の名称、中津川林道として親しまれている。
・・・と、これは以前の日記の冒頭に書いた文章をそのまま引っ張ってきたものでありますが(笑)、ここで改めて載せておくのもいいでしょう。その中津川林道は、2016年9月の土砂災害により長いあいだ通行止めが続いていたのは皆さんもご存知の通り。それから2年8ヶ月もの月日が流れ、復旧はまだかまだかと首を長くして待ち焦がれていたところ、先月末に、いよいよ再開通するとの報せが発表された!おおお!ついに!ついにこの日が来たか!
通行止め解除の日付は6月6日木曜日。当日は絶好の青空に恵まれ、平日にも関わらず中津川林道の再開通を待ちわびたたくさんの人でにぎわった様子をツイッターなどで見ていたが、その直後に梅雨入りしてしまい、しばらくはぐずついた空模様に、いつ中津川に行けるかと様子を伺っていた。今週末も、週間予報ではあまり期待できそうに無かったのだが、直前に予報が好転!このチャンスを逃すわけには行かない!というわけで、開通から10日後の本日16日、3年振りの中津川林道に出発だ!
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今日は「XRで行こう」のみやさんと一緒だ!前回みやさんと走りに行ったのはいつだったかな、と思って過去の日記を見たら、2017年の秋に道志のほうに行って以来か。顔を合わせると、そんなに経っていた気も全くしないけど(笑)。みやさんとは自宅が徒歩圏内なので、すぐ近所で待ち合わせて早速出発だ!
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ところ変わってここは横瀬の国道299号沿いのコンビニ。朝飯を食わずに出発してきたことを空腹で思い出し、急遽立ち寄ってもらった次第。
武甲山の周囲には薄っすらと靄が掛かっているが、今日は起床時から天気はどんどん良くなっている。中津川もきっと好天の中を走ることが出来るだろう!
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国道140号へと合流してしばらく走り、三峰口を過ぎた辺りで停車。上の写真にも写っているが、ここには、先日ツイッターでその存在を知って、ずっと見たかったものがあるのだ。
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それがこれ!旧大滝村の、村道1号線起点標識だ!元は鮮やかなエメラルドグリーンで塗られていたであろうその表面も、経年により今では大部分を錆に覆われているが、それがまた実に良い味を醸し出している!そして特筆すべきは、旧タイプ林道標識でお馴染み(?)の、略字体の「奌」の字である!更には、標識前面からボルトで支柱に固定している部分も旧タイプ林道標識の特徴と一致している。もしかして、製造元が同じだったのだろうか。詳しいことは全く不明だが、これらの特徴を考慮すると、設置から少なくとも50年以上は経っているのではないかと思われる。
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そしてこの標識が立つ位置は、遥か下方に流れる荒川を望む絶好のシチュエーション!もう最高!いままで何度と無く通ったR140沿いに、こんなものが残っているなんて全く知らなかったが、よくぞ、よくぞこの令和の世まで残っていてくれた!
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・・・なんて興奮して写真を撮りまくっているところをみやさんに撮られていた(笑)。
この村道の標識のすぐ隣には、見ての通り「止まれ」の標識も立っているのだが、よくそれらの設置のタイミングで撤去などされずに残っていたものだ。きっと秩父市も、この標識の価値を理解しているに違いないッ!!
・・・え?早く中津川に行けって?はい!行きます!
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というわけで、一気に森林科学館の前までやってきたぞ!この写真では分からないかと思うが、周囲には何台ものオフロードバイクのグループが停車していて、いままで何度と無く中津川林道に来たけど、いちどにこれだけのオフ車を見るのは初めてのことかもしれない。
天気も申し分無しだ!さっそく進むぞ!
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ダート区間に入ると、周囲は新緑を透かして射す光に包まれてもう最高の気分!
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正直、今日は雨さえ降らなければ御の字くらいに思っていたんだけど、ここまで良い天気に恵まれるなんて!先週無理して出て来ないで良かった(笑)!
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そして、遂に長いこと閉ざされていたゲート地点に到着。
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2016年の土砂崩れをきっかけに、2017年に設置されたこのゲート。秩父市が中津川林道の復旧に向けて動いていることは分かっていたので、いつかは開くと思って待っていたが、こうして実際に開いたところを自分の目で見ると、じつに感慨深い。しばらくここで停まって、今来た方向とこれから向かう方向を交互に眺めながら過ごしたが、そうしているあいだにも何台ものバイクがここを通過して行った。
このゲートの地点までは、通行止めになってからも毎年いちどは来ていたのだが、ついに、ついにここから先を峠に向けて走ることが出来る!なんという感動か!
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みやさんも来たぞ!行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇぇぇっ!
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ゲート地点までは毎年来ていたとはいえ、通行止めとなった2016年はそれまで走りに来ることが出来ていなかったので、三国峠まで通り抜けるのは2015年の10月以来となる。ゲートを通過して、そんなことを考えながら走っていたら、なんだかちょっと胸に来るものがあったよね(笑)。
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ホント、嬉しすぎていつも以上に頻繁に停まってる気がする。
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と、そんな写真を撮っていたらみやさんがやってきたので激写!みやさんとは写真を撮りながらの走るペースも似ているので、いつもこんな風に抜きつ抜かれつでお互いを撮り合いながら走っているのだ。
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やはり中津川林道の開通を心待ちにしていたのはみんな同じなようで、今日は週末ということもあって本当にたくさんのオフ車が走っている。この写真も、良い感じにBAJAしか写っていないが、シャッターを押そうとするそばから何台ものバイクが通り抜けていくので、それなりにシャッター待ちをしているのだよ(笑)。
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ここは、川との高低差が割りとあるこの道のなかで、比較的道と川が接近している場所で、最近お気に入りで来るたびにここで写真を撮っている。まあ、「最近」と言っても3年振りなんだけど(笑)。
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ああ、本当に嬉しいなあ。再開通した中津川林道で、こうして木々の色素が周囲の空気にまで溶け込んだ空間を走っていると、それだけで何ともいえない満足感で満たされる。
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ふと、周囲の木々が途切れ、荒々しく崩れた斜面の上を道が乗り越えていく地点に出た。ここが通行止めの原因となっていた土砂崩れの地点だな。
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道の外には崩れた土砂が積み上がったままとなり、倒れたままの木なども見えるが、これだけの土砂をこの場所から取り除くことなく、最低限の施工で再び道を通したのだろう。
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崩れた地点を見上げると、剥き出しの岩肌は特に処置がされることもなくそのままとなっている。まあ、こんな見た目でも、あれだけ盛大に崩れた後ならしばらくは大丈夫だろうか・・・。それに、例えばこんな場所にコンクリートを吹き付けたところで、それほど効果が見込めないであろうことも前回の東御荷鉾線で見ているしね・・・。
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緑に囲まれた区間の多い前半も、時折空が開けた場所に出る。木々の色を引き立たせる、清々しく澄んだ青空が嬉しい。
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路肩の広くなった場所に、苔が生えて一面緑になっているところがあったので思わず停車。眩しく光る木洩れ日が素晴らしく美しい。ここは、かつて森林鉄道が走っていた頃には土場でもあったのだろうか。
(ちなみに、以前武州中津川森林鉄道の痕跡を巡って走ったときの日記はこちら。)
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やがて、道は中津川から離れて峠へ向けて標高を上げていく区間に入る。この切通しを堀割りを越えるとワクワクするぜ。
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そして、ここから先の区間に入ると、昨日までの雨のせいで、いたるところで路面が川になっていた。今日はこの後登山をすることも考慮に入れていたので、いつものオフブーツではなくトレッキングシューズで来ていたのだが、こんな場所がたびたびあらわれるもんだから、シューズが元の色が分からないくらい泥だらけになってしまったよ・・・。
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ここは、中津川林道の中でも特に印象的な、奥秩父林道との立体交差だ。中津川林道が再開通してから走りに来たライダーたちが、こぞってここで写真を撮っているのをツイッターで見ていたので俺も便乗(笑)。ただ、やはりここでもたくさんのライダーが停まっていたので、彼らが走り去っていくまでじっとここで待っていた(笑)。
(ちなみに、この奥秩父林道を自転車で辿ったときの日記はこちらとこちら。)
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目に入る木々の緑が本当に綺麗で、つい何度も停車して写真を撮ってしまう。なんて思っていたら後ろからみやさんがやって来たぞ。
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この堀割りも、中津川林道の中の好きな場所のひとつだ。日陰の堀割りの向こうに鮮やかに輝く緑が実に美しい。
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この、急峻な崖を切り拓いて通した区間も印象的だよね。この時期は緑が濃くて見えないのだが、木々が芽吹く前の時期だと、向かい側の区間からこの場所を見ることが出来る。あまりに険しい場所に通したのが良く分かってびっくりするよ・・・。
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そしてこちらも久しぶりの、橋の欄干に残る、数少ない旧国有林林道時代の名残である「中津川林道」の銘板。そういえば、この場所でも何度も写真を撮っているにも関わらず、この橋の名前って知らなかったな・・・。次に行ったときにそれも見てこよう。
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久しぶりに走る中津川林道 は、数年ぶりに会った友人が、顔を合わせるとつい数日前まで会っていたような、そんな感覚だった。あー、本当に嬉しいぜ。
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ここまで来れば峠まではあとほんの少し。噛み締めるように上っていこう。
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そして、遂に三国峠に到着!ここでもたくさんのライダーが停まっていたが、この場所でもこれだけの数のバイクを見るのは初めてかも。それはそうと、峠に着いたら思いの他風が強くて、停めたBAJAが倒れるんじゃないかと心配するくらいだった。しかも結構寒いぞ。一応、埼玉県側の空は晴れ渡ってはいるのだが・・・。
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峠を境に、長野県側の空は一面をどんよりとした雲に覆われてしまっている。撮った自分でも信じ難いが、上2つの写真は、ほぼ同時刻にシャッターを押したものななんだぜ・・・。
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もともと天気予報でも、長野県側はやや不安の残る予報ではあったのだが、県境を跨いでこれほどくっきりと天気が変わるとは・・・。
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しかも、これから向かう予定の、川上牧丘林道を経て辿り着く大弛峠は、予報によると本日の最高気温が10度までしか上らないらしい。今朝みやさんと待ち合わせたときは既に汗ばむくらいの気温だったのだが・・・。まあ、気温はともかく雨だけは降らないで欲しいところだが、なんだかんだ言ってここまで来たら川上牧丘林道に行くのはもう確定事項なのだ!さあ、行くぞ!
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②へ続く。
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